日本発「越境EC」拡大のいま
日本発越境ECの勢いが止まりません。かつては国内市場中心だった日本の通販ビジネスですが、少子高齢化や顧客ニーズの多様化を背景に、今や“世界の消費者”を相手にすることが当たり前の時代です。「高品質」「日本独自」「安心・安全」など、日本ブランドへの信頼はアジア圏はもちろん、アメリカ・欧州でも高まっています。
2025年の今、海外ユーザーの日本製品への需要は右肩上がり。円安の影響で価格競争力が高まり、大阪万博やインバウンド観光回復といったトレンドも越境ECの追い風に。越境ECはただの“輸出”ではなく、「世界のファン」とダイレクトにつながる新しいチャネルへと進化しています。
最新データで見る日本→海外越境ECマーケット
市場データから見ても、日本企業の越境ECは大きく成長中です。特に中国とアメリカ向けの売上が圧倒的で、日本発ブランドの影響力が世界で拡大していることが分かります。
越境EC・売上推移(2022年~2024年/主要国向け)
年度 | 中国向け(億円) | 米国向け(億円) | 合計(億円) |
---|---|---|---|
2022年 | 22,569 | 13,056 | 35,625 |
2023年 | 約22,600 | 約13,800 | 約36,400 |
2024年 | 24,301 | 14,798 | 39,099 |
※出典:経済産業省 電子商取引に関する市場調査(2024年最新版)
直近3年だけ見ても中国向けは7.7%増、米国向けも堅調に成長を続けています。
市場全体では、日本→海外の輸出額が輸入額の9倍以上という圧倒的な強さです。
人気ジャンル・商品カテゴリー
- アパレル(衣類・ブランドバッグ・小物)
- コスメ・健康食品・医薬品
- カメラ・スマートフォン・ガジェットなど電子機器
- アニメ・キャラクター雑貨、ホビー・トレカ
- 日本限定の玩具やアウトドア用品
- ゴルフクラブ、アウトドア、ニッチな専門商品 など
米国や中国への越境EC事業に取り組んでいる企業の中には、「正規品・日本品質」への信頼により高価格帯でも売上を伸ばしているケースが多く見られます。
2030年には7.6兆円規模まで成長する可能性も示唆されています。
越境ECで成果を出すための成功ポイント
越境ECをビジネスチャンスに変えるためには、現地消費者のニーズやトレンドを踏まえた「戦略的な攻め」がカギを握ります。以下、実践したい基本ポイントをまとめました。
多言語化とUX最適化
- サイト・商品説明の多言語化(英語・中国語必須)
- 現地決済への対応(PayPal、Alipay、国際ブランドカードなど)
- レビュー、FAQ、問い合わせも全言語でカバー
トレンドや現地調査の強化
- 世界のトレンドや新興市場の成長分析
- 人気カテゴリーの動向や現地ニッチ需要の深掘り
- リピーター獲得へSNSやインフルエンサーとの連携施策
為替を活かす価格設計・プロモーション
- 円安下の“割安感”をアピール
- 特別パッケージや限定キャンペーンで価値訴求
- 柔軟な在庫・物流管理
まとめ
「日本ファン」「アニメ・ブランドオタク」「こだわり消費者」——
今、世界中のリアルユーザーが“日本ブランド”を求めてネット越しに直接購入しています。市場拡大の波を逃さず、データを活かした現地最適化施策で、自社商品のグローバルポテンシャルを最大化しましょう。
越境ECは“単なる輸出”ではなく、グローバル経営の新チャンスです!