キーワードプランナーとは、Google広告が提供する、検索キーワードの検索数や競合性を調べられる無料のキーワード調査ツールのことです。
キーワードプランナーの使い方を、2026年6月時点のGoogle広告の最新画面に合わせて整理し直しました。検索数の調べ方そのものはもちろん、無料アカウントだと検索数がレンジ(おおまかな幅)でしか表示されない問題への対処、そしてEC事業者が商品ページのキーワードを選ぶときに「指名」「一般」「購買」の3種類をどう使い分けるかまで、実務に直結する形で解説します。古いUIのスクリーンショットを前提にした手順で迷っていた方も、この記事で最新の操作に追いつけます。
キーワードプランナーとは何か、何ができるツールか
キーワードプランナーは、Google広告のアカウント内で使える無料のキーワード調査ツールです。本来は広告の出稿計画を立てるために用意されたものですが、SEOや商品ページのキーワード選定にも広く使われています。できることは大きく3つあります。
1つ目は、新しいキーワードの発見です。商品やサービスに関連する語、あるいは自社サイトのURLを入力すると、関連するキーワードの候補が一覧で出てきます。自分では思いつかなかった検索語を見つけられるのが大きな利点です。2つ目は、検索数の確認です。気になるキーワードを入力すると、月間の平均検索ボリュームの目安が表示されます。3つ目は、競合性と入札単価の把握です。そのキーワードで広告を出している事業者がどれくらいいるか、クリック単価の目安はいくらかが分かり、需要の濃さを推し量れます。
EC事業者にとっての価値は、「どの言葉で商品ページを最適化すれば、買う気のある人に届くか」を数字で判断できる点にあります。検索数の多さだけで選ぶのではなく、検索数と競合性、そして購買への近さを掛け合わせて選ぶための土台になるツールです。
利用前の準備:Google広告アカウントの作成
キーワードプランナーを使うには、Google広告のアカウントが必要です。Googleアカウントでログインし、Googleキーワードプランナーの案内から広告アカウントを作成します。
ここで多くの初心者がつまずくのが、アカウント作成の流れがそのまま広告出稿の設定に進んでしまう点です。キャンペーンの目標や予算、支払い情報の入力を求められますが、キーワード調査だけが目的であれば、広告を実際に配信する必要はありません。作成途中で「エキスパートモードに切り替える」を選ぶと、キャンペーンを作らずにアカウントだけを用意でき、調査ツールに進めます。支払い情報を登録しても、広告を配信しなければ費用は発生しません。この準備段階のつまずきを避けられれば、あとの操作は難しくありません。
アカウントが用意できたら、画面上部の「ツール」メニューから「プランニング」の中にある「キーワードプランナー」を開きます。以前は工具(レンチ)アイコンから入る形でしたが、2026年の画面ではツールメニュー内に整理されています。名称や配置はアップデートで変わることがあるため、見当たらない場合はツールメニュー内を探してください。
基本の使い方:検索数を調べる2つの入口
キーワードプランナーを開くと、入口が2つ用意されています。1つは「新しいキーワードを見つける」、もう1つは「検索のボリュームと予測のデータを確認する」です。目的によって使い分けます。
まだキーワードの候補が固まっていない段階では、「新しいキーワードを見つける」を使います。商品やジャンルに関する語をいくつか入力するか、自社サイトや競合サイトのURLを入力すると、関連キーワードが検索数の目安とともに一覧表示されます。ここで気になる語を拾い、候補リストを広げていきます。
すでに調べたいキーワードが決まっている場合は、「検索のボリュームと予測のデータを確認する」に語をまとめて貼り付けます。各キーワードの月間平均検索数、競合性、入札単価の目安が表で返ってきます。検索結果の画面では、地域や言語、期間を指定して絞り込めます。日本国内向けの商品であれば、地域を日本、言語を日本語に設定して見るのが基本です。競合性の列は「低・中・高」で表示され、これは広告出稿の競合度を示すもので、SEOの難易度とは別物である点に注意してください。検索数の調べ方をより簡単に知りたい場合は、キーワードの検索数を無料で調べる方法も参考になります。
無料アカウントで検索数がレンジ表示になる問題と対処
ここが多くの人がつまずく最大のポイントです。広告を一定額以上出稿していないアカウントでは、検索数が正確な数値ではなく、「1万〜10万」「100〜1,000」といった幅(レンジ)でしか表示されません。これではキーワードの優劣を細かく比較できません。
対処の方向性は2つあります。1つ目は、キーワードプランナー内で予測値を使う方法です。調べたいキーワードをプラン(キャンペーンの計画)に追加し、マッチタイプを完全一致にして、入札単価を高めに設定したうえで「掲載結果の予測」を見ると、想定表示回数からおおよその検索数を推し量れます。ただしこれはあくまで推定であり、実際の検索数とずれることがあるため、目安として扱ってください。
2つ目は、検索数を具体的な数値で出せる他のツールを併用する方法です。無料でも正規の検索数に近い値が分かるツールがあり、キーワードプランナーのレンジ表示を補う用途に向いています。代替ツールの具体例はキーワードプランナーの代わりになる無料ツールで紹介しているので、レンジ表示に困っている方はそちらを確認してください。実務では、候補出しと競合性の把握はキーワードプランナー、最終的な検索数の比較は数値が出るツール、という役割分担にすると効率的です。
EC商品のキーワードを「指名・一般・購買」で選び分ける
EC事業者がキーワードプランナーを使う本当の目的は、商品ページや広告で使うキーワードを賢く選ぶことです。ここで役立つのが、キーワードを「指名キーワード」「一般キーワード」「購買キーワード」の3種類に分けて考える視点です。
指名キーワードは、ブランド名や具体的な商品名で検索される語です。たとえば自社ブランド名や型番がこれにあたります。検索数は多くありませんが、すでに自社を知っている人が検索するため、購入につながりやすいのが特徴です。すでに指名で検索されている語は、商品ページのタイトルに確実に入れておきます。
一般キーワードは、「ソファーベッド」「オーダー食器棚」のようなカテゴリや商品種別を表す語です。検索数が大きい一方、比較検討の初期段階の人が多く、競合も激しい傾向があります。検索数の大きさに引っ張られてここばかり狙うと、上位表示が難しく、表示されても購入に遠い訪問者が増えがちです。
購買キーワードは、「通販」「購入」「おすすめ」「比較」「口コミ」など、買う直前の意図がにじむ語を一般キーワードに掛け合わせたものです。たとえば「ソファーベッド おすすめ」「オーダー食器棚 通販」のような形です。検索数は一般キーワード単体より小さくても、買う気のある人に届くため、EC事業者が優先して押さえたい層です。キーワードプランナーで検索数と競合性を見ながら、この購買キーワードを取りこぼさないようにします。
実務では、まず指名キーワードを土台として固め、購買キーワードで購入に近い需要を拾い、一般キーワードは余力に応じて狙う、という優先順位で組み立てると、限られたリソースで成果を出しやすくなります。検索数だけでなく購買への近さで選ぶというこの考え方は、SEOキーワードの選定方法で示している2つのルールとも一致します。検索数が大きいだけのキーワードに固執しないことが、EC運営では特に重要です。
AIでキーワード候補を整理・分類する手順
キーワードプランナーで集めた候補は、数が多くなると分類だけで時間がかかります。ここで生成AIを使うと、指名・一般・購買の3分類や、検索意図ごとの整理が一気に進みます。ChatGPTやClaude、Geminiに候補リストを渡して整理させるプロンプトの例です。
あなたはECサイトのSEO担当者です。
以下のキーワード候補を、商品ページ設計の観点で分類してください。
商品: 〔商品名・カテゴリ〕
キーワード候補: 〔キーワードプランナーで集めた語を列挙〕
出力:
- 指名キーワード/一般キーワード/購買キーワードの3グループに分類
- 各キーワードに、想定される検索意図を1行で付与
- 商品ページのタイトルに入れるべき最優先キーワードを3つ提案
- 購買キーワードのうち、競合が手薄そうな語を理由つきで指摘
このプロンプトはあくまで整理の補助です。検索数や競合性の数値はキーワードプランナーで確認したものを根拠にし、AIの出力は分類のたたき台として使ってください。最終的にどの語で商品ページを最適化するかは、数値と購買意図の両面から人が判断します。
よくある質問
キーワードプランナーは完全に無料で使えますか
はい、Google広告アカウントを作れば無料で使えます。広告を配信しなければ費用は発生しません。ただし無料の範囲では検索数がレンジ表示になるため、正確な数値が必要な場面では、本文で紹介した予測値の使い方や、数値が出る代替ツールの併用で補います。
検索数が「1万〜10万」のように幅でしか出ません。なぜですか
広告の出稿実績が少ないアカウントでは、検索数が幅で表示される仕様だからです。これはアカウントの利用状況による制限で、不具合ではありません。本文の対処法(プランへの追加と予測値の確認、または数値が出る別ツールの併用)でおおよその数値をつかめます。
競合性が「高」のキーワードは避けるべきですか
一概には言えません。キーワードプランナーの競合性は広告の出稿競合度を示すもので、SEOの難易度とは別です。競合性が高くても、購買意図の強いキーワードなら狙う価値があります。検索数・競合性・購買への近さの3点で総合的に判断してください。
EC商品ではどのキーワードを優先すべきですか
まず自社の指名キーワードを土台に固め、次に「商品名+通販/おすすめ/比較」などの購買キーワードを優先します。検索数の大きい一般キーワードは競合も強く購入に遠いため、余力に応じて狙うのが現実的です。
キーワードプランナーだけでキーワード選定は完結しますか
候補出しと競合性・入札単価の把握には十分ですが、正確な検索数の比較には不向きな場合があります。数値が出る別ツールと併用し、最終的な優先順位づけは購買意図まで踏まえて行うと精度が上がります。
集めたキーワードはどこに使えばよいですか
商品ページのタイトル、見出し、商品説明文、そしてリスティング広告のキーワードに使います。特に商品ページのタイトルは検索順位への影響が大きいため、指名キーワードと優先度の高い購買キーワードを自然な形で盛り込みます。
著者:齋藤竹紘(株式会社オルセル 編集長/5,000社以上のEC支援実績/書籍3冊)
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株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。