EC事業を運営する中で、開発スピードやエンジニアリソースの課題に直面していませんか。OpenAIが正式リリースしたCodexは、AIを活用したコーディングツールです。すでにDuolingo、Vanta、Cisco、Rakutenなどの企業が導入しています。
Codexとは何か?基本情報
Codexは、OpenAIが開発したAIコーディングエージェントです。エディタ、ターミナル、クラウド環境で利用でき、ChatGPTアカウントで管理できます。5月の研究プレビュー版リリース以降、8月上旬と比較して日次利用量が10倍以上に成長し、GPT-5-Codexモデルはリリース後3週間で40兆トークン以上を処理しました。
新機能の内容
今回の正式リリースに伴い、3つの新機能が追加されました。
Slack連携機能では、SlackチャンネルやスレッドでCodexにメンションすると、会話から必要なコンテキストを自動収集し、適切な環境を選択してタスクを実行します。完了後はCodexクラウドへのリンクが共有され、変更内容をマージするか、ローカル環境にプルして作業を続けることができます。
Codex SDKの提供も開始されました。Codex CLIを動かしているのと同じエージェント実装を、数行のコードで独自のワークフローやアプリケーションに組み込めます。TypeScriptで利用可能で、エージェントの応答を解析するための構造化出力や、セッション再開のためのコンテキスト管理機能が組み込まれています。
新しいGitHub Actionも公開され、CI/CDパイプラインへの統合が可能になりました。シェル環境で実行するワークフローでは、Codex CLIをインストールして実行できます。
管理者向け機能として、ChatGPTワークスペースの管理者はCodexクラウド環境の編集や削除、Codex CLIやIDE拡張機能のデフォルト設定の管理、Codexが実行したアクションの監視が可能になりました。CLI、IDE、Web全体での利用状況を追跡し、Codexが提供したコードレビューの質を分析できる新しいダッシュボードも追加されています。
実際の導入事例
Ciscoでは、エンジニアがCodexを使用して複雑なプルリクエストのレビューを実施しており、レビュー時間を最大50%短縮しています。Codexは人間が書いたコードと自身が生成したコードの両方をレビューし、エンジニアが高い基準を維持しながら、より迅速な製品リリースを支援しています。
Instacartでは、Codex SDKをバックグラウンドコーディングエージェントプラットフォーム「Olive」に統合しています。エンジニアはリモート開発環境を立ち上げ、ワンクリックでエンドツーエンドのタスクを完了し、Codexを使って変更を編集しテストします。Codexはデッドコードや期限切れの実験などの技術的負債を自動的にクリーンアップし、コードベース全体のコード品質を向上させレイテンシを削減しています。
EC事業での活用可能性
Codexは汎用的なコーディングツールであり、様々な開発タスクに適用できる可能性があります。EC事業においても、API連携、データ処理、システム改修などの開発作業で活用できる可能性があります。
ただし、実際の効果や適用範囲は、各事業者の開発環境、技術スタック、要件によって異なります。導入を検討する際は、自社の具体的なニーズと照らし合わせて評価することが重要です。
提供プランと価格
Slack連携とCodex SDKは、ChatGPT Plus、Pro、Business、Edu、Enterpriseプランで利用可能です。管理者向け新機能は、Business、Edu、Enterpriseプランで利用できます。
10月20日から、Codexクラウドタスクも利用量にカウントされます。詳細な価格体系については、OpenAIの公式サイトで確認することをお勧めします。
OpenAI内部での活用状況
OpenAI内部では、ほぼすべてのエンジニアがCodexを使用しており、7月時点の半数強から増加しています。週あたりのプルリクエストのマージ数は70%増加し、Codexはほぼすべてのプルリクエストを自動的にレビューして、本番環境に到達する前に重大な問題を検出しています。
Codexは研究プレビュー版のリリース以降、世界中の開発者に利用されており、スタートアップから大企業まで幅広い導入が進んでいます。
引用:openai
