楽天市場で広告運用を担当している店長から、「RPPのキーワードが100語を超えていて、どれを止めてどれを伸ばすか判断できない」という声をよく聞きます。月末のレポートを眺めて勘で増減させる運用では、2025年11月から完全移行した上限CPC方式に対応しきれません。今回紹介する楽天RPP広告キーワード監査スキルは、ALSEL Agent Skillsが配布するエージェントスキルのひとつで、Claude Code上から「RPPキーワード見直し」と打つだけで、理論CPC上限の算出から4象限分類、除外候補抽出までを3分で出力します。
楽天RPP広告キーワード監査スキルでできること
このスキルは、楽天RPP広告のキーワード単位データから「強化/維持/改善/停止/除外」の5判定を一気に出すための監査ツールです。RPPの実績CSVや管理画面コピーをClaude Codeに渡すと、内部で次の流れが動きます。
まず商品プロファイル(売価・粗利率・目標利益率・CVR)を読み取り、理論CPC上限を計算します。計算式は「広告許容額=売価×粗利率−売価×目標利益率」「CPC上限=広告許容額×CVR」というシンプルなものですが、2025年11月以降のRPPは商品一括20円以上、キーワード・商品名指定40円以上の2階層最低CPC制になったため、この理論値と最低CPCを突き合わせる作業が以前より重要になりました。商品プロファイルが不明なら「粗利率30%・目標利益率10%・CVR2%」を仮置きし、冒頭で仮定を明示する設計です。
次にキーワード別実績を高ROAS×高CV/高ROAS×低CV/低ROAS×高CV/低ROAS×低CVの4象限に分類し、A〜Dの推奨アクションを返します。さらに商標問題のある競合ブランド名や、薬機法・景表法に抵触する「シミに効く」「最安」などの効能訴求語を除外候補として別枠で抽出します。最後に改善後シミュレーション(キーワード数・月間クリック・平均CPC・広告費・売上・ROAS)まで一括で生成します。
実際の使い方
起動キーワードは「楽天RPPキーワード監査して」「RPPキーワード見直したい」「ROAS悪いKWを整理して」など自然文で構いません。Claude Codeのチャットに、対象商品のプロファイル(売価・原価か粗利率・目標利益率・直近30日CVR)と、RPP実績CSVをそのまま貼り付けます。RMSのRPP管理画面からダウンロードできるキーワード別レポートをコピペすればOKです。
出力は所定のMarkdownフォーマットに整形されます。「1. 前提整理」「2. 理論CPC上限の算出」「3. キーワード別実績分類」「4. 追加候補KW」「5. 改善後シミュレーション」「6. 次アクション」「7. 最終チェック」の7セクションで構成されており、強化/維持/改善/停止/除外の5パターンを必ず網羅した状態で返ってきます。
SKILL.mdに記載されている代表例として、売価8,000円・粗利率35%・CVR2.5%の電気ケトルなら、広告許容額2,000円、CPC上限50円という理論値が出ます。その上で「電気ケトル 温度調整」のようなロングテール語が強化対象、「電気ケトル ティファール」のような商標KWは除外と判定されます。処理時間はキーワード数が100語規模であれば3〜5分程度です。なお、入札の自動設定や除外CSVの実ファイル生成は別スキル rakuten-rpp-exclusion-csv-builder に分かれていますので、本スキルは「判定」までを担当します。
導入による業務インパクト
人手でキーワード監査をする場合、100語規模のRPPアカウントだと、CVR・ROAS・CPCを電卓で計算しつつExcelで色分けして仕分ける作業に半日以上かかります。商標チェックや薬機景表チェックを毎週やるのは現実的ではなく、結果として停止すべきキーワードが放置されたまま広告費が垂れ流される構造になりがちです。
このスキルを月次サイクルで回せば、判定そのものは数分で終わるため、運用担当の作業はスキル出力の妥当性確認とRMSへの反映だけになります。月20時間使っていた監査工数が月2〜3時間まで圧縮できる試算です。粗利率が低く理論CPCが20円を下回る商品については「広告に向かない」と明示してくれるため、無理な広告投下によるROAS悪化を未然に防げます。
注意点として、判定の精度は入力するCVRや粗利率の正確性に依存します。原価が変動する商材や、季節商品のオフシーズン期間は判定保留にする必要があり、スキル側でも新商品(30日未満)や季節商品はエッジケースとして扱う設計になっています。最終的な入札変更はRMSのRPP管理画面で必ず確認する運用にしてください。
まとめ
楽天RPP広告キーワード監査スキルは、月商500万〜5000万帯で広告費が月10万円を超えてくる楽天店舗にとって、特に費用対効果の高いスキルです。一歩目としては、最近30日の実績CSVと商品プロファイルを1商品分だけ用意し、スキルに渡してみてください。3分後には4象限分類された監査レポートが手元に届きます。
関連スキル:楽天RPPキーワード監査 – Agent Skills by ALSEL
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齋藤 竹紘(さいとう・たけひろ)
株式会社オルセル 代表取締役 / 「うるチカラ」編集長
Experience|実務経験
2007年の株式会社オルセル創業から 17 年間で、EC・Web 領域の課題解決を
4,500 社以上 に提供。立ち上げから日本トップクラスのEC事業の売上向上に携わり、
“売る力” を磨いてきた現場型コンサルタント。
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技術評論社刊『今すぐ使えるかんたん Shopify ネットショップ作成入門』(共著、2022 年)ほか、
AI × EC の実践知を解説する書籍・講演多数。gihyo.jp
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