AI経由のAmazon流入が半年で2倍|購入者の28%が直前にAI相談する時代の売場対策

AI経由のAmazon流入が半年で2倍、月1390万訪問に。購入者の28%が直前にAIへ相談する時代のファネル変化と、日本のAmazon出品者が今すぐ打つべき3つの初動対策を解説します。

投稿日: カテゴリー AIニュース

AI経由のAmazon流入は半年で2倍超に増え、月1,390万訪問に達しました。

米メディアModern Retailが2026年7月9日、ChatGPTやClaudeなど生成AI経由のAmazon流入が急増し、Amazonの購買ファネルそのものを作り変えつつあると報じました。調査会社Similarwebの推計では、AI経由のAmazon訪問はこの半年で2倍超に増加しています。本記事は、EC事業者のAI導入支援を19年・5,000社超に提供してきた株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。

何が起きたか|AI流入は「直接1%・間接28%」という二重構造

結論から言うと、AIがAmazonの売上に与える影響は、アクセス解析に出る数字の10倍以上大きい可能性があります。Similarwebの推計では、2026年6月のAI経由のAmazon訪問は約1,390万件で、Amazon全体のトラフィックの約1%にすぎません。ところが同社が2026年第1四半期に実施したMacBook購入者の調査では、購入直前30分以内にカテゴリ関連のAIチャットをしていた人が約28.53%にのぼりました。直接のAI参照流入は約2%でも、購入判断の途中でAIに相談している人はその10倍以上いる、という二重構造です。

この動きを受けて、Amazon専業代理店のEnvision Horizonsは、クライアント商品がAIプラットフォーム上でどう表示されるかを計測する「AI可視性トラッカー」をベータ公開しました。創業者のLaura Meyerは、TikTok Shop・アフィリエイト・AIの3本柱が新しい「Amazonファネル2.0」を駆動しており、「発見はあらゆる場所で起こり、取引はAmazonで行われる」と指摘しています。Amazon自身も、ChatGPT内にプライムデーの広告を出稿し、AIショッピングエージェントAlexa for Shoppingを検索バーに統合するなど、AI経由の購買を前提にした布石を打っています。

日本のAmazon出品者にとっての論点|検索クエリがロングテール化する

日本の出品者にまず影響するのは、検索クエリの質の変化です。代理店BellaVixのWill Haireは、Amazonの検索クエリレポートで「best coffee maker」ではなく「best coffee maker under $100」のような長い検索が増えていると証言しています。AIチャットで長い文章の質問に慣れた消費者が、Amazon内でも条件つきの長い検索をするようになっている、という見立てです。日本語でも「コーヒーメーカー おすすめ」から「一人暮らし 静音 コーヒーメーカー 1万円以下」のような条件複合型クエリへの移行が進むと想定され、商品名・箇条書き・A+コンテンツに利用シーンや価格帯・制約条件の語彙をどれだけ自然に織り込めるかが、従来以上に露出を左右します。

もうひとつの論点は計測です。Amazonは外部AIエージェントによるサイトのスクレイピングを制限しており、出品者はAI経由の流入量をほぼ把握できません。うるチカラでも解説したとおり、AI検索経由の流入は購買意欲の高い指名級トラフィックであり、見えないからといって無視すると機会損失が積み上がります。Haireが「従来型検索がいまも大半だ」と釘を刺しているとおり、既存SEOを崩さずにAI対応を上乗せするのが正しい順番です。

今後の展望と初動アクション

今後は、2026年秋のプライムデーやブラックフライデーに向けて、ChatGPT内広告のような「AI面への出稿」が代理店の標準メニューに入ってくる見込みです。Envision Horizonsも秋のセールではChatGPTへの広告出稿を計画していると述べています。なお、ChatGPTの広告アカウント開設には5営業日程度かかったとされており、セール直前の駆け込みでは間に合わない点は日本から出稿を検討する場合も同様です(日本向け広告メニューの提供状況は要確認)。

日本の出品者が今週から着手できる初動は3つあります。第一に、商品名・箇条書き・商品説明・A+の情報を最新かつチャネル間で一貫した状態に整えること。LLMは矛盾したデータを信頼しません。第二に、レビューの量と質を積み上げること。AIの推薦文はレビューを主要な情報源にしています。第三に、検索クエリレポートでロングテールクエリの増減を毎月定点観測し、増えている条件語を商品ページに反映することです。

まとめ

AI経由のAmazon流入は表面上1%でも、購入直前にAIへ相談する人は28%を超え、影響は既に無視できない規模です。日本の出品者は、既存SEOを維持しつつ、商品情報の一貫性・レビュー・ロングテール対応の3点でAI時代のファネルに備えることをおすすめします。

参考文献

※うるチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴社のEC事業に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。
https://uruchikara.jp/contact/

引用元: Modern Retail


【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)


投稿者: 齋藤竹紘

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。

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