Nous Research評価額15億ドル Hermes agent法人版を出す3つの要点

Nous Researchが9,000万ドルを調達し評価額15億ドルを確認。2,400万回以上クローンされたHermes agentの法人版を発表。3つの要点と日本の読者が確認すべき点を解説します。

投稿日: カテゴリー AIニュース

オープンソースAIエージェントのHermes agentを開発するNous Researchは、9,000万ドルのシリーズBで評価額15億ドルを確認し、法人向け製品を発表しました。

本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。TechCrunchの報道によると、設立3年のNous Researchは累計1億5,800万ドルを調達し、オープンソースのAIエージェント「Hermes agent」を企業向けに展開する「Hermes for Businesses」へ資金を振り向けます。Hermes agentとは、ユーザーの指示に沿って複数のステップにまたがる作業を自律的に進める、オープンソースのAIエージェントのことです。開発者や個人の利用が中心だったものが、いよいよ法人市場に踏み出す動きとして注目されます。

何が起きたか 9,000万ドル調達と2,400万回のクローン

結論から言うと、今回の発表は「個人向けで広がったオープンソースのAIエージェントが、資金と法人向け製品を得て企業市場に入る」という出来事です。Nous Researchは、Robot Venturesが主導したシリーズBで9,000万ドルを調達し、評価額15億ドルを確認しました。参加した投資家には、Nvidia、Union Square Ventures、Menlo Ventures、Samsung、1789 Capitalが含まれると報じられています。

TechCrunchは、Hermes agentについて次のように伝えています。

“Popular among developers and individuals, the open-source Hermes agent has been cloned more than 24 million times”(出典:TechCrunch)

同記事では、Hermes agentは2,400万回以上クローンされ、同社の推定では世界のAIトークン利用の約2.5%を占めるとされています。なお、この2.5%は同社自身の推定値であり、第三者による検証は確認できていないため、数字の扱いには注意が必要です。調達額の内訳や経緯は、Nous Researchが公開している資金調達に関する文書でも触れられています。また、TechCrunchは2026年7月13日に、この評価額での資金調達交渉を先行して報じていました。今回はそれが正式に確認された形です。

なぜ重要か オープンソースのエージェントが法人向けに収益化し始めた

今回のポイントは、資金調達の金額そのものよりも、オープンソースのエージェントが法人向けの有償製品へと進んだ点にあります。Hermes for Businessesは、複数ステップのワークフローを処理するカスタマイズ型のAIエージェントを、データを非公開かつ安全に保ったまま企業に導入できるとうたう製品です。クローズドな大手モデルのエージェントと、自社で中身を確認できるオープンソース型のエージェントという、二つの選択肢が企業の前に並び始めたことになります。

収益面でも動きがあります。Wall Street Journalの報道として、TechCrunchは2026年9月中旬時点の年換算売上が約3,600万ドルで、2026年末までに1億ドルを超える見込みだと伝えています。仮にこの見通しどおりに進めば、約3か月で年換算売上が3倍近くになる計算です。ただし見通しは報道ベースであり、実績として確定したものではない点は押さえておくべきです。

競合との関係で見ると、AIエージェント市場はOpenAIやAnthropicといった大手の製品と、オープンソース勢が並走する構図です。大手が提供するエージェントは導入が容易な一方、オープンソース型は自社環境での運用やカスタマイズの自由度が強みになります。Nvidiaのようなインフラ側の企業やSamsungが出資者に名を連ねていることは、ハードウェアや端末を含めた周辺エコシステムが、オープンなエージェントに関心を寄せている兆しとも読めます。

今後の動き 注目したい3つのポイント

第一に、Hermes for Businessesの具体的な機能、料金体系、提供地域です。今回の報道では詳細な料金や日本での提供可否は確認できておらず、日本語対応や日本での提供条件は要確認です。第二に、年末までの売上見通しが実現するかどうかです。法人向け製品が実際にどれだけの契約を獲得するかが、評価額15億ドルの妥当性を測る材料になります。第三に、セキュリティとガバナンスの扱いです。自律的に動くエージェントは、権限管理や監査の仕組みが整っていなければ業務に組み込みにくく、データを非公開に保つという同社の説明が実運用でどこまで担保されるのかが問われます。

日本のビジネス読者にとっての実務的な示唆は、エージェント選定の軸が一つ増えるという点です。性能や価格だけでなく、データの置き場所、カスタマイズの自由度、ベンダーへの依存度といった観点で、クローズド型とオープンソース型を比較する必要が出てきます。EC運営の現場で導入を検討する場合も、まずは社内の一部業務で小さく試し、権限とログの管理を確認してから範囲を広げる進め方が現実的です。

まとめ

Nous Researchは9,000万ドルを調達して評価額15億ドルを確認し、2,400万回以上クローンされたHermes agentの法人版「Hermes for Businesses」を打ち出しました。オープンソースのAIエージェントが企業向けの収益事業に踏み出したことで、AIエージェントの選択肢は確実に広がっています。提供条件や日本での展開は今後の続報を待ち、情報が出そろった段階で自社に合うかを冷静に見極めることをおすすめします。

参考文献

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引用元: TechCrunch


【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)


投稿者: 齋藤竹紘

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。

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