GPT-6.1 Terraが価格半額に、入力1ドルで知能指数6pt向上の3論点

OpenAIがGPT-6.1 Terraを公開。API価格は入力1ドル・出力5ドルで前世代の約半額、Intelligence Indexは6ポイント上昇。価格と性能の変化を3つの論点で解説します。

投稿日: カテゴリー AIニュース

OpenAIは2026年10月26日、中価格帯モデル「GPT-6.1 Terra」を公開し、API価格を入力100万トークンあたり1ドル、出力5ドルへ前世代の約半額に引き下げました。

本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。GPT-6.1 Terraとは、OpenAIが提供する高速かつ低価格な中位モデルのことです。The Decoderによると、価格を半額にしながら、第三者機関の指標では前世代を上回る性能を示しています。AIを業務に組み込む企業にとって、毎月のAPI費用が半分になる意味は小さくありません。

何が起きたか:価格は半額、指標は6ポイント上昇

GPT-6.1 Terraは、OpenAIが公式発表で公開した新モデルです。API価格は入力が100万トークンあたり1ドル、出力が5ドルで、前世代のGPT-5.6 Terra(入力2ドル、出力12ドル)と比べて入力は半額、出力は半額を下回る水準になりました。キャッシュされた入力は0.05ドルで、従来の4分の1です。The Decoderの比較では、Claude Sonnet 5.5の入力2ドル、出力10ドルよりも低い価格設定です。

提供範囲は、ChatGPT WorkとCodexのPlus、Pro、Enterprise、Eduの各プランと、APIです。OpenAIは本モデルを「a fast, efficient model that combines detailed visual reasoning and precise computer use」と説明しており、画像の読み取りと画面操作に強みを置いたモデルだと位置づけています。この表現は、Simon Willisonのブログが紹介したOpenAIの発表文に基づきます。

性能面では、第三者の評価機関であるArtificial Analysisの指標が参考になります。最大推論強度のIntelligence Indexは、GPT-5.6 Terraの42に対してTerraは48で、6ポイント高くなりました。上位モデルのGPT-6.1 Solは52です。1タスクあたりの費用は0.40ドルで、GPT-5.6 Terraの1.40ドルから大きく下がっています。

Intelligence Indexと費用の関係を示すチャート

なぜ重要か:安さと賢さが同時に動いた

今回のニュースの核心は、価格の引き下げと性能の向上が同時に起きた点にあります。通常は安いモデルほど性能が落ちますが、Terraは低い推論強度でも7〜13ポイントの改善が見られたと報じられています。Terminal-Bench 4.0では最大強度で50.3%を記録し、GPT-5.6 Terraの21.5%から大きく伸びました。

もうひとつ注目したいのが、わからない質問への振る舞いです。AA-Omniscienceという指標では、答えを知らないときに推測で答えてしまう割合が、GPT-5.6 Terraの88%からTerraでは38%に下がりました。正答率も2ポイント上がっています。商品情報やFAQの自動回答のように、誤情報が信用に直結する用途では、わからないと言えるモデルのほうが扱いやすくなります。

安全面では、OpenAIのPreparedness Frameworkにおいて、サイバーセキュリティの「Critical」閾値に該当するモデルとして扱われています。GPT-6 Astraのセーフガードを引き継いでおり、間接的なプロンプトインジェクションの防御率は98.8%と報告されています(前世代は96.2%)。詳細はシステムカードで公開されています。

競合との比較も見逃せません。OpenAIの発表では、Claude Opus 5.5の最大強度と比べて、トークン効率が3倍以上、トークン価格が4分の1、タスク単価は約9分の1とされています。ただしこれはOpenAI側の発表値であり、条件によって差が出る可能性があるため、自社の用途での検証が必要です。

今後の動き:中位モデルの価格競争が続く

OpenAI社員のTed Sanders氏のコメントとして、Simon Willisonのブログは次の評価を紹介しています。TerraはAstraやSolより技術的な文章に優れ、視覚と画面操作は同程度で速度が大幅に速い一方、そのほかの多くの面ではやや劣るという内容です。つまり万能の最上位ではなく、Solより安くLunaより賢い、API開発者向けの中間の選択肢という位置づけになります。

今後の注目点は3つあります。1つ目は、Anthropic、Google、中国勢が同価格帯でどう応じるかです。2つ目は、画面操作の精度が上がることで、受注処理や在庫確認のような定型業務の自動化がどこまで現実的になるかです。3つ目は、価格が下がった分、利用量が増えて総額が逆に膨らまないかという点です。

なお、本件は海外のAI業界ニュースであり、日本の楽天市場やAmazon.co.jpの運営に直接の変更を迫るものではありません。ただし、AIチャットボットや商品説明の自動生成にAPIを使っている事業者は、乗り換えによる費用削減の余地があるかを一度試算してみる価値があります。

まとめ

GPT-6.1 Terraは、入力1ドル、出力5ドルという価格で、前世代より高い指標を示した中位モデルです。ただし数値の多くはOpenAIやベンチマーク機関の公表値のため、実運用では自社データでの比較検証が欠かせません。生成AIを業務に使う方は、まず現在の月間トークン量を確認し、新価格での概算を出すところから始めてください。

参考文献

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引用元: The Decoder


【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)


投稿者: 齋藤竹紘

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。

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