makeshop SEO完全ガイド:10,000文字で徹底解説!検索上位表示を実現する戦略と実践テクニック

投稿日: カテゴリー SEO, SEOの基礎知識, メイクショップ, 一覧, 内部施策, 外部施策

目次

はじめに

makeshopでECサイトを運営する上でのSEOの圧倒的重要性

ECサイトの成功は、いかにして見込み顧客を集めるかに大きく左右されます。数ある集客方法の中でも、検索エンジン最適化(SEO)は、広告費を継続的に投下することなく、安定した質の高いトラフィックをウェブサイトへ呼び込むことができるため、最も影響力の大きな手法の一つと言えるでしょう 。特に、makeshopのようなECプラットフォームを利用してオンラインストアを運営する場合、プラットフォームが提供する機能を最大限に活用しつつ、普遍的なSEOの原則を適用することが、競争の激しい市場で勝ち抜くための鍵となります。  

makeshopは、その豊富な機能の中にSEO対策を標準装備しており、ECサイト運営者が検索エンジンからの集客を強化できるよう支援しています。独自ドメインで運営するネットショップは、一度検索エンジンで高い評価を得て集客に成功すれば、大手ECモールのように多数の競合の中に埋もれる可能性が低くなり、自社のブランドや商品を求める顧客(固定客)を獲得しやすいという大きなメリットがあります。この強固な顧客基盤を築く上で、SEOはまさにその土台となる不可欠な戦略です。  

本包括的レポートの目的と、成功を目指すあなたへ

本レポートは、makeshopを利用してECサイトを運営する事業者が、検索エンジンの検索結果で上位表示を実現し、それによって持続的な売上増加を達成するための、網羅的かつ実践的なSEO戦略と具体的なテクニックを詳細に解説することを目的としています。

約10,000文字というボリュームを通じて、表面的な解説に留まることなく、makeshopのSEO機能の深掘りから、コンテンツ戦略、テクニカルSEO、外部連携、効果測定に至るまで、あらゆる側面を網羅します。ECサイト運営の初心者から、ある程度の知識を持つ中級者、さらにはより専門的な知見を求める上級者まで、それぞれのレベルで理解を深め、具体的な行動に移せるような情報提供を目指します。

本レポートが、あなたのmakeshopストアのSEOパフォーマンスを飛躍的に向上させ、ビジネスの成功を力強く後押しする一助となれば幸いです。

1.makeshop SEO機能の深掘りと完全活用術

makeshopで構築されたECサイトのSEO効果を最大化するためには、まずプラットフォーム自体が提供するSEO関連機能を深く理解し、それらを徹底的に活用することが不可欠です。本章では、makeshopの管理画面におけるSEO設定の核心から、URL構造の最適化、XMLサイトマップの生成と送信、robots.txtによるクロール制御、そして常時SSL化の重要性まで、makeshopのSEO機能を最大限に引き出すための具体的な方法論を詳述します。

1.1.makeshop SEO設定の核心:管理画面のポテンシャルを最大限に引き出す

makeshopの管理画面には、ECサイトのSEOを強化するための多様な設定項目が用意されています。これらの設定を適切に行うことが、検索エンジンからの評価を高める第一歩となります。

SEO個別設定:全ページ対応の精密チューニング(タイトル、ディスクリプション、H1、キーワード戦略)

makeshopの大きな特徴の一つは、サイト内のほぼ全てのページに対して個別にSEO設定を行える「SEO個別設定」機能が提供されている点です。これにより、トップページはもちろん、商品詳細ページ、カテゴリページ、さらには会社概要や利用案内、独自に作成したページに至るまで、各ページの特性に合わせた精密なSEOチューニングが可能になります。  

一般的にSEOの基本とされるTDKH(Title, Description, Keyword, H1)のうち、makeshopの「SEO個別設定」では主にタイトルタグとメタディスクリプションの設定が中心となります。メタキーワードは現在Googleのランキング要因としてはほぼ考慮されていませんが、設定項目が存在する場合もあります。H1タグについては、管理画面の「SEO個別設定」内に直接的な入力フィールドは用意されていません。そのため、H1タグの最適化は、主にクリエイターモードを利用したHTMLの直接編集や、ページ内の主要な見出しを適切に構造化することで対応する必要があります。このプラットフォーム特有の実装方法を理解することが、効果的なSEO施策の前提となります。  

ブラウザタイトル (Title Tag):

ブラウザタイトル(<title>タグ)は、検索結果ページで最も目立つ形で表示されるテキストであり、ユーザーのクリック率に直接影響を与えるだけでなく、検索エンジンがページの内容を理解する上で最も重要な要素の一つです。makeshopでは、「設定」メニューから「SEO設定」へ進み、「SEOの個別設定」画面で各ページの「ブラウザータイトル」として入力します。 文字数については、全角32文字以内 、または全角34文字程度 が推奨されています。この範囲内で、ターゲットキーワードを効果的に含みつつ、ユーザーにとって魅力的で分かりやすいタイトルを作成することが求められます。例えば、「北欧家具、インテリアの通販サイト【〇〇〇Shop(〇〇〇ショップ)】」といった具体的なショップ名や主要キーワードを組み合わせたタイトルが考えられます。  

メタディスクリプション (Meta Description):

メタディスクリプションは、検索結果ページでブラウザタイトルの下に表示される、ページ内容の要約文です。直接的なランキング要因ではないものの、ユーザーのクリックを促す上で非常に重要な役割を果たします。makeshopでは、ブラウザタイトルと同様に「SEOの個別設定」画面の「メタタグ:Description」項目に入力します。 文字数に関しては、makeshopのシステム上の推奨として全角64文字以内 という記述がありますが、一般的には120文字程度まで表示される可能性があり、その範囲内でページ内容を的確に要約し、ターゲットキーワードを自然な形で盛り込み、ユーザーの興味を引くような魅力的な文章を作成することが重要です。例えば、「北欧家具、インテリア専門店【〇〇〇Shop(〇〇〇ショップ)】の公式通販サイト。国内外よりトレンドの北欧家具・インテリアをセレクト。北欧有名ブランドからオリジナル商品まで幅広く取り揃えています。」といった、ショップの特徴や強みを具体的に記述した内容が効果的です。 競合サイトのディスクリプションを参考にすることは有効ですが、文章をそのままコピー&ペーストすると重複コンテンツとみなされるリスクがあるため、必ずオリジナルの文章で記述する必要があります。  

H1タグ (Heading 1):

H1タグは、そのページ内で最も重要な見出しを示すHTMLタグであり、ページコンテンツの主題を検索エンジンとユーザーに明確に伝えます。makeshopの「SEO個別設定」にはH1タグを直接指定するフィールドはありません。そのため、H1タグの最適化は、主に以下の方法で行うことになります。

    1. クリエイターモードでのHTML編集:クリエイターモードを利用している場合、各ページのHTMLソースを直接編集し、適切な箇所にH1タグを設置します。例えば、商品名やカテゴリ名をH1タグで囲むなどが考えられます。

    2. コンテンツ構造の最適化:ベーシックモードや、クリエイターモードでもHTML編集に不慣れな場合は、ページ内で最も主要な見出し(例:商品ページの製品名、ブログ記事のタイトルなど)が、テーマの構造上、自動的にH1タグとして出力されるように意識するか、またはそれに準ずる重要性を持つようにコンテンツを構成します。 H1タグを最適化する際のポイントは、各ページでユニークな内容にし、そのページがターゲットとする主要キーワードを含め、ユーザーにとって分かりやすい文言にすることです。  

ボディタグ直下メッセージ:

この設定項目は、HTMLの<body>タグの直後に特定のメッセージを挿入する機能です。主に検索されたいキーワードやショップ名に関連する文言を記述することが推奨されています。ただし、この機能は基本的にベーシックモードのPC表示のみで有効であり、クリエイターモードには対応していません 。SEOへの直接的な影響は限定的かもしれませんが、特定のキーワードを強調する一つの手段として考慮できます。  

CSVでの一括登録:

多数の商品ページやカテゴリページに対して個別にSEO設定を行うのは手間がかかります。makeshopでは、商品詳細ページのブラウザタイトルとメタディスクリプションに関して、CSVファイルを利用した一括登録・更新機能が提供されています。これにより、作業効率を大幅に向上させることが可能です。  

SEO一括設定:変数を用いた高度な効率化と一貫性担保

個別のページ設定に加えて、makeshopは「SEO一括設定」機能も提供しており、これによりサイト全体のSEO設定の効率化と一貫性の担保が図れます。この機能では、商品詳細ページ、商品カテゴリページ、そしてトップページや会社概要ページなどを含む「その他」のページ群に対して、ブラウザタイトルやメタディスクリプションを共通のルールで設定できます。  

特に強力なのが、変数を利用できる点です。例えば、商品詳細ページのブラウザタイトルを「<{$item.name}>|<{$shop.name}>」のように設定すると、各商品ページで自動的に「商品名|ショップ名」という形式のタイトルが生成されます。同様に、カテゴリ名(例:<{$category.name}>)などの変数も利用可能です。管理画面の「初期値」ボタンをクリックすると、そのページ種別で利用可能な変数が自動的に挿入されるため、設定も容易です。  

一括設定を適用中にブラウザタイトルが未入力の場合、ページの種類によってデフォルトの動作が異なります。例えば、商品詳細ページや商品カテゴリページではURLがタイトルとして表示されることがあり、その他のページではショップ設定で登録したショップ名が表示される場合があります。  

makeshopでは、SEO個別設定とSEO一括設定の両方が提供されていますが、これらの設定の適用には優先順位が存在します。具体的には、「SEO個別設定」画面で「個別設定を適用する」オプションが選択されている場合、そのページについては個別設定の内容が優先されます。この仕組みを理解し、戦略的に使い分けることが重要です。基本的には、SEO一括設定を用いて変数を利用し、サイト全体で一貫性のあるベースラインとなるSEO設定(例:全商品ページに「商品名|ショップ名」というタイトル形式を適用)を効率的に行います。その上で、特に集客上重要なページ(トップページ、主要なカテゴリページ、戦略的に売り出したい商品ページなど)については、SEO個別設定を用いて、よりターゲットを絞った、あるいはより訴求力の高い独自のタイトルやディスクリプションを設定するというアプローチが効果的です。この二段構えの戦略により、効率性と個別最適化のバランスを取ることができます。  

クリエイターモードにおけるSEO:デザイン自由度とSEO実装のベストプラクティス

makeshopの「クリエイターモード」は、HTMLやCSSを自由に編集できるため、デザインの自由度が格段に向上します。しかし、この自由度の高さは、SEO設定においては注意が必要な側面も持ち合わせています。標準のテンプレート(ベーシックモード)では自動的に処理されるSEO関連のタグ出力が、クリエイターモードでは意図した通りに機能しない場合があるためです。  

特に、SEO個別設定や一括設定で指定したブラウザタイトルやメタディスクリプションが実際のページに反映されないケースでは、クリエイターモードで編集しているHTMLファイルの<head>セクション内に、以下の専用タグを手動で記述する必要があります。  

  • ブラウザタイトル用:<title><{$page.title}></title>
  • メタディスクリプション用:<meta name=”description” content=”<{$page.description}>”>

これらのタグを適切に挿入することで、管理画面での設定内容が正しくHTMLソースに出力され、検索エンジンに認識されるようになります。クリエイターモードを利用する際は、デザインのカスタマイズと並行して、これらのSEO基本的なタグが正しく出力されているかを常に確認する習慣が重要です。HTMLやSEOに関する技術的な知識が少ないユーザーにとっては、この点が思わぬ落とし穴となり、SEO効果を損なう可能性もあるため、慎重な作業が求められます。

一方で、クリエイターモードを活用することで、レスポンシブデザインに対応したサイトを構築でき、PC、スマートフォン、タブレットなど、どのデバイスからアクセスしても同じURLで最適な表示が実現できます。これは、Googleが推奨するモバイルフレンドリーなサイト構築に合致し、検索エンジンの評価においても有利に働く可能性があります。  

このように、クリエイターモードは高度なデザインカスタマイズとSEOの両立を目指す上で強力なツールですが、その力を最大限に引き出すためには、SEOの基本原則とmakeshop特有のタグ仕様を理解し、丁寧な実装を心がける必要があります。

Table 1:makeshopプラン別SEO関連機能・料金比較

makeshopの利用を検討する際、またはプラン変更を考える際には、各プランで利用可能なSEO関連機能とそれに伴う料金を把握しておくことが重要です。以下に、プレミアムプランとエンタープライズプランの主要なSEO関連項目を比較します。

機能/項目

プレミアムプラン

MakeShopエンタープライズ

関連情報

初期費用

¥11,000 (税込)

¥110,000 (税込)~

 

月額費用

¥12,100 (税込) <br> (2025年4月1日より ¥13,750 (税込) に改定)

¥60,500 (税込)~ <br> (料金改定対象外)

 

商品登録数

10,000商品

50,000商品~

 

SEO個別設定・一括設定

利用可能

利用可能

(基本的に両プランで主要なSEO設定機能は利用可能と考えられる)

常時SSL証明書

年額 ¥13,200 (税込) <br> (オプション、料金改定対象外)

独自SSL証明書設定可能 <br> (makeshop提供SSLは同額オプションの可能性あり、料金改定対象外)

 

WordPress連携オプション

利用可能 (対象プラン) <br> 初期費用 ¥110,000 (税込), 月額費用 無料

利用可能 (対象プラン) <br> 初期費用 ¥110,000 (税込), 月額費用 無料

 

クリエイターモード

利用可能

利用可能

(デザインの自由度が高いモード)

集客機能(Googleショッピング連携、SNS連携等)

標準機能として利用可能

標準機能として利用可能

 

ドメイン取得・管理サービス (.shopドメイン)

年間料金 ¥4,378 (税込) (SSL証明書とは別)

年間料金 ¥4,378 (税込) (SSL証明書とは別)

 

 この表は、プラン選択におけるSEO関連の判断材料を提供します。特にSSL費用、商品登録上限、WordPress連携オプションの利用可否とコストは、長期的なSEO戦略と予算計画に影響を与えるため、慎重な検討が必要です。2025年4月1日からのプレミアムプラン料金改定 も考慮に入れるべき重要な情報です。  

1.2.URL構造の戦略的最適化と高度な正規化テクニック

ECサイトのURL構造は、検索エンジンがサイトの内容を理解しやすくするため、またユーザーがサイト内をスムーズにナビゲートするために非常に重要です。makeshopでは、このURL構造を最適化し、重複コンテンツの問題を回避するための機能が提供されています。

検索エンジンとユーザー双方に愛されるURL設計思想

理想的なURLは、検索エンジンとユーザーの両方にとって分かりやすいものであるべきです。具体的には、以下の要素が求められます。

  • 短く簡潔であること:長すぎるURLはユーザーに覚えられにくく、検索エンジンにも扱いにくい場合があります。  
  • 内容が推測できること:URLを見るだけで、そのページにどのような情報が含まれているかがある程度分かるように、意味のある単語(キーワード)を含めることが推奨されます。例えば、商品ページであれば商品名に関連する単語、カテゴリページであればカテゴリ名に関連する単語を入れるなどです。  
  • 整理された階層構造:論理的で一貫性のあるディレクトリ構造(例:/category/subcategory/product-name)は、ユーザーがサイトのどこにいるかを把握しやすくし、検索エンジンもサイト全体の構造を理解しやすくなります。  
  • 重複の回避:ECサイトでは、パラメータ(例:並び替え順、表示件数など)やセッションIDなどによって、同じ内容のページに対して複数のURLが生成されてしまうことがあります。これらの重複URLはSEO評価を分散させるため、極力避けるべきです。 

rel=”canonical”タグの戦略的活用とmakeshopにおける重複コンテンツ完全対策

複数のURLで同じ、または酷似したコンテンツにアクセスできる場合、検索エンジンはどのURLを正規のページとして評価すべきか混乱し、SEO評価が分散してしまう「重複コンテンツ」問題が発生します。この問題を解決するために用いられるのがrel=”canonical”タグ(カノニカルタグ)です。Canonicalタグは、重複する可能性のあるページ群の中から「これが正規のURLです」と検索エンジンに伝える役割を果たします。  

makeshopでは、特にクリエイターモードを利用している場合、HTMLソースの<head>セクション内に<link rel=”canonical” href=”<{$page.canonical_url}>”>という形式のタグを記述することで、正規URLを指定できます。<{$page.canonical_url}>という変数は、管理画面での設定に基づいて正規URLを動的に出力します。また、makeshopのシステムでは、HTTPヘッダのレスポンスヘッダー内にもcanonical情報が自動的に出力される仕様になっている場合があります。  

Canonicalタグを記述する際は、以下の点に注意が必要です。

  • 絶対パスでの指定:正規URLは必ず「https://www.example.com/path/to/page」のような絶対パスで記述します。相対パスでは正しく機能しない可能性があります。  
  • 1ページに1つの指定:1つのページに対して複数のcanonicalタグを指定してはいけません 。  

商品バリエーション(色違い、サイズ違いなど)や、後述するファセットナビゲーション(絞り込み検索)によっても重複コンテンツは発生しやすいため、canonicalタグによる正規化はECサイトSEOにおいて極めて重要なテクニックです。

makeshopでは、システムが自動生成するURL(システムURL)と、ユーザーが任意に設定できるURL(任意URL)が存在し、さらにcanonical設定によってどちらを検索エンジンに優先的にインデックスさせるかを選択できる仕組みがあります。この柔軟性は強力である一方、設定ミスや理解不足が深刻な重複コンテンツ問題や意図しないURLのインデックスを引き起こすリスクも伴います。例えば、サイト移行時に旧サイトのURL構造を任意URLとして引き継ぎつつ、makeshopのシステムURLを正規としたい場合や、逆にSEO効果を狙って任意URLを正規としたい場合など、シナリオに応じた適切なcanonical設定が求められます。クリエイターモードではHTMLへの手動挿入が必要になる場合もあるため 、URL戦略の一貫性、任意URLの慎重な設定、そして正しいcanonical化が不可欠です。  

URL一括設定機能のフル活用とリダイレクト戦略

makeshopの「URL一括設定」機能は、サイト内の多数のページに対して、システムURLとは別に任意のURL(追加URL)を効率的に割り当てることができる強力なツールです。この機能は、特に他社プラットフォームからのサイト移行時に、旧サイトのURL構造を可能な限り維持し、既存のSEO評価(被リンクなど)を引き継ぎたい場合に非常に有効です。  

このURL一括設定機能と密接に関連するのが、前述のcanonical属性の設定です。makeshopでは、URL一括設定画面または関連するCSVアップロード機能を通じて、各URLに対してcanonical属性の優先度を指定できます。  

  • 0=システムURLにcanonical属性を設定する:このオプションを選択すると、たとえユーザーが任意URLでページにアクセスしたとしても、検索エンジンにはmakeshopが内部的に使用するシステムURLを正規のURLとして認識させます。

  • 1=任意URL(追加URL)にcanonical属性を設定する:このオプションを選択すると、ユーザーが設定した任意URLを正規のURLとして検索エンジンに認識させます。これにより、例えば商品名を含む分かりやすいURLや、旧サイトから引き継いだURLを検索結果に表示させることが可能になります。

サイト移行やURL構造の大幅な変更時には、古いURLから新しいURLへの恒久的な転送を示す「301リダイレクト」の設定も重要になります。これにより、旧URLが持っていたSEO評価を新URLへスムーズに引き継ぐことができます。makeshopのプラットフォーム内で301リダイレクトを柔軟に設定できる機能がどの程度提供されているかを確認し、不足する場合はサーバーサイド(利用しているホスティング環境による)での.htaccessファイル編集などの対応が必要になることもあります。URLの変更はSEOに大きな影響を与えるため、リダイレクト戦略は慎重に計画・実行する必要があります。

1.3.XMLサイトマップ:Googleへの道しるべを完璧に

XMLサイトマップは、ウェブサイトの構造を検索エンジンに効率的に伝えるためのファイルであり、特にページ数が多いECサイトや、頻繁に商品情報が更新されるサイトにとっては、SEO上非常に重要な役割を果たします。  

サイトマップのSEOにおける役割とmakeshopでの自動・手動生成

XMLサイトマップは、ウェブサイト内に存在する各ページのURLリストと、それらに関する追加情報(最終更新日、更新頻度、優先度など)をXML形式で記述したものです。これを検索エンジン(主にGoogleやBing)に提供することで、クローラーがサイト内のページを網羅的かつ効率的に発見し、インデックスに登録する手助けをします。

makeshopでは、このXMLサイトマップを比較的簡単に作成・管理できる機能が備わっています。管理画面の「設定」から「SEO設定」へ進み、「サイトマップの設定」メニュー内の「XMLサイトマップ作成」オプションで、「サイトマップを出力する」にチェックを入れることで、サイトマップが生成されます。  

サイトマップは一度作成したら終わりではありません。サイトの内容が更新されるたびに、サイトマップも最新の状態に保つ必要があります。makeshopでは、以下のタイミングでサイトマップが更新される仕組みになっています。  

  • 管理画面から手動でサイトマップを再作成した場合
  • 管理画面の商品登録機能で新しい商品を登録した場合
  • 管理画面の商品一括登録CSV処理で、商品情報を新規登録または更新した場合

ただし、外部API(例えばカラーミーショップの事例ではカラーミーAPI )経由で商品を登録した場合など、特定の更新方法ではサイトマップが自動更新されないケースもあるため、注意が必要です。makeshopにおける正確な仕様を確認することが推奨されます。  

また、SEOの観点からは、サイトマップには正規化されたURLのみを含めるべきです。フィルタリング条件や並び替えパラメータが付与されたURLなど、検索エンジンにインデックスさせる必要のない、あるいは重複コンテンツとみなされる可能性のあるURLはサイトマップから除外し、別途noindexメタタグなどで対応することが望ましいとされています。  

Google Search Console及びBing Webmaster Toolsへの登録・活用法

生成したXMLサイトマップは、Google Search Console(GSC)およびBing Webmaster Toolsに登録することで、その効果を最大限に発揮します。

Google Search Consoleへの登録手順の概要 : 

  1. GSCへのログインとプロパティ追加:GoogleアカウントでGSCにログインし、対象となるショップのURLをプロパティとして追加します(通常は「URLプレフィックス」タイプを選択)。

  2. サイト所有権の確認:GSCが指示する方法(多くはHTMLタグをサイトの<head>内に埋め込む方法)で、サイトの所有者であることを確認します。makeshopの場合、管理画面の「サイトマップの設定」や「METAタグ入力」セクションに、この確認用HTMLタグ(例:google-site-verificationメタタグ)を貼り付ける場所が用意されていることがあります。この際、ショップが「開店状態」でないと所有権の確認が正常に行えない場合があるため注意が必要です。  
  3. サイトマップの送信:所有権が確認できたら、GSCの「サイトマップ」セクションで、makeshopが生成したXMLサイトマップのURL(通常は ドメイン/sitemap.xml のような形式)を送信します。

  4. カバレッジレポートの確認:送信後、GSCはサイトマップを処理し、インデックス状況に関するレポート(カバレッジレポート)を提供します。エラーや警告がないか定期的に確認し、問題があれば対処することが重要です。

Bing Webmaster Toolsへの登録手順の概要 :基本的な流れはGSCと同様で、Bing Webmaster Toolsにログインし、サイトを追加、所有権を確認(同様にMETAタグを使用することが多い)、そしてXMLサイトマップのURLを送信します。makeshopの管理画面にBing用のMETAタグ入力欄が用意されている場合もあります。  

サイトマップを適切に生成・送信し、各ウェブマスターツールでその状況を監視することは、検索エンジンとの良好なコミュニケーションを維持し、サイトの可視性を高めるための基本的ながらも重要な作業です。特に、ショップの初期設定時や大規模な商品情報の更新後には、サイトマップの「鮮度」とウェブマスターツールでの処理状況を確実に確認することが求められます。

1.4.robots.txtの高度な最適化:クロール制御をマスターする

robots.txtファイルは、ウェブサイトのルートディレクトリに配置され、検索エンジンのクローラーに対して、サイト内のどのページやディレクトリをクロール(巡回・情報収集)してよいか、あるいはすべきでないかを指示するためのテキストファイルです。適切に設定することで、クロールバジェット(クローラーがサイトに割り当てるリソース)を効率的に使用させ、重要なコンテンツのインデックスを促進し、不要なページのクロールを防ぐことができます。

makeshopにおけるrobots.txtのカスタマイズ方法と戦略的指示

makeshopでは、一般的なウェブサーバーのようにFTPで直接robots.txtファイルをアップロードする形式ではなく、プラットフォームの機能を利用した間接的な方法でrobots.txtの内容を定義します。具体的な手順は以下の通りです。  

①独自ページ機能でrobots.txtの内容を作成:

    • makeshopの管理画面で「独自ページ入力」機能(クリエイターモードの場合は「フリーページ管理」)を利用し、新しいページを作成します。
    • ページ名は分かりやすいように「robots.txt」などとします。
    • ページタイプは、余計なHTMLタグが自動出力されない「ブランクページB(タグの自動出力なし)」を選択します。

本文(エディタ部分)に、robots.txtのディレクティブ(指示内容)を記述します。例えば、以下のような内容です。

User-agent:*
Disallow:/cart/
Disallow:/member/
Disallow:/orderhistory/
Allow:/
Sitemap:https://www.yourshop.com/sitemap.xml

上記の例では、全てのクローラー (User-agent:*) に対して、カートページ (/cart/) や会員ページ (/member/) などのクロールを禁止し、それ以外のページは許可 (Allow:/) し、XMLサイトマップの場所を明示 (Sitemap:…) しています。

②URL一括設定でマッピング:

    • 作成した独自ページのURL(例: https://www.yourshop.com/shop/original_page_for_robots_txt.html など)を、サイトのルートにあるべき /robots.txt というパスにマッピングします。これは「URL一括設定」機能で行います。

    • 具体的には、ダウンロードしたURL設定用CSVファイルで、作成した独自ページに対応する行の「任意URL」の項目に /robots.txt と入力します。

    • さらに、このマッピングが正しく機能し、検索エンジンがこの独自ページを /robots.txt として認識するように、「canonical属性」の項目に「1」(任意URLを優先的にインデックスさせる)を設定します。  
    • 編集したCSVファイルをアップロードして設定を反映させます。

この方法は、Shopify やBlogger といった他のプラットフォームでのrobots.txt編集方法とは異なり、makeshop独自のものです。Shopifyではテーマのコード編集から robots.txt.liquid ファイルを直接編集できますが、makeshopでは上記のような手順を踏む必要があります。  

戦略的な指示としては、ECサイトで一般的にクロールさせる必要のないページ(例:検索結果の絞り込みすぎで内容が薄いページ、パラメータ付きの重複URL、会員専用ページ、カート関連ページなど)を Disallow で指定することが考えられます。また、重要なカテゴリページや商品ページが誤ってブロックされないように注意が必要です。  

makeshopにおけるこのrobots.txt設定方法は、複数のステップ(独自ページ作成、ディレクティブ記述、URLマッピング、canonical設定)を要するため、直感的とは言えず、設定ミスがサイト全体のクロールに深刻な悪影響を与えるリスクを伴います。特にrobots.txtの構文やmakeshopの独自ページシステムに不慣れなユーザーにとっては、誤って重要なコンテンツをブロックしてしまったり、意図しない範囲のクロールを許可してしまったりする可能性があります。そのため、設定変更後はGoogle Search Consoleのrobots.txtテスターなどのツールで意図通りに機能しているかを確認することが強く推奨されます。

1.5.SSL設定の徹底解説:信頼性とランキング向上の鍵

ウェブサイトのセキュリティは、ユーザーの信頼を得る上で不可欠な要素であり、検索エンジン最適化(SEO)においてもその重要性は増す一方です。常時SSL化(サイト全体の通信をHTTPSで暗号化すること)は、現代のECサイト運営において必須の対応と言えます。

常時SSL化のSEOインパクトとmakeshopでの確実な設定・確認方法

SSL(Secure Sockets Layer)およびその後継であるTLS(Transport Layer Security)は、ウェブサーバーとブラウザ間の通信を暗号化する技術です。これにより、第三者によるデータの盗聴や改ざんを防ぎ、ユーザーが入力する個人情報(氏名、住所、クレジットカード情報など)を安全に取り扱うことができます。

Googleは2014年にHTTPSをランキングシグナルの一つとして使用することを発表しており 、以降、SSL化されたサイトは検索結果で優遇される傾向にあります。また、主要なブラウザ(Chromeなど)は、SSL化されていないHTTPサイトに対して「保護されていない通信」といった警告を表示するようになり、ユーザーに不安感を与え、サイトからの離脱を招く可能性があります。ECサイトにおいては、顧客の信頼が直接売上に結びつくため、SSL化による安心感の提供は極めて重要です。  

makeshopでは、SSL証明書の取得と設定がオプションサービスとして提供されています。

  • プレミアムプランの場合:年額13,200円(税込)で常時SSLオプションを利用できます。この費用については、一部のユーザーから「月額料金を考慮すると無料であるべき」といった意見も見られますが 、ECサイトのセキュリティとSEO効果を考慮すれば、必要不可欠な投資と捉えるべきでしょう。なお、2025年4月1日からの料金改定において、この常時SSLオプションの料金は改定対象外とされています。  
  • MakeShopエンタープライズプランの場合:独自のSSL証明書を設定するオプションも利用可能です。  

一部情報で「独自ドメイン・SSL料金が年間4,378円」という記述 が見られますが、これは「.shop」ドメインの取得・管理サービスに関する料金であり、サイト全体の常時SSL化に必要なSSL証明書の費用(年額13,200円)とは別であると理解するのが適切です。  

SSL設定後は、以下の方法で正しくHTTPS化されているかを確認します。

  • ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されているか。

  • サイト内の全てのページ(画像、CSS、JavaScriptファイルなども含む)がHTTPSで読み込まれているか(混合コンテンツがないか)。ブラウザの開発者ツールで確認できます。

  • HTTPでアクセスした場合に、HTTPSへ自動的にリダイレクトされるか。

SSLは、もはや単なるオプションではなく、ECサイトを運営する上での「標準装備」と認識し、確実に導入・設定することが求められます。makeshopが提供する有料オプションであっても、その費用対効果(ランキング向上、ユーザー信頼の獲得、安全な取引の実現)を考慮すれば、優先的に取り組むべきSEO施策の一つです。

Table 2:makeshop SEO設定項目 完全チェックリスト

makeshopでECサイトを運営し、SEO効果を最大限に引き出すためには、多岐にわたる設定項目を網羅的に確認し、最適化する必要があります。以下のチェックリストは、主要なSEO設定項目、makeshop内での設定箇所、および推奨事項をまとめたものです。新規ショップ構築時のガイドとして、また既存ショップのSEO監査ツールとして活用できます。

項目 (Item)

makeshop設定箇所 (makeshop Setting Location)

推奨事項・ポイント (Recommendations/Points)

関連情報例

基本設定

ブラウザタイトル (Title Tag)

SEO個別設定, SEO一括設定

全角32文字程度、重要キーワードを前半に、ページ毎にユニークに、魅力的で分かりやすく。変数<{$page.title}>等活用。

 

メタディスクリプション (Meta Description)

SEO個別設定, SEO一括設定

全角120文字程度(makeshop推奨64文字以内も考慮)、キーワードを自然に含めクリックを促す内容に。変数<{$page.description}>等活用。

 

H1タグ

クリエイターモードHTML編集, またはページ内主要見出し

ページ毎に1つ、最重要キーワードを含む、内容を的確に表す。

 

Hxタグ階層

クリエイターモードHTML編集, コンテンツ作成時

H1→H2→H3のように論理的な階層構造にする。

 

画像alt属性

商品登録時, クリエイターモードHTML編集

画像の内容を的確に説明するテキスト、関連キーワードを含める。

 

URL・クロール制御

URL構造

URL一括設定, ページ作成時

短く、分かりやすく、キーワードを含む静的URLを推奨。

 

URL正規化 (rel=”canonical”)

URL一括設定, クリエイターモードHTML編集 (<{$page.canonical_url}>)

重複コンテンツを避け、正規URLを明確に指定。絶対パスで。

 

XMLサイトマップ

SEO設定 > サイトマップの設定

自動生成/手動更新。Google Search Console, Bing Webmaster Toolsに送信。正規URLのみ含める。

 

robots.txt

独自ページ作成 + URL一括設定で /robots.txt にマッピング

不要なページのクロールを制御。サイトマップの場所を記述。

 

常時SSL化 (HTTPS)

オプション申込, サーバー設定

サイト全体をHTTPS化。混合コンテンツを避ける。

 

コンテンツ・構造

商品ページコンテンツ

商品登録画面, 文章AI生成機能

ユニークで詳細な商品説明、メリット、レビュー、高品質画像。

 

カテゴリページコンテンツ

カテゴリ設定, クリエイターモード

カテゴリ概要説明、関連情報、ユーザーが求める情報を提供。

 

ブログコンテンツ (WordPress連携推奨)

WordPress連携オプション, WordPress管理画面

専門性・権威性のある高品質記事、キーワード戦略。

 

構造化データ

クリエイターモードHTML編集 (商品レビューは一部自動)

商品, レビュー, パンくず, FAQ等をJSON-LDでマークアップ。リッチリザルトを目指す。

 

内部リンク

コンテンツ作成時, クリエイターモード

関連ページ同士を適切にリンク。パンくずリスト。

 

パフォーマンス・UX

ページ表示速度 (Core Web Vitals)

画像最適化, makeshop設定 (遅延読み込み等), サーバープラン

LCP, INP, CLSの改善。画像圧縮、キャッシュ活用、コード最適化。

 

モバイルフレンドリー

クリエイターモード (レスポンシブデザイン)

各デバイスで適切に表示・操作できるか確認。Googleのモバイルフレンドリーテスト活用。

 

その他

ファセットナビゲーション対策

カテゴリ設定 (noindex), canonicalタグ, robots.txt

価値の低い絞り込み結果ページのインデックス制御。

 

404エラーページ

クリエイターモード (カスタマイズ)

親切な案内、サイト内検索、トップページへのリンクを設置。

 

Google Analytics連携

タグ設定

GA4でアクセス状況、ユーザー行動を詳細に分析。

 

このチェックリストは、makeshopにおけるSEOの多岐にわたる側面をカバーしています。各項目を定期的に見直し、最新のベストプラクティスに合わせて最適化を続けることが、持続的なSEO成功への道です。

2.makeshopサイトを勝利に導くコンテンツSEO戦略

検索エンジンで上位表示を獲得し、質の高いトラフィックをECサイトへ呼び込むためには、makeshopプラットフォームの技術的な設定だけでなく、魅力的で価値のあるコンテンツを作成し、それを戦略的に展開する「コンテンツSEO」が不可欠です。本章では、ターゲット顧客の心に響くキーワードリサーチから、コンバージョンを生み出す商品ページ、回遊性とSEOを両立するカテゴリページ、そして専門性を高めるブログコンテンツの作成に至るまで、makeshopサイトを成功に導くための包括的なコンテンツSEO戦略を詳述します。

2.1.ターゲットを射抜くキーワードリサーチと戦略的選定

コンテンツSEOの出発点は、自社の製品やサービスを求めている潜在顧客が、実際にどのような言葉(キーワード)を使って検索しているかを正確に把握することです。

顧客インサイトに基づく検索意図の解読とペルソナ設定

効果的なキーワード戦略を立てるためには、まず「誰に」「何を」届けたいのかを明確にする必要があります。これには、ターゲット顧客の具体的な人物像(ペルソナ)を設定し、そのペルソナが抱える課題、ニーズ、そして検索行動を深く理解することが求められます。  

顧客が商品を検索する際には、様々な「検索意図」が存在します。例えば、「情報を知りたい(Informational)」「特定のウェブサイトに行きたい(Navigational)」「何かを購入したい(Transactional)」などです。ECサイトにおいては、特に購入意図の高い「トランザクショナルクエリ」を見極め、それに応えるコンテンツを作成することが重要です。例えば、「[商品名] 通販」「[ブランド名] 安い」「[カテゴリ] おすすめ」といったキーワードは、購入に近いユーザーが使用する可能性が高いと言えます。  

高度なキーワードツール活用法と競合徹底分析

検索意図を把握した上で、具体的なキーワードを選定するためには、キーワードリサーチツールを活用することが有効です。Googleキーワードプランナーは代表的なツールであり、特定のキーワードの検索ボリューム(月間検索数)や関連キーワード、競合の激しさなどを調査できます。  

さらに、競合他社がどのようなキーワードで上位表示されているか、どのようなコンテンツで集客しているかを分析することも不可欠です。競合サイトのタイトルタグ、見出し、コンテンツ内容を調査し、自社が狙うべきキーワードや、競合が見落としている可能性のあるニッチなキーワード、あるいは複数の単語を組み合わせたロングテールキーワードを発見する手がかりとします。これらのキーワードは、検索ボリュームは小さくとも、コンバージョン率が高い傾向にあります。  

2.2.コンバージョンを生む高品質商品ページコンテンツの創造

商品ページは、ECサイトにおいて顧客が最終的な購買決定を下す最も重要なページの一つです。魅力的で情報価値の高い商品ページコンテンツを作成することが、コンバージョン率向上に直結します。

購買意欲を掻き立てる情報満載な商品説明文の極意

検索エンジンとユーザー双方に評価される商品説明文は、以下の要素を満たす必要があります。

  • 独自性と具体性:他のサイトからのコピー&ペーストではなく、その商品ならではのユニークな情報を提供します。商品の特徴、機能、素材、サイズ、利用シーンなどを具体的に記述し、顧客が商品を手に取っているかのような詳細な情報を提供します。  
  • 顧客ベネフィットの訴求:単に商品のスペックを羅列するのではなく、その商品を使用することで顧客が得られるメリットや価値(ベネフィット)を明確に伝えます。例えば、「この軽量な素材により、長時間の着用でも快適です」といった表現です。  
  • キーワードの自然な活用:ターゲットキーワードを不自然にならない程度に盛り込み、検索エンジンからの発見性を高めます。ただし、キーワードの詰め込みすぎはペナルティのリスクがあるため避けるべきです。  
  • 信頼性の担保:返品ポリシー、特商法に基づく表示、よくある質問(FAQ)へのリンクなど、顧客が安心して購入できるための情報を提供することも重要です。  
  • 視覚的要素との連携:高品質で魅力的な商品画像や動画と連携し、テキストだけでは伝えきれない商品の魅力を補完します。  

ユーザーレビューの戦略的活用とSEO効果最大化

顧客からのレビューは、他の潜在顧客にとって非常に信頼性の高い情報源となります。また、SEOの観点からも以下のようなメリットがあります。

  • コンテンツの量と鮮度の向上:定期的に投稿されるレビューは、商品ページのコンテンツ量を増やし、常に新しい情報が追加される状態(鮮度)を保つため、検索エンジンからの評価向上に繋がる可能性があります。  
  • ロングテールキーワードの獲得:顧客が実際に使用する言葉で書かれたレビューには、運営側が意図しない多様なロングテールキーワードが含まれることがあり、これが新たな検索流入を生む可能性があります。  
  • 信頼性とコンバージョン率の向上:良いレビューは商品の信頼性を高め、購買決定を後押しします。

  • 構造化データへの活用:レビュー情報は構造化データとしてマークアップすることで、検索結果に評価(星の数など)を表示させ、クリック率を高めることができます(詳細は2.5節)。

makeshopの機能や外部連携サービスを利用してレビュー収集を積極的に行い、商品ページに掲載することを推奨します。また、専門家やインフルエンサーに商品レビューを依頼することも、信頼性のあるコンテンツを増やす有効な手段です。  

makeshop「文章AI生成機能」のSEO的活用法と限界

makeshopは、商品名と補足キーワードを入力するだけで、商品説明文やメタディスクリプションを自動生成する「文章AI生成機能」を提供しています。この機能は、特に多数の商品を扱うECサイトにおいて、コンテンツ作成の効率を大幅に向上させる可能性を秘めています。AIが生成する文章は、基本的なSEOの要素(キーワードの含有など)を考慮して作成されることが期待されます。  

しかし、AI生成コンテンツをそのまま利用する際には注意が必要です。現状のAI技術では、以下のような限界があるためです。

  • 独自性と創造性の欠如:AIは学習データに基づいて文章を生成するため、完全にオリジナルで創造性に富んだ表現を生み出すのは難しい場合があります。特に、ブランド独自のトーン&マナーや、深い感情に訴えかけるような文章の作成は苦手とする傾向があります。

  • 専門性と体験の不足:Googleが重視するE-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness:経験、専門性、権威性、信頼性)を満たすためには、実際の使用経験や深い専門知識に基づいた情報が求められます。AIにはこれらが欠けているため、表面的な記述になりがちです。

  • 不自然な表現や誤情報のリスク:生成された文章が不自然であったり、稀に誤った情報を含んでいたりする可能性もゼロではありません。

したがって、makeshopの文章AI生成機能は、あくまで「下書き」や「たたき台」として活用し、必ず人間の手で加筆・修正を行うことが賢明です。AIが生成した文章を元に、ブランドの個性を加え、より具体的で魅力的な表現にブラッシュアップし、ターゲットキーワードを戦略的に調整することで、初めてSEO効果とコンバージョン率向上に繋がる高品質なコンテンツとなります。AIによる効率化と、人間による品質担保のバランスを取ることが、この機能を最大限に活かす鍵となります。  

2.3.カテゴリページの戦略的最適化:回遊性とSEOの両立

カテゴリページは、ユーザーが目的の商品群へたどり着くための重要なナビゲーションハブであると同時に、特定の製品群に関連するキーワードで検索上位を狙うためのSEO上の戦略拠点でもあります。

ユーザー中心設計とSEOに強いカテゴリ構造の構築

効果的なカテゴリページは、ユーザーが求める情報を簡単に見つけられるように設計されている必要があります。

  • 分かりやすいカテゴリ名:ユーザーが直感的に理解できる、一般的で明確なカテゴリ名を使用します。業界用語や専門用語の多用は避け、顧客が普段使う言葉を意識します。  
  • 論理的な階層構造:大カテゴリから小カテゴリへと、論理的で一貫性のある階層構造を構築します。深すぎる階層はユーザーを混乱させる可能性があるため、適切なバランスが重要です。

  • 独自コンテンツの追加:カテゴリページも単なる商品リストではなく、そのカテゴリに関する概要説明、選び方のポイント、関連情報といったユニークで有益なコンテンツを追加することで、SEO評価を高めることができます。  
  • 効果的な絞り込み(ファセット)機能:価格帯、ブランド、色、サイズなど、ユーザーが商品を比較検討しやすいように、適切な絞り込み条件を提供します。ただし、絞り込みによるURLの大量生成と重複コンテンツ問題には注意が必要です(詳細は第3章で後述)。  

2.4.ブログ機能を駆使した高度コンテンツマーケティング戦略

ECサイトにおけるブログは、単なる情報発信の場ではなく、潜在顧客の獲得、専門性の構築、そしてSEO効果の向上に大きく貢献する強力なコンテンツマーケティングツールです。

makeshop標準ブログ vs WordPress連携:SEO効果と運用の比較分析

makeshopには標準で「お知らせ機能」といった簡易的なブログ機能が備わっていますが、一部の情報源によれば、この標準機能は本格的なSEO対策や集客を目的としたブログ運営には必ずしも最適ではないとされています。デザインのカスタマイズ性やSEOに関する詳細設定の自由度が限られている場合があるためです。  

そこでmakeshopが提供しているのが、「WordPress連携オプション」です。このオプションを利用すると、ECサイトと同じドメイン(またはサブドメイン・サブディレクトリ)内に、世界で最も普及しているCMSであるWordPressで構築したブログを運用できます。WordPressはその構造上SEOに強く、豊富なプラグインによって機能を拡張できるため、本格的なコンテンツマーケティングを展開する上で非常に有利です。  

WordPress連携の主なメリットは以下の通りです。

  • SEO効果の向上:ECサイトと同一ドメイン内で質の高いブログ記事を増やすことで、サイト全体のテーマ性・専門性が高まり、Googleからの評価向上に繋がります。結果として、より多くの検索キーワードで上位表示される可能性が高まります。実際に、「ワードプレスをインストールできることで細かくSEO対策ができるようになり、検索エンジンでの表示順位を2ページ上げることができました」というユーザーの声もあります。  
  • コンテンツの充実と多様な情報発信:商品紹介だけでなく、関連情報、業界トレンド、活用事例、お客様の声など、多様なコンテンツを発信することで、潜在顧客層へのアプローチが可能になります。

  • デザインの統一性:ECサイトとブログのデザインテイストを統一することで、ブランドイメージの一貫性を保ち、ユーザーに安心感を与えることができます。  

WordPress連携オプションには初期費用(例:110,000円、月額費用は無料 )が発生しますが、長期的な視点で見れば、コンテンツSEOによる集客効果とブランド価値向上への投資として十分に検討する価値があります。本格的なSEO戦略を展開し、コンテンツを通じて持続的な集客を目指すのであれば、WordPress連携は「必須投資」に近い選択肢と言えるでしょう。  

検索上位を狙うための専門的ブログ記事作成テクニック

WordPress連携などを活用してブログを運営する際には、単に記事を量産するだけでなく、検索上位表示を意識した質の高い記事を作成することが重要です。

  • キーワードリサーチと戦略的活用:記事のテーマごとにターゲットキーワードを選定し、タイトル、見出し、本文中に自然な形で盛り込みます。  
  • 読者の検索意図を満たす価値提供:読者が何を知りたくてそのキーワードで検索したのか(検索意図)を深く理解し、その疑問や課題を解決する具体的で役立つ情報を提供します。  
  • E-E-A-Tを意識したコンテンツ作成:Googleが重視するE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を高めるために、正確な情報に基づき、独自の知見や分析を交え、専門家としての立場から情報発信を行います。  
  • 読みやすさと構成:明確で簡潔な文章を心がけ、見出しや箇条書き、画像などを効果的に使って、読者がストレスなく情報を理解できるように構成します。ある程度の深掘りした内容も必要ですが、難解な専門用語の多用は避けます。  
  • 定期的な更新と情報鮮度の維持:新しい情報を追加したり、古い情報を更新したりすることで、コンテンツの鮮度を保ち、読者と検索エンジンの双方にとって価値の高いブログを維持します。

2.5.構造化データマークアップの完全実装ガイド

構造化データマークアップは、ウェブページ上の情報を検索エンジンがより深く理解できるように、特定の形式(スキーマ)で意味付けを行う技術です。適切に実装することで、検索結果ページに通常よりも多くの情報(価格、在庫状況、レビュー評価、FAQなど)を表示させる「リッチリザルト(リッチスニペット)」の獲得が期待でき、ユーザーの注目を集めてクリック率(CTR)を大幅に向上させる効果があります。  

商品、レビュー、パンくずリスト、FAQ等の詳細マークアップ手法

ECサイトで特に重要な構造化データには以下のようなものがあります。

  • 商品 (Product):商品名、画像、説明文、SKU、ブランド、価格、在庫状況、レビューの平均評価や件数などをマークアップします。これにより、検索結果に価格や在庫情報、評価が表示されることがあります。  
  • レビュー (Review, AggregateRating):個々のレビュー内容や、商品全体の平均評価、レビュー総数などをマークアップします。  
  • パンくずリスト (BreadcrumbList):サイト内でのページの階層構造を示し、ユーザーと検索エンジンの双方にとってナビゲーションを助けます。  
  • FAQ (FAQPage):よくある質問とその回答をマークアップすることで、検索結果に直接FAQが表示されることがあります。

  • サイト内検索ボックス (WebSite):検索結果にサイト内検索ボックスを表示させることができます。  

構造化データの実装には、主にJSON-LDというJavaScriptベースのフォーマットが推奨されています。これはHTMLの本文とは別に<script type=”application/ld+json”>タグ内に記述するため、既存のHTML構造への影響を最小限に抑えられます。  

makeshopでは、クリエイターモードの特定のテンプレート(例:【Complete】)において、商品詳細ページに商品レビューに関する構造化データ(Productタイプ、AggregateRatingを含む)が初期状態で追加されている場合があります。これは良い出発点ですが、より広範な種類の構造化データ(例えば、パンくずリストやFAQ、記事など)を実装したり、既存のマークアップをカスタマイズしたりするには、多くの場合、クリエイターモードでのHTML(特に<head>セクションや適切な箇所へのJSON-LDスクリプトの挿入)編集が必要になります。  

ただし、makeshopのサポート範囲には注意が必要です。makeshopが標準で提供している構造化データ以外の記述方法や、ユーザーが独自に追加・編集した構造化データについては、サポート対象外となる場合があります。そのため、高度な構造化データマークアップを行う際には、schema.orgの公式ドキュメントやGoogleのガイドラインを十分に理解し、慎重に実装する必要があります。  

リッチリザルト獲得戦略とCTR劇的向上の秘訣

リッチリザルトは、検索結果ページで自サイトのリスティングを目立たせ、ユーザーのクリックを促す強力な武器です。リッチリザルトを獲得するためには、対象となるコンテンツタイプ(商品、レビュー、FAQなど)に合わせて正確な構造化データマークアップを施すことが前提となります。

さらに、Google Merchant Centerに商品フィードを登録している場合、そのフィード情報とウェブサイト上の構造化データの内容に矛盾がないように注意が必要です。特に価格情報などが異なっていると、ユーザーに混乱を与え、信頼を損なう可能性があります。  

構造化データは一度実装したら終わりではなく、Google Search Consoleの「拡張」レポートなどを通じて、マークアップが正しく認識されているか、エラーや警告が出ていないかを定期的に確認し、必要に応じて修正することが重要です。

makeshopで提供される基本的な構造化データ機能を活用しつつ、必要に応じてクリエイターモードでカスタムマークアップを追加することで、より多くのリッチリザルト獲得機会を捉え、検索トラフィックとコンバージョン率の向上を目指しましょう。ただし、その際には正確な知識と慎重な実装が求められることを念頭に置く必要があります。

3.makeshopサイトのテクニカルSEO完全攻略とUX最適化

ECサイトのSEO成功には、魅力的なコンテンツだけでなく、サイトの技術的な健全性と優れたユーザーエクスペリエンス(UX)が不可欠です。本章では、サイト表示速度の改善とCore Web Vitalsへの対応、モバイルフレンドリー設計、重複コンテンツ問題の解消、そして効果的な内部リンク戦略といった、makeshopサイトにおけるテクニカルSEOの重要課題を網羅的に解説し、その具体的な解決策を提示します。

3.1.サイト表示速度の極限までの改善:Core Web Vitals完全対応

ウェブサイトの表示速度は、ユーザーの離脱率や満足度に直結するだけでなく、Googleの検索ランキング要因としても公式に認められています。特に、Googleが提唱するCore Web Vitals(コアウェブバイタル)は、実際のユーザー体験を測る重要な指標群であり、これらに対応することが現代のSEOでは必須となっています。  

Core Web Vitals(LCP, INP, CLS)の深掘り解説とmakeshop特化型改善策

Core Web Vitalsは、主に以下の3つの指標で構成されます。

LCP (Largest Contentful Paint):

ページの主要コンテンツ(最も大きな画像やテキストブロックなど)が読み込まれるまでの時間。ユーザーが「ページが早く表示された」と感じるための指標。2.5秒以内が「良好」とされます。

改善策:画像や動画ファイルの最適化(適切なフォーマット選択、圧縮)、サーバーの応答速度向上(高性能なサーバープランの選択、CDNの活用)、レンダリングを妨げるCSSやJavaScriptの最適化、ブラウザキャッシュの活用などが有効です。  

INP (Interaction to Next Paint):

ユーザーがページ上の要素(ボタンクリック、フォーム入力など)とインタラクション(操作)を行ってから、その操作に対する視覚的なフィードバックが画面に表示されるまでの応答性。200ミリ秒以内が「良好」とされます。(以前はFID (First Input Delay) が指標でしたが、INPに置き換わりました。)

改善策:JavaScriptの実行に時間がかかる処理の最適化、不要なJavaScriptの削除、サーバーサイドの処理速度向上などが求められます。  

CLS (Cumulative Layout Shift):

ページの読み込み中に発生するレイアウトのずれの度合い。ユーザーが意図しないクリックをしてしまうなどのストレスを防ぐための指標。0.1以下が「良好」とされます。

改善策:画像や広告などの要素にあらかじめ表示領域を確保する(<img>タグにwidthheight属性を指定する)、動的に挿入されるコンテンツの配置を工夫する、Webフォントの読み込みを最適化してフォント切り替え時のレイアウト崩れ(FOUT/FOIT)を最小限に抑える(font-display:swap;やフォントのプリロードなど)といった対策が有効です。  

これらの指標は、Google Search Consoleの「ウェブに関する主な指標」レポートで自サイトの状況を確認できます。  

makeshopにおいては、プラットフォーム側で表示速度改善のための機能が提供され始めています。例えば、後述する画像の遅延読み込み(lazy loading)機能の導入 はLCP改善に寄与します。しかし、Core Web Vitals全体の最適化は、依然としてショップ運営者側の努力に大きく依存する部分があります。商品画像のアップロード前の圧縮、適切なファイル形式の選択、クリエイターモード利用時のHTML/CSS/JavaScriptの効率的な記述、そして場合によってはmakeshopが提供するサーバーオプション(例:プレミアムプランで標準提供される100MBのサーバー容量を超える場合に契約する「ストレージPLUS(旧ギガプラス10)」)の検討や、外部の画像最適化ツール・CDNサービスの利用も視野に入れる必要があります。  

画像最適化(フォーマット選定、圧縮)、遅延読み込み(lazy loading)の戦略的導入

ECサイトは多数の商品画像を扱うため、画像最適化は表示速度改善において特に重要です。

  • 画像フォーマットの選定:JPEG(写真)、PNG(透過画像やロゴ)、WebP(高圧縮かつ高品質な次世代フォーマット)など、画像の特性に合わせて最適なフォーマットを選びます。

  • 画像圧縮:品質を損なわない範囲で画像ファイルサイズを圧縮します。オンラインの画像圧縮ツールや画像編集ソフトの機能を活用します。

  • 遅延読み込み (Lazy Loading):ページを開いた時点では画面内に表示されていない画像を読み込まず、ユーザーがスクロールしてその画像が表示領域に入る直前に読み込みを開始する技術です。これにより、初期表示速度が大幅に改善され、特に商品リストページや画像が多いページで効果を発揮します。makeshopでは、2025年3月27日のリリースで、トップページの新商品・おすすめ商品、カテゴリページの一覧画像、商品詳細ページのサブ画像などにloading=”lazy”属性が追加され、画像の遅延読み込みが標準機能として一部導入されました 。この機能はページの表示速度向上や離脱率低下に貢献すると期待されています。  

makeshopが提供する標準機能と、ショップ運営者自身が行うべき最適化作業(画像の事前圧縮、クリエイターモードでのコード最適化など)を組み合わせることで、Core Web Vitalsの目標達成を目指します。一部ユーザーからはサーバーの応答速度やデフォルトのストレージ容量に関する指摘もあるため 、必要に応じてプランやオプションの見直しも検討課題となります。  

3.2.モバイルファーストインデックス時代のモバイルフレンドリー対応

Googleはモバイルファーストインデックスを全面的に導入しており、ウェブサイトの評価は主にモバイル版のコンテンツに基づいて行われます。したがって、ECサイトがモバイルデバイス(スマートフォン、タブレット)で快適に閲覧・操作できる「モバイルフレンドリー」であることは、SEOにおいて極めて重要です。  

レスポンシブデザインの徹底とモバイルユーザビリティテスト

モバイルフレンドリーを実現する最も一般的な方法は、レスポンシブウェブデザインを採用することです。レスポンシブデザインは、デバイスの画面サイズに応じてレイアウトやコンテンツ表示が自動的に最適化されるため、PC、タブレット、スマートフォンなど、どのデバイスからアクセスしてもユーザーに一貫した体験を提供できます。

makeshopの「クリエイターモード」を利用すると、レスポンシブデザインに対応したECサイトを構築することが可能です。これにより、PC版とモバイル版でURLが同一となり、Googleからの評価も集約されやすくなるというメリットがあります。  

モバイルフレンドリーなサイトを設計する際には、以下の点に注意が必要です。  

  • 読みやすい文字サイズとフォント:小さな画面でもテキストが判読しやすいように、適切なフォントサイズと行間を確保します。

  • タップしやすいボタンとリンク:指で正確にタップできる十分な大きさのボタンやリンクを配置し、要素間の間隔も適切に取ります。

  • スムーズな操作性:ページの読み込み速度をモバイル環境でも高速に保ち、ナビゲーションやフォーム入力などがスムーズに行えるようにします。

  • コンテンツの最適化:モバイル画面では表示領域が限られるため、情報を整理し、優先度の高いコンテンツが目立つように配置します。

スマートフォンへの対応が不十分な場合、モバイルユーザーの半数近くを失う可能性も指摘されており、売上機会の損失に直結します。GoogleのモバイルフレンドリーテストツールやPageSpeed Insightsなどを活用して、自サイトのモバイルユーザビリティを定期的にチェックし、問題点があれば改善していくことが重要です。  

3.3.難解な重複コンテンツ問題の特定と完全解消テクニック

ECサイトは、その特性上、重複コンテンツが発生しやすい環境にあります。商品バリエーション(色違い、サイズ違いなど)や、ファセットナビゲーション(絞り込み検索機能)などが、意図せず類似または同一のコンテンツを持つ複数のURLを生成してしまうことがあります。これらの重複コンテンツは、検索エンジンからの評価を分散させ、クロールバジェットを無駄に消費し、結果としてSEOパフォーマンスを低下させる可能性があります。

商品バリエーション(色・サイズ違い等)ページのSEOベストプラクティス

makeshopでは、商品登録時に「バリエーション機能」を利用して、色やサイズといった商品の種類を最大2項目まで組み合わせて設定できます。バリエーションごとに異なる価格や在庫数を設定することも可能です。  

この機能は便利ですが、各バリエーションが個別のURLを持つ場合(またはパラメータで区別される場合)、それらが検索エンジンから重複コンテンツとみなされないように注意が必要です。対策としては、以下のようなものが考えられます。

  • rel=”canonical”タグの活用:全てのバリエーションページから、代表となる「親」商品ページ(または最も主要なバリエーションページ)に対してcanonicalタグを設定し、評価を一つに集約します。ただし、makeshopの標準機能では、個別のページ単位で細かくcanonicalタグを設定することが難しい場合があり、全ページ共通での挿入となるか、クリエイターモードでのカスタム実装が必要になることがあります。  
  • 各バリエーションページへの独自コンテンツ追加:可能であれば、各バリエーションページに少しでもユニークな説明文や画像(例:色ごとの詳細な着用イメージなど)を追加し、それぞれのページの独自性を高めます。

  • 構造化データでの適切なマークアップ:複数のバリエーションを持つ商品を構造化データ(ProductスキーマのhasVariantプロパティなど)でマークアップする際には、Googleのガイドラインに従い、各バリエーションが適切に表現されるようにします。  

ファセットナビゲーション(絞り込み検索)のSEO課題とnoindex, canonicalを用いた解決策

ファセットナビゲーション(例:カテゴリ内で価格帯、ブランド、色、素材などで商品を絞り込む機能)は、ユーザーが目的の商品を見つけやすくするための強力なUX向上機能です。しかし、SEOの観点からは、絞り込み条件の組み合わせによって膨大な数のパラメータ付きURL(例:/category?color=red&size=M&brand=X)が動的に生成され、深刻な重複コンテンツ問題やクロールバジェットの浪費を引き起こす可能性があります。検索ユーザーや検索エンジンにとって価値の低い、あるいは商品がほとんどヒットしないような絞り込み結果ページが大量にインデックスされると、サイト全体のSEO評価が希薄化してしまいます。  

この問題に対処するためには、以下の戦略的な制御が必要です。

価値の低い絞り込み結果ページのクロール・インデックス制御:

    • noindexメタタグ:特定の絞り込み条件の組み合わせによって生成されるURLで、コンテンツの独自性が低い、あるいは検索需要がほとんどないと考えられるページに対しては、<meta name=”robots” content=”noindex”>タグをHTMLの<head>セクションに追加し、検索エンジンによるインデックスを拒否します。makeshopでは、カテゴリ単位で「noindex設定」を「設定する」にすることで、そのカテゴリページ自体を検索結果に表示させないようにすることが可能です。この機能がファセットURLにどの程度適用できるかは詳細な確認が必要です。  
    • robots.txtでのDisallownoindexと合わせて、あるいはnoindexが適用される前の段階で、特定のパラメータパターンを持つURL群をrobots.txtファイルでDisallowし、クローラーのアクセス自体を制限することも検討します。ただし、Disallowはインデックスを完全に防ぐものではないため、noindexとの併用が推奨されます。  

rel=”canonical”タグによる正規化:

絞り込みが適用されたファセットURLから、絞り込みが適用されていない主要なカテゴリページ(または検索需要のある一部の絞り込み結果ページ)に対してcanonicalタグを設定し、評価を正規ページに集約します。  

「該当なし」ページの非表示:

絞り込みの結果、該当する商品が1件もない「該当なしページ」は、ユーザー体験を損ねるだけでなく、低品質ページとして評価される可能性があるため、ファセットナビゲーションの選択肢として表示しない、あるいはnoindexにするなどの対応が求められます。  

makeshopが提供するカテゴリ単位でのnoindex設定 や、URL一括設定・クリエイターモードを通じたcanonicalタグの実装メカニズム を活用しつつ、どの絞り込みパラメータの組み合わせをインデックスさせ、どれを制御対象とするかという戦略的な判断は、ショップ運営者自身が行う必要があります。これには、各絞り込み条件での検索ボリューム、生成されるページのコンテンツの独自性、クロールバジェットへの影響などを総合的に考慮することが求められます。  

Table 3:重複コンテンツ対策:ケース別対処法

ECサイト運営において遭遇しやすい重複コンテンツのケースと、makeshopで考えられる対策を以下にまとめます。

重複ケース (Duplicate Case)

makeshopでの主な原因 (Main Cause in makeshop)

推奨される対策 (Recommended Solution)

makeshopでの設定箇所・方法 (makeshop Setting Location/Method)

関連情報例

商品バリエーション (例:/product-A-red, /product-A-blue)

バリエーション機能、オプション機能

rel=”canonical”で代表SKUまたは親商品ページに正規化。各バリエーションに独自情報を追加。

URL一括設定, クリエイターモードでのHTML編集, 商品説明文の工夫。

 

パラメータ付きURL (例:/category?sort=price, /search?keyword=X&page=2)

並び替え機能, ページネーション, サイト内検索

価値の低いパラメータURLはnoindex, follow。主要ページにrel=”canonical”。robots.txtで一部パラメータをDisallow

SEO個別設定 (ボディタグ直下等でmeta robots挿入検討), クリエイターモードHTML編集, robots.txt設定 (独自ページ経由)。

 

ファセットナビゲーションURL (例:/category?color=red&size=M)

絞り込み検索機能

重要なファセットはインデックス、他はnoindexまたはrel=”canonical”でカテゴリトップへ正規化。robots.txtで制御。

カテゴリ設定のnoindex機能 , クリエイターモード, robots.txt設定。

 

wwwあり/なしのURL (例:example.comwww.example.com)

ドメイン設定

どちらか一方に301リダイレクト。Google Search Consoleで優先ドメイン設定。rel=”canonical”

サーバー設定 (makeshopの範囲外の可能性あり), URL一括設定でのcanonical。

 

http/https混在

SSL設定不備

サイト全体をHTTPS化し、HTTPからHTTPSへ301リダイレクト。

常時SSLオプション申込、サーバー設定。

 

URL末尾のスラッシュあり/なし

システム仕様、リンクの不統一

どちらか一方に301リダイレクトまたはrel=”canonical”で統一。

サーバー設定, URL一括設定でのcanonical。

 

index.html (または同様のデフォルトファイル名) の表示/非表示

システム仕様

どちらか一方に統一(通常は非表示を正規とする)。rel=”canonical”

サーバー設定, URL一括設定でのcanonical。

 

 

これらの対策を適切に実施することで、重複コンテンツによるSEO上のペナルティを回避し、サイトの評価を最大限に高めることができます。

3.4.効果を最大化する内部リンク戦略とサイト構造設計

内部リンクは、ウェブサイト内のページ同士を結びつけるリンクであり、ユーザーのサイト内回遊性を高めるだけでなく、検索エンジンがサイトの構造を理解し、各ページの重要度を評価する上でも重要な役割を果たします。

サイト内回遊性向上、リンクジュース分配、トピッククラスタ戦略

効果的な内部リンク戦略は、以下の点でSEOに貢献します。

  • サイト内回遊性の向上:関連性の高いページ同士をリンクすることで、ユーザーは興味のある情報を次々と見つけやすくなり、サイト内での滞在時間や閲覧ページ数の増加に繋がります。これはユーザーエクスペリエンスの向上に直結します。

  • リンクジュース(評価)の分配:外部からの評価(被リンクなど)が高いページから、サイト内の他の重要なページへ内部リンクを張ることで、その評価を効率的に分配し、サイト全体のSEO評価を高めることができます。

  • トピッククラスタモデルの構築:特定の主要なトピック(ピラーページ)を中心に、それに関連する詳細なサブトピックのページ(クラスターページ)を多数作成し、それらを内部リンクで密に結びつける「トピッククラスタ」モデルは、サイトの専門性と権威性を高め、特定のテーマ領域での検索ランキング向上に有効です。ブログ記事や詳細な情報ページを商品ページやカテゴリページに戦略的にリンクすることが考えられます。

  • 検索エンジンのクロール効率向上:適切に内部リンクが張り巡らされたサイトは、検索エンジンのクローラーが新しいページや更新されたページを発見しやすくなり、インデックス登録がスムーズに進みます。

makeshopにおいては、以下のような箇所で内部リンクを意識的に構築できます。

  • パンくずリスト:ユーザーがサイト内の現在地を把握し、上位階層へ簡単に戻れるようにするパンくずリストは、基本的な内部リンク構造の一つです。makeshopでもパンくずリストは一般的に自動生成または設定可能です。  
  • 商品ページ:関連商品、おすすめ商品、よく一緒に購入されている商品などを表示し、内部リンクを設置します。

  • カテゴリページ:サブカテゴリへのリンク、関連カテゴリへのリンクなどを設置します。

  • ブログ記事・情報コンテンツ:記事内で関連する商品ページやカテゴリページ、他の関連記事へ自然な形でリンクを張ります。

  • フッターやサイドバー:重要なカテゴリや情報ページへのリンクを共通ナビゲーションとして設置します。

セマンティックSEOの観点からも、意味的に関連するコンテンツ同士を内部リンクで結びつけることは、検索エンジンがサイト全体の文脈を理解する上で重要です。アンカーテキスト(リンクの文字列)も、リンク先のページ内容を的確に表すキーワードを含めるように工夫します。  

4.makeshop集客機能と外部連携によるSEOシナジー最大化

makeshopは、ECサイトの集客を支援するための多様な機能や外部サービスとの連携オプションを提供しています。これらの機能をSEO戦略と組み合わせることで、相乗効果を生み出し、より広範な顧客層へのリーチとサイト評価の向上が期待できます。本章では、SNS連携、広告連携、越境EC対応、そして推奨される外部SEOツールとの連携に焦点を当て、それぞれのSEOへの貢献と活用法を解説します。

4.1.SNS連携(Instagram, Facebook, X, LINE等)とSEOへの間接的貢献

ソーシャルメディア(SNS)は、現代のマーケティングにおいて不可欠なチャネルです。makeshopは、Instagramショッピング機能をはじめ、Facebook、X(旧Twitter)、LINEといった主要なSNSとの連携機能を備えています。  

これらのSNS連携が直接的に検索エンジンのランキングアルゴリズムに影響を与えるわけではありませんが、間接的にSEOへ好影響をもたらす可能性があります。  

  • トラフィックの増加:SNS経由でECサイトへの訪問者が増えることは、サイト全体のトラフィック量を押し上げます。トラフィックの多さは、サイトの人気度や活気を示すシグナルの一つとして検索エンジンに認識される可能性があります。

  • ブランド認知度の向上と指名検索の増加:SNSでの活発な情報発信やユーザーとのエンゲージメントは、ブランドの認知度を高めます。ブランド名やショップ名での直接検索(指名検索)が増加すると、検索エンジンはそのブランドの権威性や人気を高く評価する傾向があります。

  • コンテンツの拡散とサイテーション(言及)の獲得:魅力的な商品情報やキャンペーン情報がSNS上でシェア(拡散)されることで、より多くの潜在顧客にリーチできます。また、ブログや他のウェブサイトで自社の商品やブランドが言及される(サイテーション)機会が増えれば、これも間接的なSEO効果に繋がります。

  • サイト内滞在時間の向上:例えば、Instagramの投稿をECサイト内に埋め込んで表示する機能(Instagram連携ウィジェットなど)を利用すると、ユーザーはECサイト上でSNSコンテンツを閲覧するため、サイト内での滞在時間が長くなる効果が期待できます。サイト滞在時間の長さは、ユーザーエンゲージメントの高さを示し、SEOにもプラスに働く可能性があります。  

SNS連携を最大限に活用するためには、各プラットフォームの特性に合わせたコンテンツ戦略と、ECサイトへのスムーズな誘導設計が重要です。

4.2.広告連携(Googleショッピング広告、リターゲティング広告)とSEOの相乗効果分析

有料広告とSEOは、それぞれ異なるアプローチの集客手法ですが、連携させることで相乗効果を生み出すことができます。makeshopは、Googleショッピング広告やリターゲティング広告といった主要な広告プラットフォームとの連携機能をサポートしています。

Googleショッピング広告連携:

makeshopの管理画面から商品データをGoogle Merchant Centerに連携し、Google検索結果の上部やショッピングタブに商品広告を掲載できます。これにより、購入意欲の高いユーザーへ直接商品をアピールできます。  

    • SEOとのシナジー:広告経由でサイトを訪れたユーザーが商品やブランドを認知し、後日オーガニック検索で再訪する可能性があります。また、広告のクリックデータやコンバージョンデータは、SEOでターゲットとすべきキーワードや商品群の選定にも役立ちます。

リターゲティング広告:

一度サイトを訪問したものの購入に至らなかったユーザーに対して、再度広告を表示する手法です。makeshopでは、このリターゲティング広告を比較的低コスト(固定費無料の場合あり)で利用できるオプションが提供されています。  

    • SEOとのシナジー:SEO経由でサイトに初めて訪れたユーザーが離脱してしまっても、リターゲeting広告で再アプローチすることで、最終的なコンバージョンに繋げる機会を増やせます。これにより、SEO施策の投資対効果を高めることができます。

広告は短期的な集客効果が期待できる一方、SEOは中長期的な資産となります。両者を組み合わせることで、短期的成果と長期的成長のバランスの取れた集客戦略を構築できます。

4.3.越境EC・多言語対応における国際SEO戦略

グローバル市場への展開は、ECビジネスの成長における大きな可能性を秘めています。makeshopは、海外販売に対応するための機能を提供しており、追加費用なしで越境ECを開始できるオプションも用意されています。  

しかし、単に海外からの注文を受け付けられるようにするだけでは、本格的な国際SEO(海外市場での検索エンジン上位表示)を達成するのは困難です。makeshopの標準機能では、ショップの表示言語や決済通貨は基本的に日本語・日本円が前提となっており、外国語での表示や海外地域ごとの詳細な送料設定には対応していません 。特定の「海外販売」サービスを利用することで海外からの注文受付は可能になりますが 、SEOの観点からはさらなる対応が必要となります。  

hreflangタグの正確な実装と多言語サイト構造

異なる言語や地域をターゲットとするウェブサイトを運営する場合、検索エンジンに対して各ページの言語・地域ターゲティング情報を正確に伝えるためにhreflang属性(タグ)の実装が不可欠です。  

hreflangタグは、HTMLの<head>セクション内に<link rel=”alternate” hreflang=”言語コード-地域コード” href=”対応するURL”>の形式で記述します。

  • 言語コード:ISO 639-1形式(例:ja (日本語), en (英語))で指定します。  
  • 地域コード:ISO 3166-1 Alpha 2形式(例:JP (日本), US (アメリカ))で、特定の地域をターゲットとする場合に言語コードと組み合わせて指定します(例:en-US)。地域コードのみでの指定はできません。  
  • x-defaultどの言語・地域にも該当しないユーザー向けのデフォルトページを指定します。  
  • 双方向の指定:例えば、日本語ページと英語ページがある場合、日本語ページには英語ページを指すhreflangタグを、英語ページには日本語ページを指すhreflangタグをそれぞれ設置し、相互に関連付ける必要があります。  

現状、makeshopの標準機能でhreflangタグが自動的に、かつ柔軟に(例えば、商品ページ単位で各言語版URLを指定するなど)生成・管理されるという明確な情報は見当たりません。makeshopが提供する「海外販売」サービスがこの部分をどの程度カバーしているかは詳細な確認が必要ですが、一般的には、本格的な国際SEOを展開するためには、クリエイターモードを利用したカスタム実装や、多言語対応に特化した外部サービスとの連携、あるいは言語ごとに独立したショップインスタンスを構築するといった、より高度な対応が求められる可能性が高いです。

makeshopで越境ECを成功させるためには、単に商品を海外に販売できる仕組みを導入するだけでなく、ターゲットとする国や地域の言語でのコンテンツローカライズ、キーワードリサーチ、そしてhreflangタグをはじめとする国際SEOの技術的要件を適切に満たすことが重要になります。この点において、makeshopの標準機能だけでは限界がある可能性を認識し、必要な追加投資や専門知識の獲得を検討する必要があります。

4.4.makeshopユーザー必見:推奨外部SEOツールと連携サービス徹底比較

makeshopの標準機能だけでも多くのSEO対策が可能ですが、より高度な分析、効率的な運用、そして広範なマーケティング活動のためには、外部の専門ツールや連携サービスを活用することが非常に有効です。

アクセス解析ツール:

    • Google Analytics (GA4):ECサイトのアクセス状況、ユーザー行動、コンバージョンなどを詳細に分析するための必須ツールです。makeshopはGA4との連携に対応しており、eコマース機能を使えば売上データなども計測可能です。オーガニック検索からの流入状況、ランディングページ分析、キーワード分析(Search Console連携が必要)など、SEO効果測定と改善点の発見に不可欠です。  

検索順位チェックツール:

    • GRC, BULLなど:特定のキーワードにおける自サイトの検索順位を定点観測するためのツールです。順位変動を把握し、SEO施策の効果を評価するのに役立ちます。  
    • makeshopアプリストアのツール:makeshop専用のアプリストアにも、検索順位チェックツールが提供されている場合があります。  

テクニカルSEO監査・競合分析ツール:

    • Google Search Console:サイトのインデックス状況、クロールエラー、モバイルユーザビリティ、Core Web Vitals、被リンク情報などを確認できる無料ツールです。SEOの基本的な健全性チェックに必須です。
    • Ahrefs, SEMrushなど (有料):より詳細な被リンク分析、競合サイト分析、キーワードリサーチ、サイト監査機能などを提供する高機能な総合SEOツールです。本格的なSEO運用には強力な武器となります。

CRM(顧客関係管理)・MA(マーケティングオートメーション)ツール:

    • MakeRepeater:makeshopと連携可能なCRMツールで、顧客分析やメールマーケティングによるリピーター育成を支援します。既存顧客との関係強化はLTV(顧客生涯価値)向上に繋がり、安定的な売上基盤を築きます。  

広告連携・データフィード管理ツール:

    • dfplus.ioなど:Googleショッピング広告やFacebookダイナミック広告などに必要な商品データフィードを効率的に作成・管理するためのツールです。makeshopの商品情報をこれらの広告媒体に最適化して連携できます。  

コンテンツマーケティング支援:

    • WordPress連携オプション:前述の通り、本格的なブログ運営やオウンドメディア構築によるコンテンツSEO強化のために推奨されます。  

SNS連携・管理ツール:

    • Instagram, Facebook, X, LINEなどとの標準連携機能に加え、投稿予約や効果測定ができる外部のSNS管理ツールも検討の余地があります。

Table 4:makeshop向け推奨外部SEOツール・連携サービス一覧

ツールカテゴリ (Tool Category)

ツール名/サービス名 (Tool/Service Name)

主な機能とmakeshopでの活用ポイント (Key Features and Utilization Points with makeshop)

連携の可否・方法 (Integration Availability/Method)

関連情報例

アクセス解析

Google Analytics 4 (GA4)

サイト全体のトラフィック分析、ユーザー行動分析、eコマース計測。オーガニック流入の効果測定。

makeshop側でトラッキングID設定、タグ設定。

 
 

Google Search Console

インデックス状況、検索クエリ、クリック数、表示回数、CTR、Core Web Vitals、被リンク確認。

サイト所有権確認(METAタグ等)、XMLサイトマップ送信。

 

キーワードリサーチ

Googleキーワードプランナー

検索ボリューム調査、関連キーワード発見、競合性分析。

外部ツールとして利用。

 
 

Ahrefs, SEMrush (有料)

高度なキーワードリサーチ、競合分析、コンテンツアイデア発見。

外部ツールとして利用。

 

検索順位追跡

GRC, BULL (有料/無料版あり)

指定キーワードの検索順位を自動追跡、競合比較。

外部ツールとして利用。

 
 

makeshopアプリストアの順位チェックツール

makeshopに特化した順位変動通知など。

makeshopアプリとしてインストール。

 

テクニカルSEO監査

Ahrefs Site Audit, SEMrush Site Audit (有料)

サイト全体のクロール、技術的な問題点(リンク切れ、重複コンテンツ等)の検出。

外部ツールとして利用。

 

CRM/MA

MakeRepeater

顧客分析、セグメント別メール配信、リピーター育成。

makeshopと連携。

 

広告連携

Googleショッピング広告連携 (makeshop標準)

商品データをGoogle Merchant Centerに連携し広告出稿。

makeshop管理画面から設定。

 
 

リターゲティング広告 (makeshop標準)

サイト訪問者への追跡広告。

makeshop管理画面から設定。

 
 

dfplus.io (データフィード管理)

各広告媒体に最適化された商品データフィードを作成・管理。

外部サービスとして連携。

 

コンテンツSEO

WordPress連携オプション (makeshop)

同一ドメインでの本格的ブログ運営、オウンドメディア構築。

makeshopオプションサービス。

 

SNS連携

Instagramショッピング連携 (makeshop標準)

Instagram投稿から商品ページへ直接誘導。

makeshop管理画面から設定。

 
 

Facebook, X, LINE連携 (makeshop標準)

各SNSとの連携機能。

makeshop管理画面から設定。

 
 

SNS投稿埋め込みツール (例:EmbedSocial)

Instagram投稿などをECサイトにリッチに表示。

外部ツール、クリエイターモードで埋め込み。

 

 

これらの外部ツールや連携サービスを戦略的に組み合わせることで、makeshopサイトのSEOポテンシャルを最大限に引き出し、集客と売上の持続的な成長を目指すことができます。

5.makeshop SEO持続的成果のための効果測定

SEO施策は実行して終わりではなく、その効果を正しく測定し、継続的な改善サイクル(PDCA)を回していくことが、持続的な成果を生み出すための鍵となります。本章では、makeshopのSEO効果測定のKPI設定、そしてPDCAによる改善プロセスについて解説します。

5.1.SEO効果測定のKPI設定と高度分析ツール活用法

SEO施策の効果を客観的に評価し、改善に繋げるためには、適切な主要業績評価指標(KPI)を設定し、分析ツールを用いてデータを収集・分析することが不可欠です。

ECサイトのSEO効果測定における主要なKPIには、以下のようなものがあります。  

  • オーガニック検索からの流入数(セッション数、ユーザー数):検索エンジン経由で広告費用をかけずにサイトを訪れたトラフィックの量。SEO施策の基本的な成果指標です。

  • キーワード別検索順位の推移:ターゲットとしているキーワードで、自サイトが検索結果の何位に表示されているかの変動。特定のキーワードでの競争力を示します。

  • オーガニック検索経由のコンバージョン数(CV数)およびコンバージョン率(CVR):オーガニック検索から流入したユーザーが、実際に商品購入や問い合わせといった目標行動(コンバージョン)に至った数とその割合。SEO施策の最終的なビジネス貢献度を示します。

  • オーガニック検索からの売上:上記CV数と客単価から算出される、SEO経由の直接的な売上貢献額。

  • 検索結果での表示回数(インプレッション数)とクリック率(CTR):Google Search Consoleで確認できる指標。表示回数が増え、かつCTRが高まれば、より多くの潜在顧客にリーチできていることを意味します。

  • 直帰率、平均セッション時間、閲覧ページ数/セッション:オーガニック検索から流入したユーザーが、サイト内でどの程度エンゲージメントしているかを示す指標。コンテンツの質やユーザビリティの評価に繋がります。

これらのKPIを測定・分析するためには、以下のツールが主に活用されます。

  • Google Analytics (GA4):オーガニック検索からの流入数、ユーザー属性、行動(ランディングページ、直帰率、回遊状況など)、eコマース設定によるコンバージョン数や売上などを詳細に把握できます。  
  • Google Search Console:検索順位、表示回数、クリック数、CTRといった検索パフォーマンスデータに加え、サイトのインデックス状況、クロールエラー、モバイルユーザビリティ、Core Web Vitalsの健全性、被リンク情報などを確認できます。SEOの技術的な側面と検索エンジンからの見え方を把握する上で必須です。

  • 検索順位チェックツール (BULL, GRC, Ahrefs, SEMrushなど):指定したキーワードの検索順位を定期的に自動で記録し、変動をグラフなどで可視化します。競合サイトとの比較も可能です。  
  • makeshop管理画面のアクセス統計機能:makeshop自体も基本的なアクセス統計機能を提供しており、補助的な情報源として活用できます。  

これらのツールから得られるデータを多角的に分析し、どの施策が効果を上げているのか、どこに改善の余地があるのかを特定します。

5.2.PDCAサイクルによる継続的SEO改善プロセスと体制構築

SEOは一度設定を完了すれば終わりというものではなく、市場環境の変化、競合の動向、検索エンジンのアルゴリズム更新などに合わせて、継続的に施策を見直し、改善していくプロセスが不可欠です。このためには、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を回していく体制を構築することが重要です。  

①Plan(計画):

現状分析(KPIの確認、競合調査、キーワードリサーチ)に基づき、具体的なSEO目標(例:〇〇キーワードで3ヶ月以内にトップ10入り、オーガニック流入数〇%増など)を設定します。
目標達成のための具体的な施策(コンテンツ追加、テクニカルSEO改善、内部リンク最適化など)を計画します。

②Do(実行):

計画した施策を実行します。コンテンツ作成、サイト改修、設定変更など。

③Check(評価・効果測定):

施策実行後、一定期間(例えば、サイト全体の大きな施策であれば3ヶ月程度、新規ページの追加であれば1ヶ月程度など )をおいて、設定したKPIがどのように変化したかを分析ツールで測定・評価します。  
目標達成度合い、予期せぬ影響などを客観的に把握します。

④Act(改善):

評価結果に基づき、施策の継続、修正、あるいは中止を判断します。
効果があった施策はさらに強化し、効果が薄かった施策については原因を分析し、改善策を立案して次のPlanに繋げます。

このPDCAサイクルを継続的に回すことで、SEO戦略は徐々に洗練され、より高い成果を生み出すようになります。チーム内で役割分担を明確にし、定期的なレビュー会議を設けるなど、SEO改善を組織的に推進する体制を整えることも、長期的な成功のためには重要です。

まとめ:未来志向のmakeshop SEO戦略と進化し続ける検索エンジンへの対応

本レポートでは、makeshopを利用してECサイトを運営する事業者が検索エンジンで上位表示を獲得し、持続的な成長を遂げるための包括的なSEO戦略と実践テクニックを詳細に解説してきました。最後に、本レポートの要点を総括し、絶えず変化する検索エンジンの動向に対応するための未来志向の考え方を示します。

本レポートの最重要ポイント

makeshopにおけるSEO成功の鍵は、以下の4つの要素に集約されます。

①makeshopのSEO機能の徹底活用

makeshopが提供するSEO個別設定・一括設定、URL正規化機能、XMLサイトマップ生成、robots.txt設定(独自ページ経由)、常時SSLオプション、そしてクリエイターモードの柔軟性などを深く理解し、これらを最大限に活用することが全ての基本です。プラットフォームの特性を把握することが、効果的な施策の第一歩となります。

②コンテンツの質と量が成功を左右する

ターゲット顧客の検索意図を的確に捉え、そのニーズに応える高品質で独自性のあるコンテンツ(商品説明文、カテゴリページ解説、ブログ記事など)を継続的に提供することが、検索エンジンからの評価を高め、ユーザーの信頼を獲得する上で不可欠です。特に、専門性と権威性を示すE-E-A-Tを意識したコンテンツ作成が重要です。makeshopの文章AI生成機能やWordPress連携オプションは、このコンテンツ戦略を支援するツールとして活用できます。

③テクニカルSEOの健全性が土台となる

サイト表示速度(Core Web Vitals対応)、モバイルフレンドリー設計、重複コンテンツの排除、適切な内部リンク構造、構造化データマークアップといったテクニカルSEOの要素が健全に保たれていなければ、どれだけ優れたコンテンツがあってもその効果は半減します。サイトの技術的な基盤を強固にすることが、SEOの成果を安定させる上で極めて重要です。

④継続的な分析と改善が不可欠である

SEOは一度設定したら終わりではありません。Google AnalyticsやSearch Consoleなどのツールを用いて効果測定を定期的に行い、その結果に基づいて戦略や施策を柔軟に見直し、改善を繰り返すPDCAサイクルを回し続けることが、長期的な成功を持続させるための唯一の道です。

検索エンジンのアルゴリズム変動とmakeshopプラットフォームアップデートへの適応戦略

Googleをはじめとする検索エンジンのアルゴリズムは、ユーザーにとってより有益で質の高い情報を提供するために、日々進化し続けています。過去に有効だったテクニックが通用しなくなることもあれば、新たな評価基準が登場することもあります。このような変化に常に対応していくためには、以下の姿勢が求められます。

  • 最新SEOトレンドの学習:信頼できる情報源(Google公式ブログ、SEO専門家の発信など)から常に最新のSEOトレンドやアルゴリズム変更に関する情報を収集し、自サイトの戦略に反映させる努力が必要です。

  • makeshopプラットフォームの進化への追随:makeshop自体も、ユーザーのニーズや市場の変化に対応するために、機能の追加や改善を継続的に行っています。例えば、画像の遅延読み込み機能の導入 や、構造化データの標準対応範囲の拡大 などは、SEOに関連するプラットフォーム側の進化の一例です。ユーザーからは「makeshopは大きくリニューアルされ、かなり使いやすく革新的なサービスになる予定」といった期待の声も聞かれます。これらのプラットフォームアップデート情報を常にチェックし、新機能を積極的に活用することで、競合に対する優位性を保つことができます。  
  • ユーザーファーストの徹底:検索エンジンのアルゴリズム変更は様々ですが、その根底にあるのは常に「ユーザーにとって最も価値のある体験を提供する」という思想です。小手先のテクニックに頼るのではなく、ターゲットユーザーを深く理解し、彼らにとって本当に役立つ情報、使いやすいサイト、信頼できるサービスを提供し続けることが、結果として検索エンジンからの評価にも繋がる最も確実な道です。

最終的に、makeshopを活用したECサイトのSEO成功は、「makeshopというプラットフォームの特性と機能を深く理解し、それを最大限に活用する知識」と、「キーワードリサーチ、高品質なコンテンツ作成、優れたユーザーエクスペリエンスの提供、技術的な健全性の維持といった、普遍的かつ本質的なSEO原則を適用するスキル」という二つの柱によって支えられます。makeshopは強力な土台と道具を提供してくれますが、その上でどのような戦略を描き、どのように実行していくかは、ショップ運営者自身の知恵と努力にかかっています。本レポートが、そのための確かな指針となることを願っています。


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