「あのプロジェクトの資料、どこに保存したっけ…」 「新しくチームに加わったメンバーに、過去の経緯を説明するのが大変…」
日々の業務で蓄積される社内ドキュメントは、企業の重要な「知識資産」です。しかし、その膨大な情報の中から必要なものを見つけ出す作業は、時に莫大な時間を費やします。
このシリーズ「日本語で学ぶOpenAI Academy」では、OpenAI公式の学習プラットフォーム「OpenAI for Business」コレクション(全13本)の内容を、日本語で徹底解説しています。
第10回のテーマは、「Connect internal knowledge from Google Drive(Google Driveからの社内知識連携)」。
ChatGPTとGoogle Driveを直接連携させることで、社内情報を瞬時に検索・要約し、プロジェクトのキャッチアップやレポート作成を劇的に効率化する方法をご紹介します。
今回のキーポイント:社内情報へのAIアクセス
今回の機能の核心は、ChatGPTが企業が利用するGoogle Drive内のプライベートなドキュメントに直接アクセスし、その情報を参照・分析できる点です。これにより、これまで人間が手作業で行っていたファイル検索や情報整理の多くの部分をAIに任せることが可能になります。
もちろん、この連携はアクセス権限とユーザー権限が厳密に管理され、遵守されるため、セキュリティ面も安心です。管理者がGoogle Driveのアクセス権限を制御することで、AIがどの情報にアクセスできるかを細かく設定できます。
本編:社内情報の探索と活用を加速する2つのステップ
動画では、「Project Pixus」という架空のプロジェクトを例に、ChatGPTがGoogle Drive内の社内ドキュメントを活用して情報を提供する様子が紹介されています。
ステップ1:自然言語で社内情報に問いかける
ユーザーはChatGPTに対し、Google Drive内のドキュメントを参照する必要がある質問を、自然な言葉で投げかけます。
動画の例: 「社内で進めている『Project Pixus』について、最新情報を教えて」
ChatGPTは、この問いを受け取ると、Google Driveコネクタを通じて関連する社内ドキュメント(企画書、議事録、進捗レポートなど)を自動的に検索し、分析を開始します。または、コネクタボタンを直接クリックして、参照元を指定することも可能です。
ステップ2:要約と引用元で素早く情報を把握
しばらくすると、ChatGPTはGoogle Drive内の複数のドキュメントから情報を統合し、質問に対する要約を提示します。
動画の例では、Project Pixusの「概要」「目標と価値提案」「ローンチ状況とタイムライン」といった項目について、簡潔で分かりやすいサマリーが瞬時に生成されました [00:59]。
ここで非常に重要なのが、生成された情報には必ず詳細な引用元が示される点です [01:14]。ユーザーは、示された引用元をクリックするだけで、Google Drive内の元のドキュメントを直接開き、情報の正確性を確認できます。これにより、AIが提供する情報の信頼性が担保され、安心してビジネスの意思決定に利用できます。
さらに、ユーザーはこれらの情報を基に、「既存のプロジェクトドキュメントに基づいて、主要な検討事項をまとめたプロジェクトアップデートを作成して」といった次のステップの指示を出すことも可能です。AIは瞬時に、引用元付きの包括的な製品アップデートを作成します [01:54]。
まとめ:社内知識が「生きる情報」に変わる
今回の「Google Drive連携」機能がもたらす最大の価値は、社内に散在していた知識を、必要な時に必要な形で瞬時に引き出せる「生きる情報」へと変えることです。
新しいプロジェクトにアサインされたメンバーは、過去の資料を何時間も探すことなく、AIに質問するだけでキャッチアップできるでしょう。マネージャーは、複数のドキュメントから情報を集約してレポートを作成する手間から解放されます。
ChatGPTが社内の知識ハブとなることで、組織全体の情報共有と業務効率は飛躍的に向上し、より迅速で質の高い意思決定が可能になります。
