「ChatGPTに楽天の商品名を作らせたけど、全然検索に引っかからない」「AIで生成した文章をそのまま貼ったら弾かれた」——こんな経験をした楽天出店者の方は少なくないはずです。
実は、ChatGPTで楽天の商品名を作る際には「正しい順番」があります。いきなり「商品名を作って」と指示するのではなく、まず楽天SEOのルールをAIに学習させてから使うのがポイントです。
本記事では、楽天市場の最新SEOルールをChatGPTに正しくインプットする方法から、スキルレベル別の活用法(初心者向けコピペ運用〜上級者向けAPI・GPTs構築)まで、実践的に解説します。
そもそもなぜ「いきなりChatGPTに聞く」ではダメなのか
ChatGPTに「楽天市場で売れる商品名を作ってください」と聞くと、それらしい文章は返ってきます。しかし、そのまま使っても楽天サーチで上位表示される可能性は低いです。理由は2つあります。
ひとつめは、ChatGPTが楽天固有のSEOルールを正確に知らないことです。楽天市場の検索アルゴリズムには、Googleとはまったく異なる独自のロジックがあります。2024年10月に楽天が公式発表した情報によれば、検索順位を決める評価軸は「商品情報の品質」「売上実績」「ユーザー行動指標」「ガイドライン遵守」の4つ。さらに2025年7月にはパーソナライズド検索も導入されています。こうした最新の楽天固有のルールは、ChatGPTの学習データには反映されていません。
ふたつめは、楽天市場ではAI生成テキストがそのまま登録しようとすると弾かれるケースがあることです。ChatGPTの出力をそのままRMSに貼り付けても、うまく登録できないことがあります。これを知らずにAI出力をそのまま使おうとして、「なぜかエラーになる」「登録できたのに検索に出ない」と悩んでいる方は多いです。
つまり、ChatGPTを楽天の商品名最適化に使うなら、「楽天のSEOルールをAIに教える」→「AIに商品名の叩き台を作らせる」→「人間が手を加えて仕上げる」という3ステップが必要です。
ステップ1:楽天SEOの最新ルールをChatGPTに学習させる
ChatGPTに楽天の商品名を作らせる前に、まず楽天SEOのルールを「教材」としてインプットします。これが最も重要なステップです。
教えるべき楽天SEOの基本ルール
ChatGPTに伝えるべき楽天のルールは、大きく5つあります。
1つめは商品名の文字数制限です。全角127文字(256バイト)が上限で、検索結果に表示されるのは先頭約30〜32文字。スマホでは25文字前後、RPP広告出稿時は[PR]が自動挿入されるため実質27文字が勝負ラインです。
2つめは商品名の基本体系です。ジャンルごとに推奨される構成が決まっています。たとえば食品なら「メーカー名+ブランド名+商品名称+仕様+内容量+数量」、ファッションなら「ブランド名+商品名称+対象性別+シーズン+仕様+色+サイズ」です。
3つめは検索対象項目です。楽天サーチの検索対象になるのは「商品名」「キャッチコピー(PC用・スマホ用)」「商品説明文」「商品属性情報」「ショップ名」の6項目。特に商品名とキャッチコピーの影響力が大きいとされています。
4つめはキーワード評価の仕組みです。楽天の検索アルゴリズムは「出現頻度」「希少性」「人気度」の3軸でキーワードを評価しています。また、語句の完全一致を高く評価する傾向があり、「加湿器 卓上 静音」と検索された場合、この語順に近い商品名の方が有利になります。
5つめはガイドラインで避けるべき要素です。「★」「◇」などの装飾記号、「送料無料」「ポイント10倍」などの販促文言は商品名に入れず、キャッチコピー欄に記載するのが推奨されています。無関係なキーワードの詰め込みはアルゴリズム上の評価が下がると楽天も明言しています。
実際のプロンプト例:楽天SEOルールのインプット
以下のプロンプトをChatGPTに送ることで、楽天のSEOルールを理解させた状態で商品名作成に入れます。
あなたは楽天市場の商品名SEOに精通したECコンサルタントです。
以下のルールを厳守して、今後の商品名作成に活かしてください。
【楽天市場の商品名ルール】
■ 文字数:全角127文字以内
■ 検索結果の表示:PC約32文字、スマホ約25文字、RPP出稿時は27文字
■ 先頭30文字以内に最重要キーワードを配置すること
■ 英数字・記号は半角を使用
■ キーワード間は半角スペースで区切る
【ジャンル別の基本体系】
・食品:メーカー名 ブランド名 商品名称 仕様 内容量 数量
・ファッション:ブランド名 商品名称 対象性別 シーズン 仕様 色 サイズ
・家電:メーカー名 商品名称 型番 仕様 色
【禁止事項】
・装飾記号(★◇♪■など)は使用しない
・販促文言(送料無料、ポイント○倍など)は商品名に入れない
→ これらはキャッチコピー欄に記載
・商品と無関係なキーワードを入れない
【検索アルゴリズムの特徴】
・語句の完全一致を高く評価する傾向あり
・キーワードの出現頻度、希少性、人気度の3軸で評価
・商品名の先頭(左側)にあるキーワードをより強く評価
・自然な文章ではなくキーワード羅列でもSEO上はOK
上記を理解しましたか?理解できたら「了解しました」とだけ返答してください。
次に商品情報をお伝えします。
このプロンプトを最初に送っておくことで、以降のやりとりで楽天のルールに沿った商品名が生成されやすくなります。
ステップ2:キーワードを収集してChatGPTに渡す
楽天SEOのルールをインプットしたら、次は商品名に入れるべきキーワードを集めます。
キーワード収集の3つの方法
まず楽天サーチのサジェストです。楽天市場の検索窓にメインキーワードを入力してスペースを押すと、ユーザーがよく検索する掛け合わせワードが表示されます。これを2〜3階層まで掘り下げて、10〜20個メモします。
次に競合商品の分析です。自分の商品のメインキーワードで楽天サーチを検索し、上位5〜10商品の商品名をコピーします。これらの商品名にどんなキーワードが共通して入っているかを把握します。
最後にラッコキーワードなどの外部ツールです。楽天サーチだけでは見つからない関連ワードを補完できます。Googleのサジェストも併用すると、楽天外からの流入キーワードも拾えます。
ChatGPTにキーワード整理を依頼するプロンプト例
以下は「ガトーショコラ ギフト」を楽天市場で販売する際に
収集したキーワードと、上位5商品の商品名です。
【サジェストから収集したキーワード】
ガトーショコラ ギフト、チョコレート 高級、詰め合わせ、
バレンタイン、お取り寄せ、おしゃれ、内祝い
【上位5商品の商品名】
(ここに実際の上位商品名をコピペ)
上記を分析して、以下を教えてください:
1. 上位商品に共通して入っているキーワード
2. 上位商品が入れていて、上記サジェストにないキーワード
3. 季節・用途・ターゲット別に分類した関連キーワード一覧
4. 表記ゆれ(チョコ/ショコラ/chocolate等)のリスト
ここでのコツは、「自分で集めたキーワード+競合の商品名」の両方をChatGPTに渡すことです。AIは「見落としているキーワード」を発見するのが得意なので、人間の収集作業を補完する使い方が最も効果的です。
ステップ3:商品名を生成する(ただしそのまま使わない)
ルールのインプットとキーワード収集が終わったら、商品名の生成を依頼します。
以下の情報で、楽天市場の商品名を3パターン作成してください。
【商品情報】
・商品:高級ガトーショコラ 6個入り
・ブランド名:○○洋菓子店
・特徴:無添加、常温保存可能、化粧箱入り
・ターゲット:30〜50代女性、ギフト用途
【使用キーワード(優先度順)】
最重要:ガトーショコラ チョコレート ギフト
重要:高級 お取り寄せ 内祝い 誕生日
補足:個包装 常温 スイーツ 洋菓子 おしゃれ
先頭30文字に最重要キーワードを入れ、
全角127文字以内で作成してください。
各パターンの文字数も明記してください。
ここで生成された商品名は、あくまで「叩き台」です。AI生成テキストは楽天市場にそのまま貼ると弾かれることがあるため、必ず自分の手で手直ししてから登録してください。
スキルレベル別:ChatGPT活用の実践パターン
ここからが、他のどの記事にも書かれていない実践情報です。楽天でChatGPTを活用する方法は、スキルレベルによって大きく3パターンに分かれます。
初心者向け:コピペ+手直し運用
もっともシンプルな方法です。上記のプロンプトでChatGPTに商品名の叩き台を作らせ、出力された文章をコピーして、自分の言葉で手直ししてからRMSに登録します。
「手直し」のポイントは、AI特有の表現パターンを崩すことです。ChatGPTはきれいに整った文を出しがちですが、楽天の商品名はキーワードの羅列が基本。むしろAIっぽい自然な文章を崩して、楽天のフォーマットに合わせることが大事です。
手直しの際に確認すべきチェックリストは以下の通りです。
・文字数が127文字以内に収まっているか(ChatGPTは数え間違えることがある) ・先頭30文字で商品が何かわかるか ・商品と無関係なキーワードが混ざっていないか ・表記ゆれ対応ができているか(全角/半角は楽天側で変換されるため重複不要) ・キャッチコピー欄に入れるべき販促文言が商品名に入っていないか
1商品あたり10〜15分程度で完了するので、商品数が少ない店舗はこの方法で十分です。
中級者向け:API連携で一括処理
商品数が数百〜数千点ある店舗は、ChatGPT APIを使ってCSVデータを一括処理する方法が効率的です。
具体的には、RMSから商品データをCSVでエクスポートし、Pythonなどのスクリプトを使ってChatGPT APIに1商品ずつ商品名の最適化案を生成させます。生成された商品名を確認・修正した上で、CSVで一括アップロードする流れです。
この方法のメリットは、数百商品の商品名を数時間で最適化できること。API経由なら1回のリクエストあたりの料金も数円程度なので、コストも抑えられます。
ただし、CSV一括更新は楽天の有料オプション(月額1万円)が必要です。また、API連携にはプログラミングの基礎知識が必要になるため、社内にエンジニアがいるか、外部に依頼できる体制が前提になります。
上級者向け:GPTsで自社専用ツールを構築
もっとも効率的な方法が、ChatGPTの「GPTs」機能を使って、自社専用の楽天商品名生成ツールを作ってしまうことです。
GPTsとは、ChatGPTに特定の役割やルールを事前に設定し、カスタムAIアシスタントとして保存できる機能です。ここに先ほどの楽天SEOルール、自社の商品ジャンル、過去に成果が出た商品名のパターンなどを組み込んでおけば、毎回プロンプトを入力しなくても、商品情報を入れるだけで最適化された商品名が生成されます。
GPTsを作る際に設定すべき内容は以下の通りです。
・楽天SEOの基本ルール(文字数、基本体系、禁止事項) ・自社の商品ジャンルに特化したキーワードリスト ・過去に検索上位を取れた商品名のパターン(成功事例) ・季節ごとのキーワード切り替えルール ・出力フォーマット(文字数表示、3パターン生成など)
一度GPTsを構築してしまえば、新商品の登録や季節ごとのキーワード入れ替えが格段にスピードアップします。スタッフに使い方を共有すれば、EC担当者なら誰でも一定品質の商品名を作れるようになるのも大きなメリットです。
季節ごとのメンテナンスを仕組み化する
楽天の商品名は、季節やイベントに合わせたキーワードの入れ替えが売上を左右します。年間の主要イベントごとに商品名に入れるべきキーワードは変わるため、あらかじめスケジュールを組んでおくのが理想です。
1〜2月はバレンタイン・受験応援、3月はホワイトデー・卒業祝い・引っ越し、4〜5月は母の日・新生活、6月は父の日・梅雨対策、7〜8月はお中元・夏ギフト、9〜10月はハロウィン・敬老の日、11〜12月はお歳暮・クリスマス・お正月準備——こうした季節ワードの切り替えを、ChatGPTやGPTsに「今月は母の日バージョンに切り替えて」と指示するだけで対応できるようにしておけば、運用の手間は大幅に減ります。
まとめ:AIは「叩き台」、仕上げは人間
楽天の商品名最適化にChatGPTを使うポイントを整理します。
まず楽天SEOの最新ルールをChatGPTに学習させてから使うこと。いきなり「商品名を作って」と聞いても、楽天のアルゴリズムに合った出力は得られません。
次に、AI生成テキストはそのまま楽天に登録すると弾かれることがあるため、必ず人間の手で手直しすること。これは初心者から上級者まで共通のルールです。
そしてスキルレベルに応じて活用法を変えること。初心者はコピペ+手直し、中級者はAPI連携で一括処理、上級者はGPTsで自社専用ツールを構築。自分の店舗規模とスキルに合った方法を選んでください。
楽天SEOの基本については、別記事「楽天SEO完全ガイド」でも詳しく解説しています。商品名だけでなく、キャッチコピーや商品説明文、画像最適化まで含めた総合的な対策を知りたい方は、あわせてご覧ください。
※うるチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴社のEC事業に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。 https://uruchikara.jp/contact/

齋藤 竹紘(さいとう・たけひろ)
株式会社オルセル 代表取締役 / 「うるチカラ」編集長
Experience|実務経験
2007年の株式会社オルセル創業から 17 年間で、EC・Web 領域の課題解決を
4,500 社以上 に提供。立ち上げから日本トップクラスのEC事業の売上向上に携わり、
“売る力” を磨いてきた現場型コンサルタント。
Expertise|専門性
技術評論社刊『今すぐ使えるかんたん Shopify ネットショップ作成入門』(共著、2022 年)ほか、
AI × EC の実践知を解説する書籍・講演多数。gihyo.jp
Authoritativeness|権威性
自社運営メディア
「うるチカラ」で AI 活用や EC 成長戦略を発信し、業界の最前線をリード。
運営会社は EC 総合ソリューション企業株式会社オルセル。
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