Amazonの最大商戦Prime Dayが、2026年は6月23日から26日の4日間で開催されます。米国の出品者の空気は昨年より明るい一方で、燃料費や広告費の上昇で利益率への警戒は続いています。日本のAmazon出品者にとっても、ただ値引きして売上を積む発想から、利益率を守りながらバッジを取る設計へと、考え方の転換が求められる局面です。この記事では海外の出品者の動きを起点に、日本の店舗が取るべき値引き設計を整理します。
何が起きているか:強気だが慎重な出品者たち
Modern Retailによると、Amazonは公式発表でPrime Day 2026を6月23日から26日に設定し、従来の2日間から拡大する形を2年連続で取りました。昨年は関税の不透明感が出品者の最大の不安でしたが、今年はコスト構造が読めるようになり、販促や在庫の計画が立てやすくなったと多くのブランドが話しています。
ただし楽観一色ではありません。燃料費・物流費・広告費の上昇は依然として利益率を圧迫しています。コンサルタントのAdam Wilkensは「昨年のような関税の不確実性はもうない」と語る一方、記事では、値付けが固まらないためあえてセールを見送る出品者や、Prime Dayの販促バッジを得るための最低限の値引きだけにとどめる出品者の存在も紹介されています。あるジュエリーブランドは、すでに好調な売れ筋は深い値引きをせず、年末商戦に向けて利益を温存する方針だと述べています。
数字の見立ても割れています。Amazon専門エージェンシーのPhil Masielloは、コスト上昇で価格が上がった結果、金額ベースでは4〜5%増を見込む一方、販売個数は減る可能性があると指摘しています。消費者側はやや前向きで、マーケティング企業Omnisendの調査では、今年Prime Dayで買い物すると答えた人は55%と、昨年の45%から上昇したとされています(調査会社の数値のため要確認)。
日本のAmazon出品者にとっての論点
ここで日本の出品者が押さえたいのは、Prime Dayの勝ち方が「いかに安くするか」から「いかに利益を残しながら露出を取るか」へ移っているという点です。日本のPrime Dayの開催時期や日数は米国と異なる場合があるため要確認ですが、利益率を守る設計思想はそのまま日本にも当てはまります。
第一に、商品ごとに値引きの強弱を変えることです。海外の事例が示すように、すでに売れている主力は値引きを浅くし、在庫を減らしたい商品や新規露出を狙う商品に値引き原資を集中させる方が、全体の利益率は守れます。一律値引きは利益を最も削る打ち手です。
第二に、FBA手数料や広告費を織り込んだ実質利益で値付けを判断することです。Amazonは手数料や広告・入金まわりのルール変更を進めており、表面の値引き率ではなく、手数料控除後にいくら残るかで可否を決める必要があります。日本でも2026年のFBA手数料改定が話題になっており、原価計算の前提を最新化しておくことが欠かせません。
第三に、商戦の前倒しに合わせた在庫と販促の段取りです。米国ではWalmartが6月22〜28日、Targetが6月23〜26日と足並みをそろえ、商戦カレンダー全体が前倒しになっています。日本でも楽天のスーパーSALEやお買い物マラソンとの時期の重なりを見ながら、納品リードタイムを逆算して在庫を厚めに置くことが、機会損失を防ぐ鍵になります。
まとめ
Prime Day 2026は、売上の最大化から利益率の最適化へと出品者の重心が移る商戦になりそうです。日本のEC事業者は、主力商品の値引きを抑え、手数料控除後の実質利益で判断し、前倒しの商戦カレンダーに在庫を合わせる、という三点を起点に準備を進めることをおすすめします。
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引用元: Modern Retail
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。