Google Vidsに自撮り1枚で動画出演できるAIアバターが加わりました。
Googleは2026年7月16日(現地時間)、動画作成ツールGoogle Vidsの大型アップデートを発表しました。追加されたのは、マルチモーダルAIモデル「Gemini Omni」の統合と、本人の見た目と声を再現する「パーソナルアバター」の2つです。カメラの前に立たなくても、自撮り写真1枚と短い音声録音をアップロードするだけで、自分そっくりのアバターに動画内で話させることができます。本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援を2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。
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何が起きたか:Gemini Omni統合とパーソナルアバターの2本立て
結論から言うと、Google Vidsは「プレゼン資料の補助ツール」から「動画制作の統合プラットフォーム」へ一段進化しました。Google Workspace公式ブログによると、今回のアップデートは2本立てです。
1つ目はGemini Omniの統合です。テキストプロンプトに写真やラフスケッチなどの参照画像を組み合わせると、Omniが入力を混ぜ合わせて意図に沿った動画を生成します。生成後の編集もチャット形式で、「背景を差し替えて」「照明を直して」と日常の言葉で指示するだけです。スマートフォンで撮影したクリップにも適用でき、ステップバイステップ編集に対応しているため、修正のたびに最初から作り直す必要がありません。
2つ目がパーソナルアバターです。セルフィー1枚と短い音声録音をアップロードすると、自分の見た目と声を再現したデジタルアバターが作成され、話させたい原稿をテキストで入力するだけでアバターがメッセージを話します。アバターはGoogleアカウントに紐づき、利用できるのはアカウント本人の容姿に限定されます。提供対象は18歳以上かつ一部地域のユーザーに限られており、日本での提供時期は発表文に明記がありません(要確認)。
透明性の担保として、生成されたすべてのクリップには不可視の電子透かしSynthIDが埋め込まれ、AI生成動画であることを後から検証できます。Googleによれば、過去1年間にVids上で数百万本の動画が作成され、2026年2月には動画生成モデルVeo 3.1が全ユーザーに展開済みです。今回の新機能はGoogle AI ProおよびUltra加入者と、Google Workspaceのビジネス顧客が利用できます。
日本のEC事業者にとっての論点:動画内製の人手問題が変わる
結論として、このアップデートは「動画を作りたいが撮影する人がいない」というEC現場の慢性課題に直接効く内容です。TechCrunchは、パーソナルアバターと会話型編集の追加により、VidsがHeyGenやSynthesia、Captions、D-IDといったAI動画ツールとより近い競合関係に入ると指摘しています。
日本のEC事業者にとっての論点は3つあります。第一に、動画制作の人手不足解消です。店長やスタッフが毎回カメラの前に立たなくても、入荷案内、セール告知、使い方説明といった定型動画を原稿のテキスト入力だけで量産できます。楽天市場の商品ページやSNS投稿用の説明動画など、これまで撮影リソース不足で見送っていた施策の再開が現実的になります。
第二に、コスト構造です。すでにGoogle Workspaceを契約している事業者であれば、専用ツールを新規契約せずに試せる可能性があります(自社プランが対象かは要確認)。HeyGenなどの専用アバターツールを月額契約している場合は、コストと日本語ナレーションの品質を比較する判断材料が増えました。API経由での商品動画自動生成についてはGemini Omni Flash APIの商品動画活用で、スマートフォン素材からのショート動画自動生成はReelfulの解説記事で詳しく扱っています。
第三に、信頼性と規約面です。SynthID透かしによりAI生成であることが検証可能な設計で、アバターが本人の容姿に限定される点は、なりすまし利用を構造的に防ぎます。一方で、AIアバター動画を商品ページや広告に使う場合、実演や効果を誤認させる演出は景品表示法上のリスクになり得るため、人が出演する動画と同じ基準での表現チェックが必要です。
今後の展望と初動アクション
今後の構図として、動画生成AIは単発のツールからオフィススイートの標準機能へ移行しつつあります。TechCrunchが触れている通りOpenAIのSoraが終了した後も、GoogleはWorkspaceという業務基盤経由で「自分が出演するAI動画」の需要を取りに来ており、業務ツールに溶け込んだ形での普及が進むと見られます。生成AIによる動画活用の全体像はGemini OmniのEC動画活用も参考にしてください。
EC事業者の初動は4つです。まず、自社で契約中のGoogleプラン(Workspaceビジネス、Google AI Pro、Ultra)でVidsの新機能が使えるかを確認します。次に、パーソナルアバターの日本提供状況を確認したうえで、利用可能になったら責任者のセルフィーと音声録音を用意し、入荷案内など定型動画のテンプレート化から試します。3つ目に、既存のAI動画ツールを有料契約している場合は、月額コストと日本語品質を比較して乗り換えの要否を判断します。最後に、出店先モールや広告媒体でのAI生成人物の扱いを確認し、AI生成である旨の開示ポリシーを社内で決めておくと安全です。
まとめ
Google VidsはGemini Omni統合とパーソナルアバターの2機能で、動画内製のハードルを大きく下げました。日本でのアバター提供範囲は要確認ですが、Workspaceを使うEC事業者にとって、追加契約なしで試せる可能性のある動画制作手段が増えたことは確かです。撮影リソース不足で動画施策を見送ってきた店舗ほど、恩恵の大きいアップデートといえます。
参考文献
- Google Workspace公式ブログ「Create, edit and star in videos with two Google Vids updates」
- TechCrunch「Google Vids now lets you star in your own AI videos」
- Google Vids 公式製品ページ(Google Workspace)
※うるチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴社のEC事業に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。
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【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。