2021年にOpenAIの元メンバーによって設立されたAnthropic。同社が開発するAIアシスタント「Claude」は、2025年に劇的な進化を遂げました。
Claude 4シリーズの投入、Claude Codeの爆発的成長、MicrosoftとNvidiaからの150億ドル投資、そして時価総額3500億ドルへの急騰。2025年は、AnthropicとClaudeにとってまさに「飛躍の年」となりました。
本記事では、2025年1月から12月までのClaude関連ニュースを月別に完全網羅し、独自の視点で解説します。ChatGPTやGeminiと激しく競合する中、Claudeがどのようにして「コーディング最強」「エンタープライズシェア40%超」という地位を確立したのか、その軌跡を振り返ります。
2025年12月のアップデート
Model Context Protocolをオープンソース財団に寄贈
12月9日、AnthropicはModel Context Protocol(MCP)をLinux Foundationの新設組織「Agentic AI Foundation(AAIF)」に寄贈することを発表しました。AAIFはAnthropic、Block、OpenAIが共同設立し、Google、Microsoft、AWS、Cloudflare、Bloombergも支援しています。
MCPは、AIアプリケーションを外部システムに接続するためのユニバーサルなオープン標準です。初年度で1万以上のアクティブな公開サーバーが稼働し、ChatGPT、Cursor、Gemini、Microsoft Copilot、Visual Studio Codeなどの主要プラットフォームに統合されました。
AAIFは、エージェント型AIが透明性、協調性、公共の利益に沿って進化することを目指しています。
Accentureとの大規模パートナーシップ拡大
12月9日、AnthropicとAccentureは数年にわたる戦略的協力関係の大幅な拡大を発表しました。新設された「Accenture Anthropic Business Group」により、AnthropicはAccentureの選ばれた戦略的パートナーの一社となります。
約3万人のAccenture専門家がClaudeのトレーニングを受け、世界最大級のClaude実践者エコシステムを形成します。このパートナーシップの最初の製品は、CIOを対象としたもので、エンジニアリング組織全体での大規模AI導入を促進します。
CEOダリオ・アモデイは「この新しいパートナーシップにより、数万人のAccenture開発者がClaude Codeを使用することになり、これは我々の史上最大の展開となります」と述べました。Menlo Venturesのレポートによると、Anthropicはエンタープライズ市場シェア40%、コーディング分野では54%を占め、2025年夏の32%から大幅に上昇しています。
Snowflakeとの2億ドルパートナーシップ
12月3日、AnthropicとSnowflakeは2億ドル規模の複数年にわたる戦略的パートナーシップを発表しました。このパートナーシップにより、Claudeモデルが12,600社以上のSnowflake顧客に、Amazon Bedrock、Google Cloud Vertex AI、Microsoft Azureを通じて提供されます。
Claude Sonnet 4.5は、自然言語でのエンタープライズデータクエリ向けのSnowflake Intelligenceを動かし、Snowflakeの内部ベンチマークによると複雑なtext-to-SQLタスクで90%以上の精度を達成しています。
Bun買収とClaude Code収益10億ドル突破
12月3日、AnthropicはJavaScriptランタイム「Bun」を買収したことを発表しました。同時に、Claude Codeが2025年5月の一般公開からわずか6ヶ月で年間ランレート収益10億ドルに到達したことも明らかになりました。
Bunは2021年にJarred Sumnerによって設立され、月間700万以上のダウンロードとGitHubで82,000スターを獲得しています。ランタイム、パッケージマネージャー、バンドラー、テストランナーを一体化したオールインワンツールキットです。買収後もオープンソースでMITライセンスを維持します。
CPOのマイク・クリーガーは「この買収により、その勢いを複利的に伸ばし、AI採用の指数関数的成長に追いつくためのインフラを構築できる」と述べました。Claude Codeのエンタープライズ顧客には、Netflix、Spotify、KPMG、L’Oreal、Salesforceなどが含まれています。
非営利団体向けClaudeプログラム開始
12月2日、AnthropicはGivingTuesdayとのパートナーシップにより「Claude for Nonprofits」をローンチしました。ミッション駆動型組織向けにTeamおよびEnterpriseプランを最大75%割引で提供します。
Claude Sonnet 4.5とHaiku 4.5へのアクセスが含まれ、Enterpriseチームはリクエストに応じてOpus 4.5も利用可能です。Anthropic Academyを通じた「AI Fluency for Nonprofits」コースや、助成金申請・インパクトレポート作成のためのステップバイステップガイドなど、無料の教育リソースも提供されます。
2025年11月のアップデート
Claude Opus 4.5リリース──最新フラッグシップモデル
11月24日、Anthropicは最新のフラッグシップモデル「Claude Opus 4.5」を発表しました。9月のSonnet 4.5、10月のHaiku 4.5に続く、4.5シリーズの最後のモデルです。
Opus 4.5は、コーディングベンチマーク(SWE-BenchとTerminal-bench)、ツール使用(tau2-benchとMCP Atlas)、一般的な問題解決(ARC-AGI 2、GPQA Diamond)など、幅広いベンチマークで最先端のパフォーマンスを発揮します。
特筆すべきは、SWE-Bench verifiedで初めて80%を超えるスコアを記録したモデルとなったことです。Anthropicは、Opusのコンピュータ使用とスプレッドシート機能を強調し、Claude for ChromeとClaude for Excel製品を正式に一般公開しました。
製品管理責任者のダイアン・ナ・ペンは「Opus 4.5では、トレーニングにおける一般的な長文コンテキスト品質の改善を行いましたが、コンテキストウィンドウだけでは十分ではありません」と述べました。また、有料ユーザー向けに長らく要望されていた「エンドレスチャット」機能も導入されました。
MicrosoftとNvidiaから150億ドル投資──時価総額3500億ドルに
11月18日、Microsoft、Nvidia、Anthropicが新たな戦略的パートナーシップを発表しました。Nvidiaが最大100億ドル、Microsoftが最大50億ドルをAnthropicに投資します。
この投資により、Anthropicの時価総額は9月の1830億ドルから約3500億ドルへと急騰しました。世界で3番目に価値の高い非公開企業となっています。
パートナーシップの一環として、AnthropicはMicrosoft Azureから300億ドル相当のコンピューティング容量を購入することを約束しました。また、NvidiaのGrace BlackwellおよびVera Rubinシステムで最大1ギガワットのコンピューティング容量を確保します。
Nvidia CEOジェンスン・フアンは「これは我々にとって夢が叶った瞬間です。Anthropicとダリオの仕事を長い間賞賛してきましたが、これが初めて深くパートナーシップを結ぶ機会となります」と述べました。
ルワンダ政府およびALXとのパートナーシップ
11月18日、Anthropicはルワンダ政府およびALXとのパートナーシップを発表し、アフリカ全土で数十万人の学習者にAI教育を提供することを発表しました。
Series F資金調達で1830億ドル評価
11月上旬までに、Anthropicは130億ドルのSeries F資金調達を完了し、評価額は1830億ドルに達しました。収益は10億ドルから50億ドル以上へと8ヶ月で5倍に成長しています。
2025年10月のアップデート
Claude Haiku 4.5リリース──コスト効率と速度の新基準
10月15日、Anthropicは「Claude Haiku 4.5」をリリースしました。小型で高速なモデルとして、低レイテンシーとコスト効率に最適化されています。
価格は入力100万トークンあたり1ドル、出力100万トークンあたり5ドルで、リアルタイムアシスタント、カスタマーサポート、並列サブエージェント作業に適しています。
AnthropicはHaiku 4.5がClaude Sonnet 4と同等のコーディング性能を発揮し、一部のコンピュータ使用タスクではSonnet 4を上回ると述べています。SWE-bench Verifiedで73.3%のスコアを記録しました。
「5ヶ月前、Claude Sonnet 4は最先端モデルでした。今日、Claude Haiku 4.5は同様のコーディング性能を、3分の1のコストと2倍以上の速度で提供します」とAnthropicは発表しました。
Haiku 4.5は、自動アライメント評価において、Claude Sonnet 4.5およびClaude Opus 4.1よりも統計的に有意に低いミスアライメント行動率を示し、「最も安全なモデル」となりました。
Claude Codeがウェブとモバイルに拡大
10月末、AnthropicはClaude Codeをウェブとモバイルプラットフォームに拡張しました。以前はデスクトップアクセスに限定されていましたが、開発者はブラウザやモバイルデバイスから直接コーディングタスクを実行・管理できるようになりました。
ウェブ版では並列ジョブ実行が導入され、複数のプロセスを同時に実行できるようになりました。これにより、コードのテスト、大規模プロジェクトのリファクタリング、複数スクリプトのデバッグが環境を切り替えることなく容易になります。
2025年9月のアップデート
Claude Sonnet 4.5リリース──「世界最高のコーディングモデル」
9月29日、Anthropicは「Claude Sonnet 4.5」を発表しました。「世界最高のコーディングモデル」「エージェントに最適なモデル」として位置づけられています。
価格は入力100万トークンあたり3ドル、出力100万トークンあたり15ドルで据え置きです。SWE-bench Verifiedでは、200K構成でテスト時コンピューティングなしで77.2%、高コンピューティング設定で82.0%のスコアを記録しました。
Sonnet 4.5は、新しいコンテキスト管理APIを導入しました。Memory Tool(ベータ)により、Claudeはアクティブなチャットウィンドウの外に情報を保存・呼び出すことができ、事実上の永続的な「メモ帳」またはナレッジベースを持つことができます。
同時にClaude Code 2.0も発表され、チェックポイント機能、IDE拡張機能、並列エージェント、自動化フックなど、AI支援コーディングをより速く、安全で、柔軟にする主要なワークフロー機能が追加されました。
MicrosoftがCopilotにClaudeモデルを統合
9月、MicrosoftはMicrosoft 365 CopilotにAnthropicのClaude Sonnet 4とClaude Opus 4.1をOpenAIモデルと並んで統合することを発表しました。これらのモデルは複雑なリサーチのためのResearcherエージェントを動かし、Copilot Studioでカスタムエージェントを構築するために利用可能です。
ユーザーはモデル間を簡単に切り替えることができます。この拡張は、AI駆動のワークフローとビジネスプロセスを強化することを目的としています。
2025年8月のアップデート
Claude Opus 4.1リリース──エージェント型タスクに特化
8月5日、Anthropicは「Claude Opus 4.1」をリリースしました。エージェント型タスク、実世界のコーディング、推論に焦点を当てたOpus 4のアップグレードとして説明されています。
有料のClaudeユーザーとClaude Code、およびAPI、Amazon Bedrock、Google Cloud Vertex AIを通じて利用可能になりました。価格はOpus 4と同じまま維持されています。
AnthropicはOpus 4.1がSWE-bench Verifiedでコーディングスコアを74.5%に向上させ、このベンチマークは拡張思考なしで実行されたと報告しました。200,000トークンのコンテキストウィンドウと、標準応答または必要に応じた長時間思考を可能にするハイブリッド推論をサポートしています。
GitHub CopilotはOpus 4.1をパブリックプレビューで追加し、後にVisual Studio、JetBrains IDE、Xcode、Eclipseにも展開されました。
8月にはAnthropicがOpus 4および4.1に、複数回の拒否後に「持続的に有害または虐待的な」会話を最後の手段として終了する機能を有効にしたことも発表されました。
Claude Code収益が5.5倍に急増
8月、AnthropicはClaude Codeの収益が5月のClaude 4ローンチ以来5.5倍に増加したと報告しました。エンタープライズ採用が大幅に拡大し、開発者コミュニティでの人気が急上昇しています。
Claude for Chromeのパイロット開始
8月、AnthropicはGoogle Chrome拡張機能「Claude for Chrome」をリリースしました。AIエージェントがブラウザを直接制御することを可能にします。パイロットには1,000人の信頼できるユーザーが参加し、特にプロンプトインジェクション攻撃などの安全性リスクに対処しています。
新しい防御策により攻撃成功率は低下しましたが、さらなる改善が必要です。ユーザーは権限を制御し、リスクのあるアクションを確認します。
2025年7月のアップデート
米国国防総省との2億ドル契約
7月、米国国防総省はAnthropicがGoogle、OpenAI、xAIとともに軍事AI向けに2億ドルの契約を受けたことを発表しました。
AI政策に関するホワイトハウスへの対応
7月23日、AnthropicはホワイトハウスのAI Action Planへの対応を公開しました。インフラと安全対策を支持しながら、アメリカのAIリーダーシップを維持するためのより強力な輸出規制と透明性要件を求めています。
2025年6月のアップデート
Claude Gov発表──米国国家安全保障機関向け
6月、Anthropicは「Claude Gov」モデルを発表しました。Ars Technicaの報道によると、6月時点で複数の米国国家安全保障機関で使用されています。
著作権訴訟で勝訴
6月23日、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は、デジタル作品の使用に関する著作権訴訟でAnthropicに有利な略式判決を下しました。
Windsurf APIアクセス制限
6月3日、AnthropicはWindsurf(OpenAIに買収されたと報じられるAI支援コーディングスタートアップ)への直接APIアクセスを5日未満の通知で遮断すると発表しました。Claude 3.x モデル(Claude 3.5 SonnetおよびClaude 3.7 Sonnetを含む)へのアクセスが制限されました。
この動きはClaude Codeの人気急上昇の一因となりました。
2025年5月のアップデート
Claude 4(Opus 4とSonnet 4)発表──「Code with Claude」開発者カンファレンス
5月22日、Anthropicは初の開発者カンファレンス「Code with Claude」をサンフランシスコのThe Midwayで開催しました。ここで、次世代モデル「Claude Opus 4」と「Claude Sonnet 4」が発表されました。
CEOダリオ・アモデイは「ハイプするタイプではない」と前置きしながらも、「まさにこの瞬間」にClaude 4 OpusとClaude 4 Sonnetをリリースすると発表しました。
Claude Opus 4は「世界最高のコーディングモデル」として、SWE-bench(72.5%)とTerminal-bench(43.2%)でトップスコアを記録。複雑で長時間実行されるタスクとエージェントワークフローで持続的なパフォーマンスを発揮し、数時間にわたって連続作業が可能です。
Claude Sonnet 4はClaude Sonnet 3.7からの大幅なアップグレードで、同じ価格でより優れたコーディングと推論能力を提供します。
同時に発表された新機能:
- Extended thinking with tool use(ベータ):両モデルが拡張思考中にウェブ検索などのツールを使用可能
- 並列ツール使用:両モデルがツールを並列で使用可能
- 改善されたメモリ機能:ローカルファイルアクセスを許可された開発者向けに、重要な事実を抽出・保存
Claude Code一般公開
5月22日、Claude Codeが正式に一般公開されました。リサーチプレビュー期間中の広範なポジティブなフィードバックを受けてのことです。
GitHub Actionsによるバックグラウンドタスクと、VS CodeおよびJetBrainsとのネイティブ統合をサポートし、編集内容をファイルに直接表示してシームレスなペアプログラミングを実現します。
新しいAPI機能
5月に4つの新しいAPI機能が発表されました:
- コード実行ツール
- MCPコネクター
- Files API
- 最大1時間のプロンプトキャッシュ機能
ウェブ検索API開始
5月、Anthropicは Claudeがインターネットからリアルタイム情報にアクセスできるウェブ検索APIをローンチしました。
アジアでデータレジデンシープログラム拡大
2月のヨーロッパでの導入に続き、5月にインド、日本、シンガポール、韓国を含むアジア諸国でデータレジデンシープログラムをローンチしました。ChatGPT Enterprise、ChatGPT Edu、APIのユーザーが利用可能です。
2025年4月のアップデート
Google Cloud Next 2025に出展
4月7日、AnthropicはラスベガスのMandalay Bay Conference Centerで開催されたGoogle Cloud Next 2025に出展しました。エンタープライズ向けのClaudeソリューションを紹介しました。
AWS Summit London参加
4月30日、ロンドンのExcel Londonで開催されたAWS Summit Londonに参加しました。
2025年3月のアップデート
35億ドルのSeries E資金調達──評価額615億ドルに
3月、AnthropicはLightspeed Venture Partnersが主導するSeries E資金調達ラウンドで35億ドルを調達し、事後評価額は615億ドルに達しました。
Googleからの追加10億ドル投資
3月、GoogleはAnthropicに追加で10億ドルを投資することに合意しました。2023年10月の5億ドル(さらに15億ドルをコミット)に続く大型投資です。
Databricksとの統合発表
3月、DatabricksとAnthropicはClaudeがDatabricks Data Intelligence Platformに統合されることを発表しました。
ウェブ検索機能開始
3月、Anthropicは米国の有料ユーザー向けにClaudeにウェブ検索機能を追加しました。リアルタイムの情報アクセスが可能になりました。
多言語LLMの研究発表
3月、Anthropicの研究により、多言語LLMが情報を適切な言語に変換する前に概念空間で部分的に処理することが示唆されました。また、LLMが時に先を計画できることも発見されました。例えば、詩を書く際、Claudeは韻を踏む可能性のある単語を特定してから、それらの単語の1つで終わる行を生成します。
2025年2月のアップデート
Claude 3.7 Sonnetリリース──ハイブリッド推論モデルの先駆け
2月24日、Anthropicは「Claude 3.7 Sonnet」をリリースしました。ユーザーが迅速な応答とより思慮深いステップバイステップの推論を選択できる先駆的なハイブリッドAI推論モデルです。
このモデルは両方の機能を単一のフレームワークに統合し、複数のモデルの必要性を排除します。ユーザーはモデルが質問について「考える」時間を制御し、ニーズに基づいて速度と精度のバランスを取ることができます。
Anthropic API、Amazon Bedrock、Google CloudのVertex AIを通じて利用可能で、入力100万トークンあたり3ドルからの価格設定です。
同時に、開発者がターミナルから直接コーディングタスクを委任できるエージェント型コマンドラインツール「Claude Code」のリサーチプレビューもローンチされました。
プライバシーポリシーの更新
2月19日、Anthropicはプライバシーポリシーの更新を発表しました。消費者向け規約とプライバシーポリシーの変更が含まれ、ユーザーにデータをClaudeの改善に使用することを許可するかどうかの選択肢が与えられました。
Free、Pro、Maxプランのユーザーは、10月8日までに選択を行う必要がありました。
2025年1月のアップデート
Claude 2、Claude 2.1、Claude Sonnet 3モデルの廃止通知
1月21日、Anthropicは Claude 2、Claude 2.1、Claude Sonnet 3モデルの廃止を開発者に通知しました。
月間アクティブユーザー1890万人
2025年初頭時点で、Claude AIは世界で1890万人の月間アクティブユーザーを抱えていました。モバイルアプリは290万人の月間アクティブユーザーを記録しています。
1月にはApp StoreとGoogle Playで769,600回ダウンロードされました。
Anthropicの企業情報とClaudeの進化
Anthropicとは
Anthropicは2021年にOpenAIの元メンバーによって設立されたAI研究企業です。創業者には、CEOのダリオ・アモデイと社長のダニエラ・アモデイ兄妹が含まれています。
同社は「Constitutional AI」(憲法AI)というアプローチを開発しました。国連人権宣言などのソースから引き出されたAI倫理ルールの内部「憲法」を使用して、より安全でバイアスの少ない回答に向けて自己改善します。
Claudeの名前の由来
「Claude」という名前は、数学者クロード・シャノンへのオマージュとして選ばれました。また、Alexa、Siri、Cortanaなどのフェミニンな名前のAIアシスタントと対比するための男性名としても選ばれています。
Claudeのバージョン履歴
- 2023年3月:Claude 1.0ローンチ
- 2023年7月:Claude 2.0リリース
- 2023年11月:Claude 2.1リリース(200Kトークンコンテキスト、ハルシネーション約2倍削減)
- 2024年3月:Claude 3ファミリー(Haiku、Sonnet、Opus)発表、マルチモーダル対応
- 2024年6月:Claude 3.5 Sonnetリリース、Artifacts機能導入
- 2024年10月:コンピュータ使用機能のパブリックベータ
- 2025年2月:Claude 3.7 Sonnet(ハイブリッド推論)
- 2025年5月:Claude 4(Opus 4、Sonnet 4)
- 2025年8月:Claude Opus 4.1
- 2025年9月:Claude Sonnet 4.5
- 2025年10月:Claude Haiku 4.5
- 2025年11月:Claude Opus 4.5
主要投資家と資金調達
- Amazon:総額80億ドル投資(2023年9月に12.5億ドル、2024年3月に27.5億ドル、2024年11月に40億ドル)
- Google:総額20億ドル投資
- Microsoft:最大50億ドル投資(2025年11月発表)
- Nvidia:最大100億ドル投資(2025年11月発表)
- Menlo Ventures:7.5億ドル
主要パートナーシップ
Anthropicは主要クラウドプロバイダーすべてと提携しています:
- Amazon Web Services(プライマリクラウドプロバイダーおよびトレーニングパートナー)
- Google Cloud Vertex AI
- Microsoft Azure
Claudeは「3つの主要クラウドサービスすべてで利用可能な唯一のフロンティアモデル」となっています。
エンタープライズ顧客
Anthropicは30万社以上のビジネスおよびエンタープライズ顧客を抱えています。Claude Codeの主要顧客にはNetflix、Spotify、KPMG、L’Oreal、Salesforce、Figma、Ramp、Intercom、StubHubなどが含まれています。
Claude FAQ
Claudeとは何ですか?
Claudeは、Anthropicが開発した大規模言語モデル(LLM)シリーズです。テキスト生成、コード作成、文書要約、質問への回答など幅広いタスクを支援するAIアシスタントとして設計されています。「Constitutional AI」アプローチにより、有害な出力を最小化しながら有用な支援を提供することを目指しています。
Claudeはいつリリースされましたか?
2023年3月14日にClaude 1.0が初めてリリースされました。
Claudeの最新バージョンは何ですか?
2025年11月24日にリリースされたClaude Opus 4.5が最新のフラッグシップモデルです。4.5シリーズには他にClaude Sonnet 4.5(2025年9月)とClaude Haiku 4.5(2025年10月)が含まれています。
Claudeは無料で使用できますか?
はい、Claude.aiで無料版を利用できます。Pro(月額20ドル)、Max(月額100ドルまたは200ドル)、Team、Enterpriseなどの有料プランもあります。
ChatGPTとClaudeの違いは何ですか?
両者はいずれも大規模言語モデルを搭載したAIアシスタントですが、いくつかの違いがあります:
- 開発元:ClaudeはAnthropic、ChatGPTはOpenAI
- 安全性アプローチ:ClaudeはConstitutional AI、ChatGPTはRLHF(人間からのフィードバックによる強化学習)
- コンテキストウィンドウ:Claudeは最大200Kトークン(一部で100万トークンまで実験)
- 強み:Claudeは2025年時点でコーディングベンチマークでトップ、長文処理に強み
Claudeのコンテキストウィンドウはどれくらいですか?
Claude 4.5モデルはすべて200,000トークンのコンテキストウィンドウをサポートしています。これは約15万語に相当し、長大な文書の処理が可能です。
Claude Codeとは何ですか?
Claude Codeは、Anthropicが開発したエージェント型コーディングツールです。2025年2月にリサーチプレビューとして開始され、5月に一般公開されました。ターミナル、VS Code、JetBrainsから利用でき、コードベース全体を理解し、複雑なコーディングタスクを自律的に完了できます。
Claudeを使用している企業は?
多くの企業がClaudeを活用しています:
- テック企業:GitHub Copilot、Cursor、Figma、Spotify、Netflix
- 金融:Thoma Bravo、KKR
- コンサルティング:Accenture、KPMG
- その他:L’Oreal、Salesforce、StubHub
Claudeのデータプライバシーはどうなっていますか?
Anthropicは、ユーザーが明示的に許可しない限り、ユーザー送信データで生成モデルをトレーニングしません。企業ユーザーはCommercial Termsの下で追加の保護を受けます。Free、Pro、Maxプランのユーザーは、データをモデル改善に使用することを許可するかどうかを選択できます。
Claudeの価格は?
APIの価格(100万トークンあたり):
- Claude Opus 4.5:入力5ドル / 出力25ドル
- Claude Sonnet 4.5:入力3ドル / 出力15ドル
- Claude Haiku 4.5:入力1ドル / 出力5ドル
消費者向けプラン:
- Free:無料
- Pro:月額20ドル
- Max:月額100ドルまたは200ドル
Model Context Protocol(MCP)とは何ですか?
MCPは、AIアプリケーションを外部システムに接続するためのオープン標準プロトコルです。Anthropicが開発し、2025年12月にLinux FoundationのAgentic AI Foundationに寄贈されました。ChatGPT、Gemini、Cursor、VS Codeなど主要なプラットフォームで採用されています。
