創業者がSNSの顔になる時代|EC集客を変える3つの実践ポイント

創業者が自らSNSで発信する「創業者クリエイター」化が、EC集客の新しい成長戦略になっています。日本の中小EC事業者向けに、楽天・Amazonの規約や撮影の仕組み化、データ検証まで、集客を変える3つの実践ポイントを解説します。

投稿日: カテゴリー AIニュース

創業者が自らSNSで発信する動きが、EC集客の新しい成長戦略になっています。

本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援を2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。米国のModern Retailが2026年7月22日に報じたところによると、創業者本人がショート動画やSNS投稿の「顔」になる動きが広がり、これがD2Cブランドの主要な成長戦略になっています。オリーブオイルブランドの創業者が商品知識を語る動画で急成長した事例など、日本のEC事業者にも示唆の多い潮流です。

何が起きたか:創業者が「クリエイター」になる流れ

結論から言えば、いま海外のD2Cブランドでは、創業者自身がSNS発信の主役になる「創業者クリエイター」化が進んでいます。背景には、ショート動画の費用対効果の高さと、卸・小売の取引先が「創業者の強いSNS発信力」を実質的な条件とみなし始めた事情があります。

デジタルマーケティング企業Constant Contactが5,000人以上を対象に行った調査では、中小企業経営者の約4分の3が「クリエイター」としての役割を担い始め、47%が自社のSNS運用を自ら手がけていると報告されています(いずれも米国の調査)。さらにHubSpotの2026 State of Marketing Reportでは、ブランド担当者の約半数が「ショート動画はあらゆるビジュアル形式の中で最上位の費用対効果を持つ」と回答しました。

具体例も豊富です。オリーブオイルブランドのKostarinaを率いる創業者は、「本物と偽物の見分け方」といった専門的な解説動画で成長を実感し、毎週月曜午前を撮影日に固定して運用しています。女性向けアウトドアアパレルのSeniqは2024年の立ち上げ以来、共同創業者2人がブランドアカウントで発信を続け、いまではDick’s Sporting Goodsなどの卸口座を持つまでに拡大しました。元大手美容チェーン幹部が立ち上げたNick Stenson Beautyの創業者は、当初は商品中心だった発信を、日常や闘病の告白まで広げたことでファンとの結びつきを強めています。

日本のEC事業者にとっての論点

日本の楽天市場・Amazon・Shopify・Yahoo!ショッピングを運営する事業者にとっても、この流れは他人事ではありません。InstagramのリールやTikTok、YouTubeショートで「社長・店長が顔を出して商品を語る」発信は、指名検索(ブランド名検索)とファン化を同時に進める有効な打ち手だからです。

注目したいのは、記事に登場するSeniqが、SNSのどの投稿が売上につながったかをECインテリジェンスツールのTriple Whaleで検証していた点です。日本でも、GA4や各モールのアクセス分析、Instagramのインサイトを使えば、「どの動画が商品ページ流入・購入につながったか」を数値で追えます。感覚ではなくデータで勝ちパターンを見極める姿勢は、そのまま持ち込める考え方です。

一方で、日本のモール運営には固有の注意点があります。楽天市場の店舗ページや楽天R-Mailの本文に、自社サイトや外部SNSのURLを載せるのは規約違反です。逆に、InstagramやTikTokのプロフィールから楽天・Amazonの商品ページへ誘導するのは問題ありません(外部から楽天内への送客に当たるためです)。SNSを起点にする場合は、この送客の方向を守ることが前提になります。

今後の展望と初動アクション(3つの実践ポイント)

第一に、「誰が顔になるか」と「発信テーマ」を先に決めることです。Kostarinaの創業者がバズ狙いの過激な発信を避け、専門領域である地中海食に絞ったように、再生数のためにブランドの信頼を損なわない設計が重要です。薬機法や景品表示法に触れる誇大表現を避ける意味でも、テーマの軸を決めておくと安全です。

第二に、撮影を業務に組み込み、データで検証する体制づくりです。撮影曜日を固定して会議を入れない時間を確保する、専任または兼任の動画編集担当を置く、そしてアクセス解析で勝ち筋を毎週振り返る。この3点は中小のEC事業者でもすぐ着手できます。

第三に、D2C(自社EC・SNS)向けの「素の魅せ方」と、モールや卸向けの「商品訴求」を出し分けることです。SNSでは人柄や舞台裏を、楽天・Amazonの商品ページでは規約に沿った商品情報を主体に据える。同じ素材でも見せ方を変える運用が、成果と規約順守を両立させます。

よくある質問(FAQ)

Q. 創業者クリエイターとは何ですか。
A. 創業者クリエイターとは、経営者本人がSNS発信の中心を担い、ブランドの顔として動画や投稿を作る手法のことです。専門知識や舞台裏を語ることで、広告よりも高い信頼と親近感を得やすい点が特徴です。

Q. 中小のEC事業者でも効果はありますか。
A. はい、あります。Constant Contactの調査では中小企業経営者の約4分の3がすでにクリエイター化しており、専任チームがなくても撮影曜日を固定した運用で継続できるためです。

Q. 楽天やAmazonの規約に触れませんか。
A. SNSから楽天・Amazonの商品ページへ誘導するのは問題ありません。ただし楽天の店舗ページやR-Mail本文に外部SNSのURLを掲載するのは規約違反となるため、送客の方向に注意が必要です。

まとめ

創業者がSNSの顔になる流れは、広告費に頼らずファンと指名検索を増やす現実的な成長戦略です。日本のEC事業者は、発信テーマを専門領域に絞り、撮影を仕組み化し、データで検証しながら、SNSと商品ページの役割を規約に沿って出し分けることから始めるのが得策です。

参考文献

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引用元: Modern Retail


【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)


投稿者: 齋藤竹紘

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。

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