Googleは2026年11月5日、動画生成モデル「Gemini Omni 1.2 Flash」を一般提供し、生成できる動画を最長15秒、720pの単価を1秒あたり0.07ドル(前世代比30%減)にしました。
本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。Gemini Omni 1.2 Flashとは、Google Deepmindが提供する動画生成モデルのことです。これまで最大10秒だったクリップが15秒に伸び、しかも安くなりました。商品動画を外注に頼っていた楽天市場やAmazonの店舗にとって、制作コストの考え方が変わりうるニュースです。

Gemini Omni 1.2 Flashで何が変わったのか
The Decoderによると、Gemini Omni 1.2 Flashは一般提供(GA)が始まり、生成できる動画の長さが3秒から15秒になりました。従来は最大10秒だったため、5秒分の余裕が生まれたことになります。価格は720pで1秒あたり0.07ドルで、前世代より30%下がったと報じられています。
もうひとつ注目したいのが、会話型の編集機能です。背景や照明、アスペクト比といった要素を、動画全体を作り直さずに少しずつ変えられるとされています。この機能は15秒の動画全体で使えると伝えられています。
提供先は広く、Gemini API、Google AI Studio、Google Cloud Console、Flow、Google Vids、Google AI Ultra加入者向けのGeminiアプリ、そしてGoogle Adsまで含まれます。詳細はGoogleの公式ブログとGemini APIのドキュメントで確認できます。なお、生成された動画にはすべてSynthIDと呼ばれる、人の目には見えない電子透かしが付きます。
EC事業者にとっての論点は3つあります
論点の1つ目は、商品の一貫性です。入力としてキャラクター画像や商品写真、最長3秒の動きのクリップ、音声の手がかりを渡せるとされ、顔や服装、パッケージの文字、ブランドカラーをカメラアングルが変わっても保つと説明されています。パッケージの文字が崩れる問題は、商品動画にAIを使う際の大きな壁でした。前世代より動きやカメラ切り替え時のゆがみが少ないとされるため、ここは試す価値があります。ただし、実際にどこまで崩れないかは、自社商品で検証するまで要確認です。
2つ目は、バーチャル試着のような使い方です。発表のデモでは、モデル写真1枚と3種類の衣装の商品写真から、360度回転を含む15秒の映像を作る例が示されています。アパレルや雑貨を扱う店舗にとっては、撮影の手間を減らしつつ、楽天市場の商品ページやAmazonの商品紹介動画、Instagramの広告素材に使える可能性があります。モール側の動画掲載ルールは各社で異なるため、投稿前に必ず最新の規約を確認してください。
3つ目は、コストの組み立て方です。360pまたは720pで下書きを作り、会話型の編集で細部を直し、仕上がった最終版だけを1080pまたは4Kに引き上げる流れが想定されています。試行錯誤の段階では安い解像度で回せるので、1本あたりの失敗コストを抑えられます。仮に720pで15秒の動画を作るなら、単価から計算して1本あたり約1.05ドルです。為替によって円換算は変わるため、見積もりの際は都度確認してください。
今後の展望と、店舗が最初にやるべきこと
Google Adsにも提供される点は見逃せません。広告の運用画面から動画素材を作れるようになれば、静止画バナーしかなかった小規模店舗でも、動画広告の敷居が下がります。一方で、全動画にSynthIDが付くため、AI生成であることが技術的には判別できる状態になります。モールや広告媒体がAI生成表示のルールを整えていく流れも、念頭に置いておきたいところです。
初動としては、次の3つをおすすめします。まず、売れ筋商品を1点選び、商品写真だけで15秒の動画を試作してみてください。次に、パッケージの文字やロゴが崩れないか、色味が実物と合っているかを目視で確かめます。最後に、外注していた動画制作の費用と、AI生成の1本あたりのコストを並べて比較してみてください。景品表示法の観点では、実物と異なる見え方になっていないかの確認が欠かせません。
まとめ
Gemini Omni 1.2 Flashは、動画を15秒に伸ばし、価格を30%下げ、編集を会話で段階的に行えるようにしました。商品の見た目を保つ精度と、下書きから仕上げまでのコスト設計が、EC事業者にとっての判断ポイントです。まずは1商品で試し、実物との差と費用対効果を確かめるところから始めてください。
参考文献
- The Decoder: Google’s Gemini Omni 1.2 Flash stretches AI video clips to 15 seconds and cuts pricing by 30 percent
- Google公式ブログ: Introducing Gemini Omni 1.2 Flash
- Google DeepMind: Gemini Omni
- Gemini API: Omni ドキュメント
※うるチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴社のEC事業に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。
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引用元: The Decoder
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。