Shoptalk FallのGen Alphaパネルで、10代の参加者5人が「ブランドのAI使用は大きなマイナス」と語りました。
本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。Gen Alpha(ジェネレーションアルファ)とは、おおむね2010年代に生まれた最も若い世代のことです。Modern Retailが10月5日に報じたパネルの内容と、HarrisXとAllison Worldwideの調査の数字を組み合わせ、ブランド側が押さえたい3つの条件を整理します。なお、パネルは5人の発言であり、世代全体の傾向と断定はできません。
Gen Alphaパネルで語られた本音と、世帯への影響力
Gen Alphaのパネルは、Shoptalk Fallで9月30日に開かれたセッションです。Modern Retailによると、登壇した10代は15歳のJewell Hamilton氏、18歳のHannah Schwartz氏、15歳のMiles Smith氏のほか、中学1年生のMia Somes氏、10年生のMaliah Barker氏の5人でした。
結論から言うと、5人はブランドが生成AIを使うことに否定的でした。Schwartz氏は「That’s a huge turnoff」と述べ、Hamilton氏は「You’re not trying hard enough to get my money」と指摘しています。Somes氏は、ネット上のものが本物か偽物か見分けがつかないという不安も口にしました。
数字の面では、同記事がGen Alphaの直接の支出力を年間100億ドル規模と紹介しています。さらに、8〜14歳の子どもがいる米国世帯の約半分の支出に、子どもが影響を与えるとしています。出典は記事内で明示されていないため、金額は要確認とします。
世帯への影響力は、別の調査でも裏づけられます。HarrisXとAllison Worldwideが2026年5月に実施した調査では、13〜16歳のティーン750人と親750人を対象にしました。親の91%が「ティーンが自分のブランド選択に影響する」と答え、親の購買の62%はティーンが自分から求めたものでした。ティーン女性に最も重要なプラットフォームはTikTokで、42%です。
日本のEC事業者にとっての論点
この発言を、日本の楽天市場やAmazon、Shopifyの店舗運営にそのまま当てはめることはできません。米国の少数のパネルであり、日本の10代の意識は別に確かめる必要があります。それでも、商品ページやSNSでAIを使う事業者が増えるなか、読み解ける論点が3つあります。
1つ目は、真正性の見せ方です。パネルの発言は「AIを使うこと」そのものより、「手間をかけていないように見えること」への反発に近いと読めます。AI生成の商品画像や説明文を使う場合でも、実物の撮影写真や作り手の顔を見せる工夫で、安心感を補えるかもしれません。
2つ目は、品質と寿命の訴求です。Hamilton氏は、良い作りであれば20ドル余分に払うと語り、Schwartz氏は長く使えるものに価値を置いています。値引き競争ではなく、素材や縫製、保証、修理対応を商品ページで具体的に書くことが、この層への近道になりそうです。
3つ目は、体験と信頼できる発信者です。Barker氏は、店舗に「人が何かできる場所」を求めました。インフルエンサーに対しては、Smith氏が売り込みに否定的な一方、Schwartz氏は長く追っている人を「姉のような存在」と見ています。ポップアップや体験イベント、長期的に関係を築ける発信者との協業は、日本でも検討に値します。
今後の展望と初動アクション
今回の発言は、AI活用を止めるべきだという結論ではありません。AIを裏方の効率化に使い、顧客の目に触れる部分では人の手を感じさせる、という使い分けが現実的です。たとえば、商品説明の下書きや問い合わせの一次対応にはAIを使い、メインビジュアルとレビュー対応は人が担う形です。
初動としては、次の3点から始められます。まず、自社の商品ページで、AI生成と実物の素材がどう混在しているかを棚卸しします。次に、素材や製造背景など、品質を裏づける情報を一次情報として追加します。最後に、10代・20代の購買者がいる店舗では、アンケートやレビューで「AI使用への抵抗感」を聞き、自社データで確かめます。日本のGen Alphaの動向は今後の調査を待つ必要があり、現時点では要確認です。
まとめ
Shoptalk FallのGen Alphaパネルでは、5人の10代が、ブランドのAI使用への抵抗感、品質重視、体験への期待を語りました。5人の声は世代全体を代表しませんが、親の91%がティーンの影響を認める調査もあり、無視はできません。日本のEC事業者は、AIを裏方に置きつつ、真正性と品質の説明を厚くすることから始めるのが現実的です。
参考文献
- Modern Retail: From influencers to AI, here’s what Gen Alpha thinks about your brand
- HarrisX・Allison Worldwide: Gen Alpha teens emerge as the CMOs of the American household
- Shoptalk Fall: Gen Alpha Shoppers’ No-Cap Views on Brands and Retail
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引用元: Modern Retail
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。