「自分の経歴を、もっと魅力的にアピールできる履歴書を作りたい」 「志望する企業の面接、どんな準備をすれば良いのか分からない…」
ビジネスにおける個人の成長と成功に欠かせない「キャリア形成」。その重要な局面である転職活動や就職活動において、AIが強力なパーソナルコーチになる時代が到来しました。
このシリーズ「日本語で学ぶOpenAI Academy」では、OpenAI公式の学習プラットフォーム「OpenAI for Business」コレクション(全13本)の内容を、日本語で徹底解説してきました。
最終回となる第13回のテーマは、「AI Career Prep: Resumes and Interviews(AIによるキャリア準備:履歴書と面接)」。
AIを活用して、自身のキャリアを客観的に分析し、次のステップへと進むための準備を万全にする方法をご紹介します。
今回のキーポイント:AIによるキャリアの「客観視」と「最適化」
今回の機能の核心は、AIが個人のキャリアに関する情報(履歴書、職務経歴書、希望する職種など)をインプットとして受け取り、それを第三者の視点から客観的に分析し、改善点を提案してくれる点にあります。自分一人では気づきにくい強みや弱みをAIが言語化し、目標達成に向けた具体的なアクションプランを示してくれます。
本編:転職活動を成功に導く2つの活用ステップ
動画では、求職者がAIを活用して、履歴書のブラッシュアップから面接準備までを行うプロセスが紹介されています。
ステップ1:履歴書のアップロードとAIによる改善提案
まず、ユーザーは現在使用している自身の履歴書(レジュメ)をChatGPTにアップロードします。そして、応募したいと考えている職種の求人情報も合わせてインプットします。
その上で、以下のような指示を出します。
「この履歴書を、この求人情報に最適化してください。私の経験が、このポジションで求められるスキルとどのように合致するかを強調し、より魅力的な内容に書き換えてください。」
指示を受けたAIは、両方の情報を瞬時に分析・照合します。そして、単なる文章の修正に留まらず、応募者の経験の中から、求人企業が最も重視するであろうスキルや実績を抽出し、それらが際立つような構成や表現を提案してくれます。
これにより、ありきたりな履歴書が、特定の企業に「刺さる」戦略的な自己PR資料へと生まれ変わります。
ステップ2:AIを面接官に見立てた模擬面接
履歴書が完成したら、次はいよいよ面接準備です。ChatGPTに「面接官」の役割を与え、実践的な模擬面接を行います。
ユーザーは、以下のように指示します。
「これから、この求人に応募するための面接シミュレーションをします。あなたが面接官となって、私に質問をしてください。厳しい質問も歓迎します。」
するとAIは、実際の面接官のように、応募者の経歴やスキル、そして応募先の企業文化などを踏まえた上で、的確な質問を投げかけてきます。
- 「前職での最大の失敗経験と、そこから何を学んだか教えてください。」
- 「当社のこのポジションで、あなたは具体的にどのような貢献ができますか?」
ユーザーはこれらの質問に答える練習を重ねることができます。さらに、自分の回答をAIにフィードバックしてもらい、「もっとこういう点を強調した方が良い」「この回答では具体性に欠ける」といった客観的なアドバイスを受けることで、自信を持って本番の面接に臨むことができるようになります。
まとめ:AIは、すべての人の「キャリアコーチ」になる
今回の「AIによるキャリア準備」が示すのは、AIがもはやビジネスツールという枠を超え、個人のキャリア形成を支援するパーソナルコーチとなり得るという未来です。
自分のキャリアを客観的に見つめ直し、強みを最大限に引き出し、弱点を克服するための具体的なアクションプランを得る。これまで専門のキャリアコンサルタントに相談しなければ得られなかったようなサポートを、誰もが手軽に受けられるようになります。
