「ウェビナーの長い議事録、誰か要約してくれないかな…」 「複数人での資料作成、意見の反映や推敲に時間がかかりすぎる…」
前回、AIとの共同作業空間「Canvas」がプロトタイピングを加速させる様子をご紹介しました。しかし、このツールの真価は、開発業務だけにとどまりません。
このシリーズ「日本語で学ぶOpenAI Academy」では、OpenAI公式の学習プラットフォーム「OpenAI for Business」コレクション(全13本)の内容を、日本語で徹底解説しています。
第7回のテーマは、「Writing with canvas in ChatGPT(ChatGPTのCanvas機能を使った文書作成)」。
企画書、レポート、ブログ記事、電子書籍まで。あらゆる「書く」作業を、AIという最高のパートナーと共に、かつてないスピードとクオリティで実現する方法をご紹介します。
今回のキーポイント:思考と編集が融合する「執筆空間」
第6回で紹介した「Canvas」が、今回は文書作成のための共同執筆スペースとして機能します。ここでのポイントは、AIが単なる「下書き担当」ではないという点です。ブレインストーミングの相手、リサーチャー、編集者、そして校閲者まで、文書作成に関わるあらゆる役割をAIが担い、人間と一体となって一つのドキュメントを創り上げていきます。
本編:煩雑な文書作成をクリエイティブな作業に変える3ステップ
動画では、ウェビナーの議事録という生の情報を、洗練された電子書籍の初稿へと昇華させていくプロセスが紹介されています。
ステップ1:情報のインプットとAIによる要約
まず、長いウェビナーの議事録をCanvasにインプットし、「この内容を要約して」と指示します。
AI(動画ではGPT-4oがクリエイティブなパートナーとして紹介されています)は、瞬時に議事録の要点を抽出し、簡潔なサマリーを作成します。これにより、人間はゼロから内容を読み解く必要がなくなり、いきなり文書の「核」となる部分から作業をスタートできます。
ステップ2:対話を通じたコンテンツの拡張と深化
次に、生成された要約を基に、AIとの対話を通じてコンテンツを発展させていきます。
- アイデアの拡張: 「この要約を、電子書籍の初稿に変えて。改善のための推奨事項も加えて」と指示すると、AIは構成を整え、より詳細な内容を加筆します。
- リサーチの依頼: 特定のセクションを指し、「この主張を裏付ける統計データや、有名なコンサルティング会社の記事を追加して」と依頼すれば、AIはウェブを検索し、信頼できる情報源からの引用と共に内容を補強してくれます。
- 直接編集: 人間は、AIが生成した文章の気に入らない部分を、ワープロソフトのように直接編集・追記できます。
このように、AIに任せる部分と、人間が手を入れる部分をシームレスに行き来しながら、共同で文章を練り上げていきます。
ステップ3:ショートカット機能による効率的な推敲
Canvasには、文章の仕上げ(推敲)を効率化するための便利なショートカット機能が備わっています。
テキストの特定部分を選択し、ツールバーからコマンドを選ぶだけで、以下のような編集が可能です。
- 編集提案: より良い表現をAIに提案させる。
- 長さの調整: 文章を長く、または短く要約させる。
- 読解レベルの変更: より専門的に、またはより平易な言葉に書き換えさせる。
- 最終的な推敲: 誤字脱字や文法的な誤りをチェックさせる。
これらの機能を駆使することで、文書のクオリティを短時間で飛躍的に高めることができます。
まとめ:文書作成は「孤独な作業」から「共創」へ
今回の「Canvasを使った文書作成」が示すのは、ライティングがもはや一人でうんうん唸りながら行う孤独な作業ではなく、AIという知識豊富で疲れ知らずのパートナーと共に進める「共創」のプロセスへと進化する未来です。
アイデアの壁打ちから、リサーチ、執筆、編集、校閲まで。これまで分断されていた各工程がCanvasという一つの空間に統合され、圧倒的なスピードで質の高いドキュメントを生み出すことが可能になります。
