2026年2月2日、待望の新アプリが登場
OpenAIが2026年2月2日、開発者向けの新しいデスクトップアプリケーション「Codex」を正式にリリースしました。このアプリはMacOS専用で、ChatGPT Proユーザー(月額200ドル)が利用できる最新ツールです。
発表されたばかりのこのツールは、海外の開発者コミュニティで既に大きな話題となっており、特にスタートアップやEC事業者の間で注目を集めています。
日本のEC事業者にとって重要なのは、このツールが「プログラミングができる人材」の採用難という課題を緩和する可能性があるという点です。楽天やShopifyのカスタマイズ、在庫管理システムとの連携、顧客データ分析の自動化――これらは外注すれば高額になり、内製しようにもエンジニアリングの知識が必要でした。
Codexアプリの3つの革新的機能
OpenAIによれば、Codexアプリには以下の特徴があります。
1. ローカル環境での安全なコード実行 Codexアプリは、ユーザーのMac上でコードを直接実行できます。従来のChatGPTウェブ版では、生成されたコードをコピー&ペーストして別の環境で実行する必要がありましたが、Codexならアプリ内で完結します。これにより、セキュリティ面でも安心してテストや開発が可能です。
2. ファイルシステムへの直接アクセス Codexは、ユーザーの許可を得た上でMac内のファイルやフォルダに直接アクセスできます。例えば「この商品CSVファイルを読み込んで在庫数を集計して」といった指示を出せば、ファイルを開いて処理し、結果を返してくれます。EC事業者が日常的に扱うデータファイルとの連携が、格段にスムーズになります。
3. 継続的な改善と自動修正 生成されたコードにエラーがあった場合、Codexは自動的に問題を検出し、修正を試みます。この「書く→テストする→直す」のサイクルをAIが自律的に回すため、プログラミング初心者でも実用的なツールを作れる可能性が高まります。
日本のEC事業者が今すぐ活用できる実践シーン
シーン1:楽天・Yahoo!の複数店舗データ統合
楽天市場、Yahoo!ショッピング、自社ECサイトなど複数チャネルで販売している事業者の場合、各プラットフォームから売上データをダウンロードし、Excelで手作業で統合している企業が大半です。
Codexアプリなら、「デスクトップにある楽天・Yahoo・自社ECの3つのCSVファイルを統合して、商品別の合計売上をグラフ化して」と指示するだけで、自動的にスクリプトが生成され、処理結果が表示されます。外注すれば10万円以上かかる処理が、数分で完成します。
シーン2:商品画像の一括処理
ECサイト運営では、商品画像を各モールの規定サイズにリサイズしたり、ウォーターマークを追加したりする作業が頻繁に発生します。Codexなら「このフォルダ内の全画像を800×800pxにリサイズして、右下に店舗ロゴを追加」といった指示で、一括処理スクリプトが生成されます。
従来は画像編集ソフトで1枚ずつ処理するか、外注していた作業が、自動化できるようになります。
シーン3:在庫データと受注データの突合チェック
「倉庫の在庫CSVと、各モールの受注CSVを比較して、在庫不足になりそうな商品をリストアップ」といった複雑な処理も、Codexなら自然言語で指示するだけで実現します。
データサイエンティストを雇う余裕がない中小EC事業者にとって、これは大きな競争優位になります。
導入時のコストと注意点
Codexアプリを利用するには、ChatGPT Proプラン(月額200ドル、約3万円)への加入が必要です。一見高額に見えますが、外注開発費(最低でも数十万円)や、エンジニア採用コスト(年間数百万円)と比較すれば、極めて低コストです。
ただし、現時点ではMacOS専用のため、Windows環境の企業は利用できません。OpenAIは今後Windows版もリリースする予定としていますが、具体的な時期は未定です。
また、生成されたコードが必ずしも最適解とは限らず、セキュリティやパフォーマンスの観点で人間のチェックが必要です。特に顧客データを扱う処理では、個人情報保護法(日本)やGDPR(欧州向け越境EC)への配慮が欠かせません。
今後のEC業界への影響
リリースされたばかりのCodexアプリですが、海外では既にShopifyアプリの開発や、カスタムダッシュボードの構築に活用する事例が報告され始めています。
日本のEC市場は年間約23兆円規模(経済産業省・2025年データ)ですが、技術的な制約で成長が止まっている中小事業者も少なくありません。Codexのような生成AIツールが普及すれば、「アイデアはあるが実装できない」という壁が取り払われ、より多様なサービスが生まれる可能性があります。
特に注目すべきは、技術者不足に悩む地方のEC事業者でも、Codexによって独自のシステム開発が可能になりつつある点です。これまでは東京の開発会社に高額で依頼するしかなかった機能が、自社で試行錯誤しながら実装できるようになります。
まとめ:EC×AIの実装力が競争の鍵に
2026年2月にリリースされたCodexアプリは、EC事業者にとって「技術的な実装」という最大のボトルネックを解消する可能性を秘めています。ノーコードツールでは実現できなかったカスタム開発を、プログラミング知識がなくても形にできる時代が、まさに今、始まりました。
日本のEC事業者が今すべきことは、小さく試してみることです。まずは定型業務の自動化から始め、成功体験を積み重ねることで、AI活用の幅を広げていけます。早期に取り入れた事業者が、開発コストの削減と業務効率化で先行者利益を得るでしょう。

齋藤 竹紘(さいとう・たけひろ)
株式会社オルセル 代表取締役 / 「うるチカラ」編集長
Experience|実務経験
2007年の株式会社オルセル創業から 17 年間で、EC・Web 領域の課題解決を
4,500 社以上 に提供。立ち上げから日本トップクラスのEC事業の売上向上に携わり、
“売る力” を磨いてきた現場型コンサルタント。
Expertise|専門性
技術評論社刊『今すぐ使えるかんたん Shopify ネットショップ作成入門』(共著、2022 年)ほか、
AI × EC の実践知を解説する書籍・講演多数。gihyo.jp
Authoritativeness|権威性
自社運営メディア
「うるチカラ」で AI 活用や EC 成長戦略を発信し、業界の最前線をリード。
運営会社は EC 総合ソリューション企業株式会社オルセル。
Trustworthiness|信頼性
東京都千代田区飯田橋本社。公式サイト alsel.co.jp および uruchikara.jp にて
実績・事例を公開。お問い合わせは
info@alsel.co.jp まで。