Ripple-65B Preview、米国製オープンモデルが示す3つの論点

Ricursive Intelligenceが公開したRipple-65B Previewを解説。650億パラメータ、TerminalBench 2.1で80.52点、Inkling 2 Smallとの差まで3つの論点で整理します。

投稿日: カテゴリー AIニュース

Ricursive Intelligenceは2026年11月6日、Apache 2.0で公開する650億パラメータのコーディング向けモデル「Ripple-65B Preview」を発表しました。

本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。Ripple-65B Previewとは、AIチップ設計を手がける米国企業が公開した、エージェント型のコーディング作業を得意とするオープンなAIモデルのことです。The Decoderによると、同社はTerminalBench 2.1で80.52点を記録し、オープンな米国製モデルとして最高の成績だと説明しています。ただし、同じ時期に出た別のオープンモデルには及ばない項目もあります。数字を分けて読むことが大切です。

Ripple-65B Previewで何が起きたのか:数字で見る事実関係

開発元のRicursive Intelligenceは、AIチップの設計を主力とする企業です。今回のRipple-65B Previewは、総パラメータ数が650億(65B)で、12兆トークンで事前学習されています。構造は、処理ごとに一部の専門家だけを動かすMixture-of-Experts(MoE)ではなく、全体を毎回動かすdense(密)なTransformerです。ライセンスはApache 2.0で、商用利用や改変がしやすい条件になっています。モデルはHugging Faceで公開され、同社のRipple紹介ページでも概要が確認できます。

性能の面では、ターミナル操作でのエージェント作業を測るTerminalBench 2.1で80.52点でした。評価には、一部でTerminus 2、一部でOpenCodeというハーネス(モデルを動かす実行環境)が使われています。研究開発全体にかかった費用は3,200万ドルと、同社が発表しています。最適化の対象はNvidiaのハードウェアです。これらはいずれも開発元の発表に基づく数字で、第三者による再検証の結果はまだ確認できていません(要確認)。

なぜ重要か:同時期のInkling 2 Smallとの差を読む

この発表が注目される理由は、米国発のオープンな選択肢がまた1つ増えた点です。一方で、同じ記事は比較対象としてThinking MachinesのInkling 2 Smallを挙げ、”Ripple falls behind the likewise newly released western open model Inkling 2 Small.”と評価しています。

具体的な数字を見ると、差は小さくありません。SWE-Bench Pro v2.0 Hardでは、Rippleが79.1%、Inkling 2 Smallが86.3%です。DeepSWE v1.1ではRippleが44.3%に対し、Inkling 2 Smallは72.1%と大きく開いています。MCP Atlasでも、Rippleの71.67%に対してInkling 2 Smallは85.4%から85.0%の範囲でした。TerminalBench 2.1での最高成績という売り文句は事実でも、すべての評価で首位というわけではありません。

もう1つの論点は、dense構造の65Bという大きさです。MoEの巨大モデルに比べれば、自社の環境で動かす計画を立てやすい規模です。ただし、必要なメモリや推論速度は今回の発表だけでは分かりません(要確認)。

今後の動き:Previewが外れる時期と第三者評価

名前に付いているPreviewは、現時点が先行公開の段階であることを示します。正式版がいつ出るのか、今回の発表では確認できませんでした(要確認)。今後は、独立した評価機関が同じ条件で測った数字が出るかどうかが、実力を見極める材料になります。

また、米国製のオープンモデルは、Inkling 2 SmallやRippleのように短い間隔で出てきています。どれを選ぶかは、ベンチマークの順位だけでなく、ライセンス、動かすための計算資源、日本語での精度で決まります。日本語での性能は今回の報道では触れられていません(要確認)。ECの現場で商品説明の自動生成や問い合わせ対応に使いたい場合も、まずは小さな検証から始め、自社データで確かめる流れが現実的です。

まとめ

Ripple-65B Previewは、650億パラメータのdenseモデルで、Apache 2.0ライセンスのもと公開されました。TerminalBench 2.1の80.52点は米国製オープンモデルで最高と発表されていますが、Inkling 2 Smallとの比較では他の指標で差があります。数字は開発元の発表が中心ですので、第三者評価の続報を確認しながら判断することをおすすめします。

参考文献

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引用元: The Decoder


【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)


投稿者: 齋藤竹紘

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。

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