生成AIの信頼度がECレビューを超えた、EC事業者が打つ3つの手

生成AIの回答を信頼する人が51.7%とECレビューを超えたと博報堂調査が発表。購買判断の6割超をAIに委ねる時代に、EC事業者が打つべき3つの手を解説します。

投稿日: カテゴリー AIニュース

買い物の決め手が「レビュー」から「生成AIの回答」へと移り始めています。博報堂買物研究所が2026年6月2日に発表した調査では、生成AIの回答を信頼すると答えた人が51.7パーセントに達し、ECサイトのレビュー(48.6パーセント)を上回りました。さらに購買の最終判断を生成AIに任せたいと答えた人は6割を超えています。これは、商品ページのレビュー数を磨いてきたEC事業者にとって、評価のされ方そのものが変わる兆候です。本稿では調査の要点を整理し、生成AIに選ばれる店舗になるための3つの手を提案します。

生成AIの信頼度がユーザーレビューを超えたことを示す告知ビジュアル

生成AIの回答が、ECレビューより信頼される段階に入った

ECのミカタによると、博報堂買物研究所は2026年6月2日、生成AIの利用実態と購買行動への影響を調べた「AIショッパー調査」の結果を発表しました。全国の20歳から69歳を対象に、2万名のスクリーニングを経て、買い物で生成AIを使う1276名を本調査の対象としています。

調査では、生成AIを認知している人が91.2パーセントにのぼり、買い物で生成AIを利用している人は全体の24.6パーセント、つまり約4人に1人でした。利用者のうち週1回以上使う人が41.7パーセントを占め、買い物領域での継続利用が進んでいることがうかがえます。使い方の上位は「専門用語やスペックの意味を分かりやすく解説する」が66.6パーセント、「複数商品の性能や機能を比較する」が64.7パーセントと、商品理解と比較に関わる用途が中心でした。

注目すべきは信頼度です。信頼する情報源は「自分で調べた・体験した情報」が71.0パーセント、「企業の公式サイト・アプリ」が58.7パーセントで上位を占めましたが、「生成AIの回答」が51.7パーセントと、「ECサイトのレビュー」の48.6パーセントや、SNS・動画上のレビューの41.5パーセントを上回りました。博報堂は、生成AIへの信頼が店舗の販売員に次ぐ水準にあり、既存の情報源を超えて浸透し始めていると指摘しています。

レビュー資産が前提から外れる、日本のEC事業者への影響

この結果は、日本のEC事業者がこれまで積み上げてきた勝ちパターンの一部が崩れる可能性を示しています。楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングでの購買では、レビュー件数と評価点が転換率を左右する最重要要素とされてきました。ところが買い手が生成AIに相談して候補を絞り込むようになると、レビューはAIが参照する材料の一つに格下げされ、AIがどの情報をどう要約するかが購買の入り口を握るようになります。

任せたい範囲を聞いた設問では、「欲しい商品の情報収集」を任せたい人が89.4パーセント、「複数の購入候補から1つに絞り込む」が81.8パーセントでした。さらに「最終的に商品を決断する」工程でも、ほとんど任せたいから少しは任せたいまでを合わせると60.0パーセント、「購入をやめる判断」では67.7パーセントが生成AIに委ねたいと回答しています。買い手が商品ページにたどり着く前に、AIとの対話の中で選別が進む構図です。

ここで効いてくるのが、生成AIが正しく読み取れる一次情報をどれだけ用意できているかという点です。レビューが信頼源として相対的に弱まる一方、「企業の公式サイト・アプリ」は58.7パーセントと高い信頼を保っています。商品ページやブランドサイトに、スペック、用途、対象者、比較の判断材料を構造化して置いておくことが、AI経由の提案で選ばれる条件になっていきます。

生成AIに選ばれる店舗になるための3つの手

第一に、商品ページを「AIが要約しやすい一次情報」へ作り替えることです。素材、サイズ、対応用途、他商品との違いといった、買い手がAIに尋ねる問いに答えられる情報を、箇条書きや見出しで構造化して記載します。曖昧なキャッチコピーよりも、検証可能な事実を厚くすることが信頼につながります。

第二に、レビューを「AIの学習材料」として戦略的に育てることです。レビューは信頼源として相対的に下がったとはいえ、48.6パーセントが依然信頼しており、AIが商品を比較する際の参照データにもなります。利用シーンや具体的な使用感が書かれたレビューが集まるよう、購入後フォローやレビュー依頼の設計を見直す価値があります。

第三に、生成AI上での見え方を定期的に検証することです。ChatGPTやGeminiに自社カテゴリの相談を投げ、どの商品やブランドが提案されるかを実際に確かめます。提案に載らない場合は、商品情報の不足や表現の曖昧さが原因であることが多く、ページ改善の優先順位づけに直結します。AIに尋ねて確かめる習慣が、AI時代の棚取りの第一歩になります。

まとめ

生成AIの信頼度がECレビューを超えたという調査結果は、購買の意思決定がAIとの対話に移りつつあることを示しています。日本のEC事業者が今やるべきは、商品ページを検証可能な一次情報に作り替え、レビューをAIの参照材料として育て、生成AI上での自社の見え方を定期的に検証することです。レビュー件数だけに頼る運営から、AIに正しく読まれる情報設計への転換が問われています。

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引用元: ECのミカタ(調査出典: 博報堂


【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)


投稿者: 齋藤竹紘

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。

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