Amazon.co.jpで販売していると、「この価格で本当に利益が出ているのか」「広告にいくらまで使ってよいのか」が曖昧なまま運用しているケースが少なくありません。販売手数料、成約料、FBA配送代行料、保管料、原価、返品損失、広告費が複雑に絡むため、電卓で都度計算するのは大変です。今回紹介する「Amazon.co.jp 利益・手数料チェック」スキルを使えば、これらの数字を入力するだけで、売上総利益から限界ACOS・許容CPCまでが一度に算出されます。
このスキルでできること
このスキルはALSEL Agent Skillsが配布するEC実務向けスキルのひとつで、Claude Code上で動きます。Amazonの利益構造を「販売手数料・成約料・FBA配送代行料・保管料・大口プラン按分・原価・返品損失・広告費」の段階別に分解し、各段階の利益と広告の上限値を数値で示します。
中心となるのは3段階の計算です。第一に売上総利益(販売価格から販売手数料・成約料・FBA配送代行料・月割保管料を引いた額)、第二に広告費前の営業利益(売上総利益から原価・返品損失・大口プラン按分を引いた額)、第三に広告費後の実利益です。さらに、これ以上広告費をかけると赤字になる損益分岐点である限界ACOS(売上総利益÷販売価格×100)と、目標利益から逆算した許容CPCまで自動で導きます。2025年4月に改定されたカテゴリ別手数料率とFBA料金体系に対応している点も実務的です。
実際の使い方
「Amazonの利益計算をして」「FBA手数料はいくら」「広告のACOS上限を知りたい」といった言葉で起動します。入力するのは、販売価格(税込)、カテゴリ、原価、商品サイズ・重量、月間販売数、返品率、1販売あたりの広告費、出品プラン(小口か大口か)です。サイズや保管料が不明な場合は仮の値で暫定計算し、「最終判断には実数値の確認が必要」と明示してくれるので、概算の段階でも使えます。
出力は計算書の形で返ってきます。たとえばビューティカテゴリの保湿クリーム4,800円(原価1,200円、標準2サイズ、月100個販売)なら、売上総利益は約3,958円、広告費前営業利益は約2,685円、限界ACOSは約82%と算出されます。目標利益を2,000円に設定すれば許容ACOSは約41%、CVR5%想定での許容CPCは約98円と具体的な広告入札の上限まで出ます。価格を上下させた場合や広告費を倍にした場合の感度分析も含まれるため、価格改定の判断材料になります。
導入による業務インパクト
これまで価格設定や広告予算は「だいたいこれくらい」という感覚で決めていた店舗が多いはずです。このスキルを使えば、商品ごとに広告費の上限が明確になり、限界ACOSを超えた赤字出稿を避けられます。AmazonのAmazon SEO対策で流入を増やしても、利益構造が崩れていては意味がありません。手数料率はカテゴリと価格帯の境界(服1,500円、ビューティ2,500円など)で変わるため、こうした境界の判定ミスによる利益の取りこぼしも防げます。
ただし注意点もあります。手数料率やFBA料金は年単位で改定されるため、最終的な数値はセラーセントラルの最新料金表で確認する必要があります。また公開済みASINはAmazonのRevenue Calculatorで自動計算できるため、本スキルは新商品の事前シミュレーションや複数商品の横断比較に向いています。
まとめ
このスキルは、感覚的な価格設定や広告運用から脱却したいAmazon出品者に向いています。まずは主力商品1点の数字を入れて限界ACOSと許容CPCを把握し、現在の広告入札額が上限内に収まっているかを確認するところから始めるのがおすすめです。Rufus・COSMO対応のAmazon SEOと組み合わせれば、集客と利益の両面から運用を見直せます。
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【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。