エピソード型コンテンツとは、短い物語や番組を連続で配信し、ブランドへの好意と来店動機を育てる動画施策のことです。米国ではCrocs、David’s Bridal、StockXの3社が2026年にこの形式へ本格参入しました。
本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。
何が起きたか:3ブランドが連続ドラマや番組を始めた
Modern Retailが2026年10月6日付で伝えたところによると、Crocs、David’s Bridal、StockXの3社がエピソード型コンテンツに力を入れています。記事はこの動きを、広告を単発で流す手法からの転換として紹介しています。
Crocsは2月に「Charmed to Meet You」という5話構成のシリーズを公開しました。1話は60秒から90秒で、縦型の短編ドラマを配信するアプリReelShortで展開し、制作では芸能事務所のCAAと組んでいます。視聴数は数百万回に達したとされています。6月にはTikTokで「Déjà Shoe」も公開し、CMOのCarly Gomezは12月に次のシリーズを出す予定だと説明しています。
David’s Bridalは3月にYouTubeと自社サイトで「Breaking Bridal」を始め、CEOのKelly Cookが率いる体制でLove Stories TVを買収しました。同社は、ウェディングを計画する新郎新婦の約90%が計画中に来店すると説明しており、その接点で物語を見せる狙いです。StockXは9月末にゲストを招く番組「Listed」を始め、初回にはNBA選手のPJ Tuckerが登場しました。制作はSpectraとの協業で、CEOはGreg Schwartzです。
背景:マイクロドラマ市場は2030年に200億ドル超の予測
記事は調査会社Omdiaの予測として、マイクロドラマ(1話数十秒から数分の縦型連続ドラマ)の世界収益が2025年に110億ドル、2026年末までに140億ドル、2030年には200億ドルを超えると紹介しています。1年強で約27%増えるペースであり、視聴者の時間がこの形式へ移っていることが分かります。数字の詳細はOmdiaの原資料での確認が必要です(要確認)。
重要なのは、3社とも商品を直接売り込む構成にしていない点です。Crocsはドラマとして、StockXはトーク番組として、David’s Bridalは結婚準備の物語として、まず見てもらうことを優先しています。広告枠を買って商品を見せる方法より、視聴者が自分から続きを見に来る点が違います。
日本のEC事業者にとっての論点
日本でも、楽天市場の店舗ページやAmazonのブランドストア、Shopifyの自社サイトに動画を置く事業者は増えています。ただ、商品紹介の1本完結型が中心で、連続して見てもらう設計はまだ少数です。次回作を待ってもらえれば、ブランド名を指名して検索する人が増え、広告費に頼らない流入の土台になります。
一方で、米国3社のように外部スタジオと組む予算が必要とは限りません。店舗のスタッフや作り手を登場させる週1回の短い連載でも、エピソード型の考え方は取り入れられます。要点は、1本ごとの売上ではなく、連続視聴による再訪の回数を指標にすることです。なお、日本国内での同種の成果データは今回の記事では示されておらず、効果の大きさは各社で検証が必要です(要確認)。
今後の展望と初動アクション
12月にCrocsが次のシリーズを出す予定であり、第2弾で視聴数や来店行動がどう変わるかが次の注目点です。日本のEC事業者は、次の順で小さく試すのが現実的です。
まず、既存の動画を3本から5本のまとまりに並べ替え、シリーズとして見せられるか確認します。次に、YouTubeショートやTikTokで1話60秒前後の連載を1つ決め、公開曜日を固定します。最後に、視聴完了率、シリーズ内の離脱話数、公開後のブランド名検索数を毎週記録し、4週間で続けるかを判断します。生成AIは台本の下書きや字幕作成の補助に使えますが、事実や商品説明の最終確認は人が行う必要があります。
まとめ
CrocsやStockXの事例は、動画を広告から物語へ変える流れを示しています。マイクロドラマ市場が2026年末に140億ドルへ達するという予測が正しければ、見られる場所は今後も広がります。日本のEC事業者は大型投資の前に、連載1本を決めて4週間で効果を測るところから始めるのが安全です。
参考文献
- Modern Retail: Brands Briefing, why Crocs, David’s Bridal and StockX are embracing episodic content
- ReelShort 公式サイト
- Omdia 公式サイト
※うるチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴社のEC事業に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。
https://uruchikara.jp/contact/
引用元: Modern Retail
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。