キーワードリサーチは、SEOで成功するか失敗するかの命運を握る重要なスキルです。
もし、キーワードをリサーチせずに、サイトのコンテンツ作りを始めると、次のような事態になってしまいます。
- 検索数がないキーワードで対策してしまう。
- 競合が非常に強いキーワードで対策してしまう。
- コンバージョンに繋がらないキーワードで対策してしまう。
このような場合、そのコンテンツがたとえどれほど素晴らしいものであっても、決して成果が出ることはありません。
そして、私が知る限り、そういう失敗をしてしまう原因の1つに、使うべきキーワードツールを知らないということが挙げられます。
これまでは、キーワードツールの代表として、Googleキーワードプランナーがありました。しかし、さまざまな理由があり、これだけでは、キーワードリサーチには不十分になってきています。
そこで、この記事では、成果につながる、完璧なキーワードリサーチを行うために、組み合わせて使うべき、優秀な無料キーワードツールをご紹介しています。
それでは見ていきましょう!
1 .キーワードリサーチの2つのステップ
最初に、キーワードリサーチの方法について触れておきたいと思います。キーワードリサーチでやるべきことは、大きく分けてたったの2つだけです。
- ステップ1:キーワードを「広げる」
- ステップ2:キーワードを「絞る」
これだけです。
「キーワードを広げる」とは、とにかく、検索ユーザーが、どのような言葉で検索しているのかを、徹底的に洗い出すことです。
「キーワードを絞る」とは、ステップ1で洗い出したキーワードの検索数や難易度を調べて、今対策を行ったとして、上位表示の実現可能性がどれぐらいあるかを判断するために行います。簡単にいうと、対策を行うべき順番を判断することができます。
これからお伝えする無料ツールには、キーワードを広げる段階で使うものと、キーワードを絞る段階で使うものがあります。まずは、これらのツールを先にご紹介します。
そして、その後に、これらのツールを使って、どのようにキーワードリサーチを進めていくのかについて解説していきます。
2 .厳選!キーワード無料ツール10選
それでは、うるチカラ編集部が厳選した、キーワード無料ツールを10個ご紹介します。重要度に応じて、
- S
- A
- B
の3つにランク付けをしています。Sランクのツールは3つあります。
それでは、見てみましょう!!
2.1. キーワードを「広げる」時に使うツール
Googleキーワードプランナー【Sランク】
>> Google キーワードプランナー <<
Googleキーワードプランナー は、言わずとしれたキーワード調査の無料ツールの代表格です。キーワードを「広げる」、キーワードを「絞る」の両方で使いますが、「広げる」ために使う場合の方が多いでしょう。
詳しい使い方は、「Googleキーワードプランナーの使い方|SEOに取り組む全ての人たちへ」で詳しくまとめましたのでご覧ください。
good keyword【Aランク】
>> goodkeyword <<
これも「キーワードを広げる」過程で使います。
このツールでは、「サジェストワード」というものを調べることができます。Googleの検索画面に、何らかの検索キーワードを入力すると、下図のように、自動的に関連ワードが表示されますよね。これがサジェストワードです。
goodkeywordでは、これらを全て拾い出すことができます。Googleだけではなく、楽天市場やBINGのサジェストワードも拾うことが可能です。
とても使い勝手がよく、たくさんのキーワードを拾うことができるためオススメです。
Google サーチコンソール【Aランク】
>> Google サーチコンソール <<
Googleサーチコンソールは、Googleアナリティクスと並んで、頻繁に使われる分析ツールで、主にWEBサイトのパフォーマンス分析に適しています。
これも「キーワードを広げる」過程で、とても有用です。
特に「検索アナリティクス」というメニューは必見です。自分のWEBサイトが実際にどのようなキーワードでランクインしているのかを、調べることができます。
あと一歩で検索順位が1ページ目にくるキーワードを調べたりなど、どのようなキーワードで、上位に表示され始めているかを確認することができます。
あと一歩で上位に表示できそうな場合は、コンテンツの質を改善したり、そのページに対してリンクを得る方法を考えて実践したりすることで、より大きな成果を出せるようになります。
Google関連ワード【B+ランク】
Google関連ワードは、下図のように、検索結果画面の下に表示されるものです。厳密にはツールではないのですが、キーワードを「広げる」過程で、とても参考になります。
気になったキーワードをどんどんクリックしていくと、テーマに関連した幅広いキーワードを、深く掘り下げていくことができます。
WEBコミュニティー【B+ランク】
日本には様々なWEBコミュニティーがあります。
- Yahoo知恵袋
- 教えて!goo
- はてなブックマーク
- 発言小町
- Quora
- 2ちゃんねる
このようなWEBコニュニティーは、実は、購入に繋がるような確度の高いキーワードの宝庫であることを知っている人は、実は、少ないのです。
例えば、「水筒」というキーワードをYahoo!知恵袋で探してみましょう。
この結果を見るだけでも、
- 「ストロー 直飲み」
- 「ボトルケース カバー」
- 「直飲み」
- 「パッキン」
などのキーワードを拾い上げることができますね。こうしたキーワードには、商品を使うユーザーの細かいニーズや悩みが反映されています。これらは、自分の頭の中から出していくのは非常に難しく、それだけに価値のあるキーワードです。
特に、購入に直結するようなキーワードを知りたい方は、是非、WEBコミュニティーからキーワードを手に入れる努力をして見ましょう。
レビュー【B+ランク】
アマゾンなどの、購入者のレビューが載っているサイトもキーワードの宝庫です。下図は、あるソファーベッドのレビューですが、この中にもたくさんのキーワードの種があります。
例えば、
- 耐久性
- 敷布団
- 寝心地
- 硬さ
- 狭い部屋
- 一人
- 二人
などを拾うことができますね。ソファーベッドを検討している人が、何を重要視しているのかが、すぐに分かります。商品やサービスに合わせて、「@cosme」「価格ドットコム」「楽天市場」でもレビューを見ることができます。
このように、レビューは、お金につながるキーワードの宝庫です。
また、レビューだけでなく、商品やサービス説明・キャッチコピーからも、自分だけでは連想できなかったようなキーワード候補を拾うことができます。
Google トレンド【Bランク】
>> Google トレンド <<
Googleトレンドでは、現在トレンドになっているキーワードや検索ボリュームの推移を調べるツールです。
下図は「Tシャツ」で調べてみたものです。
このように、現在検索が増加している流行ワードをピックアップすることができます。この流行ワードの中から、検索数は非常に多いのに、まだライバルサイトが対策していないようなキーワードを発見できることがよくあります。
そうしたキーワードを発見して対策することができれば、しばらくは一人勝ちできます。
共起語ツール【Bランク】
共起語とは、キーワードと共に頻出する言葉のことです。共起語ツールはいくつかありますが、
の2つが良いです。
これらは、キーワードリサーチではBランクですが、コンテンツを書く際にはAランクです。特に、コンテンツの中の文章の最初の方に、これらのツールで調べることができる共起語を入れるように意識すると、SEOにも好影響を与えます。
下図は、LSI Graph の例です。
「剣道」の検索結果です。
「剣道」について検索する人が、具体的にどのようなことを知りたいと思っているのかを、正確に把握することができます。これを使いこなすと、キーワードを広げる上でも、コンテンツを作る上でも、周りに一歩差をつけることができます。
2.2. キーワードを「絞る」時に使うツール
UberSuggest【Sランク】
>> Ubersuggest <<
Ubersuggestは、キーワードを絞る上で必須のSランクツールです。
これは、
- キーワードプランナーで調べることのできるキーワードとサジェストワードを一緒に調べることができるだけでなく、
- なんとキーワードプランナーの無料アカウントでは知ることのできない検索ボリュームを調べることができてしまう。
というすごいツールです。
キーワードプランナーは、お金をかけてアドワーズ広告をやっていないと、検索ボリュームを正確に把握することはできません。下図のように、とてもアバウトに表示されます。
しかし、下図のように、UberSuggestを使うと、アドワーズ広告をやっていなくても、検索ボリュームを正確に知ることができてしまうのです。
ここでの数字は有料アカウントのキーワードプランナーと同じ数字なのは確認済みですので、安心してご利用ください。
Mozbar【Sランク】
>> MozBar <<
このツールもSランクです。Google Chromeの拡張機能です。
このツールをインストールすると、Chromeの右上に上のようなボタンが出てきます。青色にして起動すると、検索結果画面が以下のように変わります。
検索結果に表示されている各WEBサイトのスニペット(説明文)の下に、下のような帯が表示されています。
左から順に
- PA=ページオーソリティー
- このページへの被リンク数
- DA=ドメインオーソリティー
が並んでいます。
これらは、今は非公開となってしまったGoogleがWEBサイトのランク付けであるPageRank(0から10までの11段階) に変わる新しい指標として、SEOの世界で用いられているものです。
「ページオーソリティー(PA)」は、そのWEBページの力、「ドメインオーソリティー(DA)」は、WEBサイトのドメイン全体の力を表しています。
PAはDAよりも優先されます。PAが同じ数字であったり多少の差であったりするような場合にはDAの強いWEBサイトが優先されます。
これらに加えて、そのページへの、被リンクの数やコンテンツの質を合わせて、総合的に見ることで、そのキーワードで上位表示する難易度を判断することができるのです。
2.3. キーワードツールのまとめ
以上のツールを表にしたものが下記になります。
それでは実際にキーワードツールを使ってキーワードリサーチをしてみましょう。
3 . キーワードリサーチの具体的な方法
それでは、これらのツールを使って、成果に繋げるためのキーワードリサーチを行う方法を簡潔に解説します。
3.1. キーワードを広げる
「キーワードを広げる」段階では、成果に繋がると考えられるキーワードの候補を、出来る限り拾い集めます。
このステップはとても重要です。
もし、このステップをサボって、自分の考えているキーワードだけで対策をしようとすると、本当に購入に繋がるキーワードや、現時点で検索上位を狙えるキーワードを見逃してしまう可能性が非常に高くなります。
また、そもそも検索されていないキーワードや、逆に、競合が多すぎて、難易度が非常に高いキーワードに特攻してしまうようなケースも出てきて、本当に危険です。
例えば、あなたが、タイ製の家具を扱っているとします。そして、ステップ1を省き、「『タイ 家具』でSEO対策をしよう!」と安易に考えたとします。残念ながら、おそらくこのキーワードだけでのSEO対策では、集客効果は見込めないでしょう。
なぜなら、「タイ 家具」というキーワードは日本全体で月間70回しか検索されていないからです。
このように、事業者が考えるキーワードと、ユーザーが考えるキーワードには大きなギャップがあることが少なくなく、また仮に方向性があっていたとしても、まだ気づいていないより良いキーワードがあったり、複合キーワードにした方がより良い結果に結びつくことがほとんどです。
このステップで、あるだけのキーワード候補を拾い上げていくことが、SEOの成功への近道です。
手順としては、まず、キーワードプランナーで
- 元となるキーワードを入力して、それに関連するキーワードを拾い出す
- 自分のサイトや競合のサイトのURLを入力して、関連するキーワードを拾い出す
という作業を行います。
ここで、キーワードプランナーの一つの欠点が問題になります。それは、キーワードプランナーはキーワードに比較的近接したキーワードしか拾えないということです。
例えば、知育玩具というキーワードを検索すると
このようなキーワードを抽出できますが、どれもありきたりのものばかりです。
そこで、キーワードプランナー以外のツール
- Google関連ワード
- goodkeyword
- サーチコンソール
- Googleトレンド
- 共起語ツール
- WEBコミュニティー
- レビュー
などでキーワードを広げなければならないのです。
3.2. キーワードを絞る
このステップでは、ステップ1で出したキーワード候補を絞っていきます。
単純に検索ボリュームだけで絞るわけではありません。
- 競合の状況はどうか
- お金になるキーワードなのかどうか
- すぐにお金になるわけではないが、WEBページの成長を加速させるという観点から検索順位を狙っていくのか
などを総合的に考慮して、対策すべきキーワードを絞ります。この時、3つの点に注目します。
- 検索ボリューム
- お金につながるか
- 難易度
それぞれ解説していきます。
検索ボリュームを調べる
検索ボリュームはキーワードの絞り込むの判断指標です。
「タイ 家具」の例でも見たように、検索する人はほとんどいないキーワードで順位を1位を獲得したとしても、意味をなさないからです。
もっとも、検索ボリュームだけでは判断しきれません。
仮に検索ボリュームがとても大きかったとしても、競合があまりに多かったり、全くお金にならないキーワードを選んだりしては意味がないからです。例えば、あなたがiphoneケースを扱っているとしているとします。もし「iphone」というキーワードが検索ボリュームが823,000ある、超ビックワードです。
しかし、この検索ボリュームだけでこのキーワードを攻略し、WEBサイトでiphoneケースの売り上げを上げようと思っても無理でしょう。
なぜならこのようなキーワードは難易度が高く検索順位を上げるのは非常に困難であるだけでなく、仮に上がったとしてもこのようなキーワードでは購入につながらないことが予想されるからです。「iphone」と検索する人たちには、以下のように、様々な目的があります。
- iphone10の価格を知りたい人
- iphoneの販売店を探したい人
- iphoneのニュースを知りたい人
- iphoneの使い方を知りたい人
このような人たちに、iphoneケースを販売することは困難でしょう。また、仮に「iphoneケース」というキーワードを狙っていったとしても、難易度が高くSEOを始めたばかりでは難しいでしょう。
一方で、例えば
「オーダー食器棚」
というキーワードは検索ボリュームは260しかありませんが、このキーワードは食器棚をオーダーしようという見込み客が検索するワードで、問い合わせを獲得できる確率が非常に高く、オーダー家具屋さんにとって取り組み甲斐のあるキーワードです。
検索ボリュームはとても重要ですが、それだけが判断基準となるわけではありません。
コンバージョン率(売り上げに繋がるかどうか)を調べる
同じ検索ボリュームであったとして、例えば
- 「送料無料」
- 「クーポン」
- 「セール」
- 「見積もり」
などのキーワードと、
- 「使い方」
- 「無料」
- 「ニュース」
などのキーワードとを比較すると、明らかに前者の方が購入につながる可能性が高い一方で、後者はおそらくお金につながる可能性は低いでしょう。
この「お金につながるキーワードかどうか」という観点もとても重要です。
先ほどの「iphone」もお金につながらないキーワードでした。WEBサイトを成長させるという点において、WEBサイトのスタート段階では、このようなお金にならないワードも狙ってコンテンツを作り、アクセス数をあげてWEBサイトに勢いをつけ、その後にお金を狙っていくという手法は非常に有効で、このような場合には考えなくても良いポイントです。
もっとも、検索ボリュームが同じで難易度も同じであれば、このような場合でもお金につながるキーワードを選んだ方が良いでしょう。
ツールは、キーワードプランナーかもしくはUbersuggestで、
- 推定入札価格(CPC)
- 競合性(COMPETITION)
をチェックし、
数値が高い→お金につながる
数値が低い→お金に繋がらない
と判断します。
なぜなら、これらの数値はアドワーズ広告からGoogleが算出しているものでありますが、たくさんの広告主が出稿していたり(競争性が高い)、入札価格が高いものというのは、それだけ広告効果が高い、すなわちお金に変わりやすいキーワードであるからに他なりません。
なお、ロングテールキーワード(2語以上の複合ワード)のコンバージョン(購入率)は単体ワードに比べると2.5倍になるという調査結果もあります。
参考サイト:7 Brilliant Examples of Brands Driving Long-Tail Organic Traffic
上位表示の難易度を調べる
難易度はそのキーワードで1ページ目(上位10位)に入ることができる難しさを表したものです。
私たちだけではなく私たちのライバルもまた同様にSEOを狙っているのであり、そのライバルたちの強弱や数によって、私たちがランクインできるかどうかの難易度は変わってきます。
具体的には、
- 競合の持っている被リンク
- ページ・ドメインの強さ、
- コンテンツの質や量などによって決まります。
MozBarを使って調べます。
以下は「新生児 おもちゃ いつから」の検索結果です。
まず、PAをチェックします。 4位のサイトを除いて全て20以下です。
この程度の数字であれば、しっかりコンテンツを作り込めばいけそうだと判断して構いません。特に、2位のページはPA、DA共に1です。 このページの上を最低でも狙おうと目標を持つことができます。
また、この検索クエリは
「新生児 おもちゃ いつから」
です。
このキーワードがしっかり入っているのは1位と5位のページのみです。この点からもいけそうだと判断します。
リンク数も、1位が72、3位が41、10位が181で、それ以外は0から10程度なのでいけそうだと判断できますね。
DAについてですが、4位が83、6位が93と非常に高いですが、気にすることはありません。Yahoo!知恵袋などのWEBコミュニティーサイトがランクインしている時は、むしろチャンスだと思ってもらって良いです。
このことはamazonや楽天市場などのショッピグモールばかりが上位表示されている場合にも言えます。たとえDAが良くても、コンテンツの中身がきちんとしていると検索エンジンに思われる可能性が低いからです。
以上のように、無料ツールでも十分、キーワードリサーチを行うことが可能です。
4. 最後に
いかがでしたでしょうか。
ぜひこの記事を参考に、キーワードリサーチを進めていってください。最後までお読みいただきましてありがとうございました!