OpenAI共同創業者のGreg Brockmanは2026年11月4日、同社が2027年に上場できる準備ができているかと問われ「そう思う」と答えました。
本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。TechCrunchによると、発言はWall Street Journalが開いたテクノロジーカンファレンスの場で出ました。同時にBrockmanは、2026年第3四半期の年換算収益が前四半期比で70%伸び、企業向けの収益は2倍になったと明らかにしています。AI企業の収益の柱が消費者向けから企業向けへ移っていることが、今回のニュースの核心です。

何が起きたか:IPOは「適切な時期に」、時期の確約はなし
OpenAIのIPOとは、同社が株式を証券取引所で公開し、一般の投資家が株を売買できるようにすることです。TechCrunchの報道では、インタビュアーから2027年のIPO準備について聞かれたBrockmanが「I think so. Yes.」と答えました。同社はこれまでも、適切な時期に上場したいという考えを示してきたと伝えられています。
ただし、今回の発言は「準備ができている可能性がある」という趣旨で、上場時期の確定を意味するものではありません。評価額や調達額、総売上の具体的な金額は、報道では明らかにされていません。金額に関する情報は現時点で要確認です。上場の時期や条件を断定する見方には、慎重になる必要があります。
なぜ重要か:企業向けが全体の主役に変わった
Brockmanは、2026年の第1四半期と第2四半期の企業向け事業は「pretty rough」だった、つまりかなり厳しかったと振り返りました。背景として、エージェント型コーディングの分野ではOpenAIが「そもそも議論の俎上にもなかった」と語り、AnthropicのClaude Codeがシェアを伸ばしたと記事は説明しています。ここで言うエージェント型コーディングとは、AIが自律的にコードを書き、修正まで進める開発手法のことです。
その後の第3四半期に、年換算収益は前四半期比で70%成長し、企業部門の収益は2倍になりました。企業向け事業は以前は全体の約30%でしたが、現在は収益の大半を占めるとされています。Brockmanは「A year ago, we weren’t even really in the enterprise game, right?」とも述べました。消費者向け事業も縮小はしておらず成長を続けていますが、伸びの中心は企業向けです。銀行大手のJPMorgan Chaseとの提携が、企業向けの代表例として挙がっています。
この動きは、AIモデルを選ぶ側にも意味があります。企業向けの収益が重みを増すほど、各社はセキュリティ、管理機能、API料金の安定性といった法人向けの条件に開発資源を割くとみられます。これは筆者の見立てであり、各社の発表で確認が必要です。日本のEC事業者にとっても、業務にAIを組み込む際の選択肢が、法人向け機能の競争によって広がる可能性があります。
今後の動き:注目したい3つのポイント
第一に、上場に向けた財務情報の開示です。収益の内訳や企業向けの比率が公式に示されれば、第3四半期の70%成長という数字の裏付けも取れます。第二に、エージェント型コーディングをめぐる競争です。一度遅れをとったと認めた分野で、OpenAIがどこまで巻き返すかが、企業向けの伸びを左右します。第三に、業界全体への波及です。大手の上場が現実味を帯びれば、他のAI企業の資金調達や評価にも影響が及ぶ可能性があります。
EC事業者の立場では、使っているAIサービスの提供元が上場企業になれば、料金改定や機能変更の方針がより公開情報から読みやすくなる面があります。一方で、サービスの方向性が投資家の期待に引っ張られる可能性もあるため、特定のAIに業務を依存しすぎない設計が引き続き大切です。
まとめ
Brockmanの発言は、OpenAIが2027年のIPOを視野に入れ、企業向け事業を主軸に据え直していることを示しました。第3四半期の年換算収益70%成長と企業部門の収益倍増は強い数字ですが、金額の詳細は未公開で、上場時期も確定していません。EC事業者としては、AIの提供元の動向を追いつつ、複数のサービスを使い分けられる体制を整えておくのが現実的です。
参考文献
- TechCrunch: OpenAI president Greg Brockman says company could be IPO ready in 2027
- YouTube: Wall Street Journalテクノロジーカンファレンス(TechCrunch記事内で紹介された動画)
- Anthropic: Claude Code
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引用元: TechCrunch
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。