Perplexityは2026年11月4日、継続的な業務を自律的に進める常時稼働のAIエージェント「Teammates」を発表しました。
本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。The Decoderによると、Perplexity Teammatesは、単発の依頼をこなす従来型と違い、プロジェクトを抱えたまま作業を続けるエージェントです。Teammatesとは、専用の仮想環境で動き続け、進捗報告や承認依頼まで自分で行うAI担当者のことです。問い合わせ対応や広告改善といったEC運営の仕事と相性がよいため、今回は事実関係と、店舗運営での使いどころを整理します。
Teammatesは何ができるのか
結論として、Teammatesは「頼まれたら動く」のではなく「状況を見て自分から動く」AIです。Perplexityの公式ブログによれば、長期の作業を計画して進め、途中で結果を確認し、完成品をレビュー用に提出します。目標、タスク履歴、共有ファイルを実行をまたいで記憶する点が特徴です。新しい質問を待たずに状況の変化を監視し、必要に応じて調査して動き、進捗の報告や承認の依頼も行います。
The Decoderは、各Teammateが専用の仮想マシン上でデスクトップとブラウザを持って動くと伝えています。進捗はPerplexityアプリの専用スレッドで確認でき、Slackからもやり取りできます。Slackのチャンネルに追加すれば、同僚がタスクを頼んだり進み具合を確認したりでき、Teammate同士で作業を引き継ぐこともできます。たとえば不具合を見つける役から、修正の準備をする役へ渡す使い方です。GitHubやGmailなどのプラグインも追加でき、GitHubでは触れるリポジトリを選べます。
安全面では、各Teammateのブラウザセッションは他のTeammateと分離され、保存した認証情報は暗号化されるとされています。ユーザーは完了した作業の確認、デスクトップの引き継ぎ、作業中の指示変更ができます。提供はまずウェブからで、iOS版は近日中にMaxの加入者向けに出る予定です。
競合各社の常時稼働エージェントと価格の違い
The Decoderは、今回の発表を各社の「常時稼働エージェント」競争の一環と位置づけています。比較対象として挙げられているのは、SpaceXのGrok Bots、MetaのMuse、OpenAIのDots(月額100ドルから)、AnthropicのDuet(月額20ドルから)です。
価格についてはThe Decoderが「Teammatesには月額200ドルのMaxプランが必要」と報じています。一方、Perplexity公式ブログでは具体的な価格の記載が確認できず、FreeとProの加入者は設定画面からアップグレードできると案内されています。月額200ドルという数字は、正式な料金ページでの確認が必要です。同じ記事では、利用量が増えたことでSpaceXがGrok Botsの利用上限を厳しくしたとも伝えており、常時稼働型は計算資源のコストが重い点が共通の課題だと分かります。
EC事業者にとっての論点と、今日からの備え
公式ブログが挙げる使用例は、EC運営の現場とかなり重なります。マーケティングでは、SNS投稿、メール施策、広告、SEOを管理し、競合のプロモーションや自社の成果を監視して、成果が落ちたら修正案を出します。競合が価格を変えたときに対応案を提案する例も示されています。カスタマーサポートでは、前日の苦情を確認して傾向をまとめ、返信案を作り、社内に修正を依頼して解決まで追跡します。オペレーションでは、締切の72時間前に未完了の項目をフォローアップする例が挙げられています。
楽天市場やAmazonの運営に置き換えると、レビューや問い合わせの傾向の週次まとめ、競合価格の変動監視、広告レポートの異常検知といった定型の見張り業務が候補になります。ただし、RMSや各モールの管理画面へのログインを任せるかどうかは慎重な判断が必要です。日本のモール運営でTeammatesがそのまま使えるかは、現時点では要確認です。
試すなら、次の3点から始めるのが現実的です。1つ目は、売上や顧客情報に触れない作業、たとえば競合調査や問い合わせ傾向の集計から任せること。2つ目は、権限を最小にして、外部サービス連携は読み取り中心にすること。3つ目は、承認が必要な操作を必ず人が確認する運用にすることです。常時稼働のAIは、権限を広げるほど便利になりますが、そのぶん誤動作の影響も大きくなります。
今後の動き
注目点は、有料プランの実際の価格と提供範囲、日本語の業務での精度、そして競合の価格帯との差です。月額20ドルから使えるAnthropicのDuet、100ドルからのOpenAIのDotsと並ぶことで、常時稼働エージェントは価格と安全性の両面で比較される段階に入りました。EC事業者にとっては、機能の派手さよりも、どの業務をどの権限で任せられるかを見極めることが、導入の成否を分けそうです。
まとめ
Perplexity Teammatesは、専用環境で動き続け、監視、報告、承認依頼までこなす常時稼働のAI担当者です。EC運営では、問い合わせ傾向の把握、競合の価格監視、広告の異常検知などに向きます。価格は報道と公式で情報が食い違うため、導入前に正式な料金を確認し、まずは権限を絞った小さな業務から試すことをおすすめします。
参考文献
- The Decoder: Perplexity now has its own always-on AI agent
- Perplexity公式ブログ: Teammates
- The Verge: Perplexity Teammates AI agents work
- The Decoder: OpenAI launches always-on Dots agents
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引用元: The Decoder
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。