Walmart Connect は2026年7月29日、スポンサープロダクト広告に除外キーワードを導入しました。
米ウォルマートの広告事業である Walmart Connect が、検索連動型のスポンサープロダクト広告に除外キーワードを追加しました。Amazon が何年も前から提供してきた機能にようやく追いついた形で、海外のリテールメディア運用では前提が一段変わります。日本で楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの広告を回している事業者にとっても、これは対岸の火事ではありません。除外キーワードという発想は、媒体に機能があるかどうかとは別に、無駄クリックをどこで止めるかという運用の型そのものだからです。本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。

Walmart Connect が2026年7月29日に除外キーワードを解禁
除外キーワードとは、指定した検索語では自分の広告を表示させない設定のことです。Walmart Connect はこれを2026年7月29日にスポンサープロダクト広告の全出稿者へ展開しました。マッチタイプは2種類で、完全一致の除外は語句が一字一句そのままの検索だけを止め、フレーズ一致の除外は指定した語句を含む検索を前後に別の語がついていてもまとめて止めます。設定はキャンペーン単位と広告グループ単位の両方で可能です。
対象は手動キャンペーンと、固定入札で運用している自動キャンペーンです。新規にキャンペーンを組むときに設定してもよく、すでに走っている広告グループへ後から追加することもできると、Walmart Connect のプレミアムパートナーである Pacvue が解説しています。あわせて、マーケットプレイス専門エージェンシーの Podean は、同時期にスポンサービデオ広告の最低入札額が0.80ドルから0.50ドルへ引き下げられた点も指摘し、今回の変更を「小さな機能ですが、影響は大きいものです」と評しています。
数字も追い風です。Pacvue の2026年第2四半期ベンチマークによると、ウォルマートのスポンサープロダクト広告におけるブランドの1日平均広告費は前年同期比で25%増、クリック率は23%増でした。予算が流れ込んでいる媒体で、無駄打ちを止める栓がようやく用意されたという構図です。
日本のEC事業者にとっての論点
日本の事業者がまず確認すべきなのは、自社がすでに持っている除外キーワードを使い切れているかどうかです。Amazon のスポンサープロダクト広告には、完全一致とフレーズ一致の除外キーワードが日本でも標準機能として用意されています。今回のウォルマートの動きは、裏を返せば「Amazon 出品者は何年も前からこの武器を渡されていた」という事実の再確認でもあります。検索用語レポートを開いたのが半年以上前、という状態なら、海外の新機能を追う前にそこから手を付けるべきです。
一方、楽天RPP広告や Yahoo!ショッピングのアイテムマッチは、店舗側がキーワードを指定して入札する設計ではなく、商品情報をもとに媒体側が検索語とマッチさせる仕組みです。そのため、Amazon と同じ意味での除外キーワード運用がそのまま移植できるわけではありません。各媒体の除外設定の有無や名称は改定が入りやすいため、最新の仕様はRMSや広告管理画面で要確認としてください。
ただし、楽天RPPにも実質的な「除外」として機能する操作はあります。RPPは商品名・キャッチコピー・商品説明の語からマッチングが起きるため、意図しない検索語で拾われているなら、その語を商品情報から外すことが最も直接的な対処になります。売れ筋を狙って盛り込んだ関連ワードが、結果的に転換しない検索面での露出を増やしているケースは珍しくありません。除外キーワードという機能がない媒体では、商品情報そのものが除外設定の代わりになるという理解が実務的です。うるチカラではAmazonスポンサープロダクトの運用やリテールメディアの拡大についても解説しています。
もう一つの論点が、自動キャンペーンと手動キャンペーンの共食いです。Podean は、自動キャンペーンが手動側ですでに入札している語を拾ってしまい、自動の成果が実力以上に見えてしまう問題を挙げています。対処として同社が示すのは、自社ブランド名を自動キャンペーンから外す、手動で消化額の大きい主要キーワードを自動から外す、手動キーワードを全て自動から外して自動を純粋なキーワード発掘装置にする、という3段階です。3つ目は影響が大きいため、いきなり全体展開せず特定キャンペーンでの検証から始めるのが現実的だとしています。この整理は、Amazon 広告のオート・マニュアル併用に悩んでいる日本の出品者にもそのまま当てはまります。
今後の展望と初動アクション
初動でやることは、機能の有無にかかわらず共通です。まず、直近30日分の検索用語レポートを全キャンペーンぶん書き出します。次に、クリックは発生しているのにコンバージョンがゼロで、かつ消化額が平均以上の語を洗い出し、フレーズ一致の除外候補として一覧にします。競合ブランド名など、そもそも入札する意図がなかった語は完全一致で止めます。ここまでは入札額も予算上限も触らずに実行できるため、リスクは低く済みます。
そのうえで、7日後と14日後に同じレポートを再取得して効果を測ります。除外は一度やって終わりではなく、週次で足していく運用に落とし込むことが前提です。Nova Analytics は、検索語の裾野が広いキャンペーンでは2週間以内にACOSが改善する可能性を挙げていますが、これはあくまで見通しであって保証された数値ではありません。自社の実測で確かめる姿勢が必要です。
中長期では、除外語の抽出そのものを自動化できるかが差になります。自動キャンペーンで転換した語を手動へ移し、移した語を自動から除外する。この往復を毎週手作業で回すのは現実的ではないため、APIや広告運用ツール、あるいは生成AIによるレポート整形を組み合わせて仕組み化しておく価値があります。うるチカラではGoogle広告のAI機能についても触れていますが、媒体側のAIが賢くなるほど、事業者側が「どこに出したくないか」を明示する作業の価値は上がります。
まとめ
Walmart Connect の除外キーワード解禁は、2026年7月29日にスポンサープロダクト広告へ導入された、完全一致とフレーズ一致の2種類の除外設定です。日本の事業者にとっての本質は海外の新機能そのものではなく、検索用語レポートから無駄な露出を潰す週次のループを回せているかどうかにあります。Amazon ならその機能はすでに手元にあり、楽天RPPなら商品情報の語の整理が代替手段になります。今週のうちに30日分のレポートを開くところから始めてください。
参考文献
- Pacvue「Negative Keywords for Walmart Sponsored Products: What Advertisers Should Know About Walmart’s Newest Release」(2026年7月30日)
- Podean「Walmart Unlocks Negative Keywords: What Advertisers Should Do Next」(2026年7月27日)
- Nova Analytics「Walmart Connect ships negative keywords for Sponsored Products」(2026年7月25日)
- Walmart Connect Advertising Help「Add & select keywords」
※うるチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴社のEC事業に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。
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引用元: Pacvue
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。