投稿者 TAKEHIRO SAITO投稿日: カテゴリー 越境EC
日本のEC事業者にとって、国内市場の成熟化と人口減少は避けて通れない課題となっています。しかし、海外に目を向けると、日本製品への需要は驚くほど高く、越境ECという形で新たな成長機会が広がっています。特に最近の円安傾向は、日本企業にとって追い風となっており、今こそ海外展開を真剣に検討すべきタイミングと言えるでしょう。
世界のEC市場における日本の立ち位置と可能性
経済産業省の2024年レポートによると、世界のEC市場シェアは中国が51.3%、米国が19.5%と、この2か国だけで全体の70%以上を占めています。日本は3.4%で世界第4位という位置にあります。一見すると日本のシェアは小さく見えるかもしれませんが、実は日本の越境ECには大きな特徴があります。
日本から中国への越境EC売上は約2.4兆円、米国への売上は約1.5兆円に達しています。一方で、日本が中国から購入する金額は440億円、米国からは3,768億円と、圧倒的に「売り手」としての立場が強いのです。つまり、日本製品は海外で非常に高い評価を受けており、越境ECを通じて大きな売上を生み出しているということです。この事実は、まだ越境ECに取り組んでいない日本企業にとって、大きなビジネスチャンスが存在することを示しています。
なぜ今、越境ECが急成長しているのか
越境EC市場が急速に拡大している背景には、いくつかの重要な要因があります。まず、SNSやインターネットの普及により、世界中の消費者が日本製品の情報に簡単にアクセスできるようになりました。特にスマートフォンの普及は、どこにいても商品を検索し、購入できる環境を作り出しています。日本の化粧品、食品、アニメやゲーム関連商品などは、SNSを通じて世界中にファンを獲得しており、これらの消費者は越境ECを通じて実際に購入しています。
また、コロナ禍での行動制限も越境EC市場の成長に大きく貢献しました。外出が制限される中、これまで実店舗でしか買い物をしなかった層もオンラインショッピングを利用するようになり、その便利さから継続的に利用する人が増えています。例えば、健康志向の高まりから、米国製のサプリメントや健康食品を日本の消費者が越境ECで購入するケースも増えており、場合によっては日本で購入するよりも安価に入手できることから人気を集めています。
さらに、越境ECの大きな魅力は、海外に物理的な店舗を構える必要がないことです。現地での店舗賃料や人件費といったコストを削減しながら、世界中の顧客にリーチできるため、中小規模の企業でも比較的容易に海外展開が可能になっています。
越境ECの未来と日本企業の取るべき戦略
市場調査機関Facts & Factorsの予測によると、世界の越境EC市場は2030年までに7兆9,380億ドル（約1,190兆円）に達すると見込まれています。これは2021年の7,850億ドルから約10倍の成長であり、年平均成長率は約26.2%という驚異的な数字です。この予測は、越境EC市場がまだまだ成長の初期段階にあることを示しており、日本企業にとって大きなチャンスが広がっていることを意味します。
日本企業が越境ECで成功するためには、まず自社の強みを明確に認識することが重要です。日本製品の品質の高さ、きめ細やかなサービス、独自の文化的価値は、世界市場で大きな競争力となります。現在の円安傾向も相まって、価格競争力も向上しており、越境EC参入には絶好のタイミングと言えるでしょう。
ただし、成功のためには適切な準備が不可欠です。ターゲット国の市場調査、現地の法規制への対応、物流体制の構築、そして何より重要なのが決済システムの整備です。例えば、Stripe Checkoutのようなサービスは30以上の言語と135以上の通貨に対応しており、越境ECサイトの決済ページを最適化・簡素化できます。顧客にとってスムーズで安心できる決済体験を提供することは、購入完了率の向上に直結し、ビジネスの成功につながります。
越境ECは、日本のEC事業者にとって新たな成長エンジンとなる可能性を秘めています。国内市場の限界を感じている企業も、海外に目を向けることで大きな飛躍のチャンスを掴むことができるでしょう。今こそ、世界市場への扉を開く時です。
引用:STRIPE
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