Google AI Mode利用者10億人突破|EC事業者3つの論点

GoogleのAI Modeが月間10億ユーザー突破。検索クエリは3倍長く画像検索も急増。日本のEC事業者が商品ページと画像を見直すべき3つの論点を解説します。

投稿日: カテゴリー AIニュース

Googleは2026年5月19日、I/O 2026に合わせて生成AI検索機能AI Modeの米国提供開始から1年経過時点で、月間アクティブユーザーが10億人を突破したと発表しました。AI Modeでの検索数は提供開始以降、四半期ごとに2倍超のペースで増えており、米国検索の6件に1件は音声か画像が起点になっています。日本のEC事業者にとっては、商品ページの「テキスト前提・短いキーワード前提」の作りこみが急速に陳腐化するという話です。

何が発表されたか

発表者はGoogleのVice President, Data Science and UXRであるShivani Mohanで、内容はAI Modeの米国提供1周年に合わせた利用実態の公開です。元データはGoogleがブログで自社開示しており、主要な数字は以下のとおりです。

AI Modeのグローバル月間アクティブユーザーは10億人を超えました。AI Mode経由のクエリ数は提供開始以来、毎四半期2倍以上のペースで増え続けています。米国における検索のうち、6件に1件以上が音声または画像をきっかけとした検索になり、画像検索は月次で40%以上の伸びを示しています。

ユーザーの使い方も従来検索と大きく異なります。AI Modeでの検索クエリは従来検索の約3倍の長さで、「自分の予算と用途に合うランニングシューズを比較したい」のような条件提示型・相談型の入力が中心です。直近6か月で「計画」関連クエリは80%、「ブレインストーミング」関連クエリは全体平均より30%高い伸びとなっています。

Googleはあわせて、I/O 2026の場でGemini 3.5 FlashやUniversal CartなどAI Modeの背後で動く新モデル・新機能群を公開しました。検索結果ページが「リンクの羅列」から「条件に合わせて回答とおすすめ商品が返ってくる場」へとさらに動いている、というのが今回のメッセージの中核です。

日本のEC事業者にとっての論点

ひとつめは、商品ページのテキスト設計の方向転換です。AI Modeは、ユーザーが入力した長文クエリを内部で複数の検索に分解し、関連するページ群から要約と推薦を組み立てます。「ランニング シューズ」のような2語キーワードで上位に出るだけでは足りず、「フルマラソン4時間切りを狙う、土踏まずが高い、距離は週60km」というような条件文に商品ページがマッチするかが評価対象になります。楽天市場・Amazon・Shopify・Yahoo!ショッピングのどこに出店していても、商品名・商品説明・スペック表現を「条件文に答える形」にリライトする作業が、SEOの新しい主戦場です。

ふたつめは、画像検索流入の取りこぼしです。米国で画像検索が月40%伸びている状況は、Google レンズとGoogle Shoppingの融合が進んでいることを示しています。日本でもGoogleレンズ経由の流入は1〜2年でEC流入の主要チャネルに加わると見るべきで、楽天市場の商品画像、AmazonのメインイメージとAプラス画像、Shopifyの商品ギャラリーすべてで「背景・構図・テキスト焼き込み」の最適化が必要です。とくにファッション・コスメ・インテリアのような視覚比較型カテゴリは影響が大きく、サムネ最適化を後回しにしている店舗は早急に着手したほうが安全です。

みっつめは、商品比較データの構造化です。AI Modeは商品ページから価格・スペック・在庫・レビュー要約を抽出して「比較表」を生成して返します。Schema.org の Product / Offer / AggregateRating / Review といった構造化データがきちんと出ていないと、AI Modeの比較対象に入りません。Shopifyや自社ECは制御権があるので即対応可能、楽天市場とAmazonはモール側の出力に依存しますが、それでも商品名・商品説明・スペック欄の書き方で読み取られやすさは大きく変わります。

今後の動き・初動アクション

AI Modeは米国先行ですが、日本でもGoogle検索の生成AI機能が段階的に拡大しており、今回の数字は「Googleが本気でAI検索へ移行している」ことを示す明確なシグナルです。初動として優先度が高いのは次の3点です。

ひとつは、主要商品10〜30点を選んで「条件文クエリ」を10本ずつ書き出し、それに答える文面が商品ページに含まれているかを点検することです。たとえば「初心者向け」「ギフト用」「敏感肌でも使える」など、ユーザーがAI Modeに投げそうな条件を商品説明の中で言語化していきます。

ふたつめは、商品画像の刷新です。背景白の単品撮影だけでなく、使用シーン・サイズ感比較・主要スペックを焼き込んだ説明画像を1〜2枚追加します。AI Modeは画像を読み取ってクエリにマッチさせるため、商品の特徴が画像から伝わるほど露出機会が増えます。

みっつめは、構造化データの再整備です。自社ECなら Product / Offer / Review のスキーマをページに埋め込み、楽天・Amazon出店者は商品名・スペック欄を「比較で問われやすい属性順」に整理し直します。レビュー件数・平均評価が表示されているページは、AI Modeの比較表に採択されやすくなります。

まとめ

AI Modeの利用者10億人突破は、検索ユーザーの行動が「キーワード入力→リンククリック」から「条件文相談→AI回答」へ移行しつつある決定的な数字です。日本のEC事業者は、商品ページのテキストを条件文回答型に書き直し、画像を最適化し、構造化データを整える3点セットで、AI検索時代の流入機会を取り逃さない準備に入るべきタイミングです。

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引用元: Google The Keyword


【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)


投稿者: 齋藤竹紘

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。

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