GPT-4.5は6月27日・o3は8月26日にChatGPTから廃止|EC事業者の乗り換え先と移行プロンプト4本

投稿日: カテゴリー ChatGPT

GPT-4.5とo3の廃止とは、ChatGPT上で両モデルが2026年6月27日と8月26日に順次使えなくなることです。

ChatGPTのモデル選択メニューからGPT-4.5が消えていることに、もうお気づきでしょうか。カスタムGPTをGPT-4.5前提で組んでいた店舗では、6月末から挙動が変わったという相談が実際に届いています。OpenAIはGPT-4.5を2026年6月27日、推論モデルのo3を2026年8月26日にChatGPTから廃止するスケジュールを進めており、o3の停止まで残り約6週間です。本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)の現場知見にもとづき、廃止スケジュールの正確な整理、EC業務ごとの乗り換え先、プロンプト資産を安全に移す手順を、移行プロンプト4本つきでまとめます。

廃止スケジュールの正確な整理:ChatGPTだけの話でAPIは対象外

いちばん誤解が多い点から片付けます。今回の廃止は「ChatGPT(Web・アプリ)」の話であり、OpenAI APIは対象外です。OpenAIのモデルリリースノートによると、GPT-4.5は30日間の告知期間を経て2026年6月27日にChatGPTから廃止(6月26日時点で選択不可に)、o3は90日間の告知期間を経て2026年8月26日に廃止されます。APIで両モデルを叩いている外部ツールや自社システムは当面動き続けるため、「全部止まる」と慌てて総取り替えする必要はありません。APIの廃止予定はOpenAIのDeprecationsページで別途管理されており、こちらを監視するのが正しい姿勢です。

今回の2モデルで、ChatGPT内のGPT-4系は完全に幕を下ろします。2026年前半にはGPT-4o、GPT-4.1、GPT-4.1 mini、o4-miniが先行して削除され、6月12日にはGPT-5.2系(Instant・Thinking・Pro)も整理されました。OpenAIは「利用の少ない旧モデルを整理し、新しいモデルに計算資源を集中する」と説明しており、ChatGPTで選べるのは実質GPT-5.5系・GPT-5.6系と残る推論系のみになります。GPT-4.5を使っていた既存の会話スレッドは、GPT-5.5に自動で引き継がれて継続できる仕様です。

現在の受け皿を確認しておくと、日常業務のデフォルトはGPT-5.5 Instant、高度な推論・長時間タスクは2026年7月9日に出たばかりのGPT-5.6ファミリー(フラッグシップのSol、バランス型のTerra、軽量のLuna)が担います。o3で回していた「じっくり考えさせる」系の業務は、GPT-5.6 Solの推論設定が実質的な後継です。モデル体系の詳細はGPT-5.6とGPT-5.5の違い比較で詳しく解説しています。

なぜこの整理が重要かというと、EC事業の現場では「モデル名を固定して作った資産」が想像以上に多いからです。カスタムGPT、社内マニュアルのスクリーンショット、プロンプト集のただし書き、外注先との仕様書。この4か所にGPT-4.5やo3の名前が残っていると、8月26日以降に「マニュアル通りやったのに動かない」問い合わせが社内から噴き出します。廃止対応とは、モデルの乗り換えそのものより、この資産の棚卸しと書き換えの作業です。

時系列でも整理しておきます。2026年のChatGPTでは、前半にGPT-4o・GPT-4.1・GPT-4.1 mini・o4-miniの削除、6月12日にGPT-5.2系3種の廃止、6月27日にGPT-4.5の廃止、そして8月26日にo3の廃止と、半年で8モデル前後が退場する計算になります。この頻度は2025年までの感覚とは明らかに違います。かつては「一度選んだモデルを1〜2年使う」が通用しましたが、いまは四半期ごとにラインナップが動く。モデル廃止を例外的な事件ではなく、四半期ごとの定常イベントとして業務カレンダーに組み込む発想の転換が求められています。

EC業務別の乗り換え先:何をどこへ移すか

移行先の選択は、業務を「速度優先」と「精度優先」に二分すると迷いません。

速度優先の業務、つまり商品説明文の下書き、レビュー返信文案、メルマガ件名の量産、問い合わせ一次回答のような大量・定型のタスクは、GPT-5.5 Instantが受け皿です。GPT-4.5からの移行では、体感速度はむしろ上がるケースが多く、出力の言い回しが変わる点だけ再検証が要ります。無料デフォルトモデルとして提供されているため、追加費用も発生しません。GPT-5.5 Instantの挙動変化についてはGPT-5.5 Instantの変更点とEC活用にまとめてあります。

精度優先の業務、つまり価格改定の影響試算、在庫の発注量判断、複数モールの販売データを突き合わせた戦略分析、RPP広告の入札設計のような「間違いのコストが高い」タスクは、o3からGPT-5.6 Sol(推論設定)へ移すのが本線です。o3とGPT-5.5の比較検証はo3とGPT-5.5の違いで行いましたが、GPT-5.6世代の登場でこの構図は一段進み、推論の粘り強さとツール実行の安定性はSolが上回る場面が増えています。

商品ジャンル別の温度感にも触れておきます。食品ギフトのように商品説明の型が決まっているジャンルは、GPT-5.5 Instantへの移行で品質劣化がほぼ出ません。一方、化粧品・サプリのように薬機法の言い回し制御が生命線のジャンルでは、モデルが替わると「ギリギリ攻めた表現」の出方が変わるため、表現チェックのプロンプトごと再検証が必須です。アパレルはブランドの口調再現が論点で、トーン指定を明文化してから移すと崩れにくい。自店のジャンルがどのタイプかで、検証の重点配分を変えてください。

判断に迷いやすいのがカスタムGPTです。GPT-4.5ベースのカスタムGPTは6月27日以降、後継モデルでの動作に切り替わっており、「作った当時と応答が違う」という違和感の正体はモデル差です。ナレッジファイルや指示文はそのまま引き継がれますが、指示文の中にモデルの癖を前提にした書き方(「簡潔に」の効き方、口調の指定など)があると、出力の温度感が変わります。放置せず、後述のプロンプト3で回帰テストをかけてください。

もう1つの盲点が外注・ツール経由の間接利用です。商品説明文の生成を外注業者やSaaSツール経由で行っている場合、その裏側がChatGPTなのかAPIなのか、モデルは何か、を把握していない店舗が大半です。8月のo3廃止前に、取引先へ「使用モデルと廃止対応の予定」を一度確認しておくと、納品物の品質が突然変わる事故を予防できます。

移行の実装手順:プロンプト4本で棚卸しから再検証まで

移行は「棚卸し→書き換え→回帰テスト→切り替え」の4段階です。以下のプロンプトはChatGPT(GPT-5.6系・GPT-5.5系)でそのまま動き、ClaudeやGeminiでも使えます。

1本目は資産の棚卸しです。どこにモデル名依存が潜んでいるかを、質問形式で掘り起こします。

プロンプト1:モデル依存資産の棚卸し

あなたはEC店舗のAI運用監査の担当者です。
GPT-4.5とo3のChatGPT廃止(2026年6月27日/8月26日)に備え、以下の質問に私が答える形で、モデル依存資産の一覧を作ってください。
質問観点:
1. カスタムGPTの一覧と、それぞれのベースモデル・用途
2. 社内マニュアル・手順書でモデル名を明記している箇所
3. 定型プロンプト集の中で、特定モデルの挙動を前提にした指示
4. 外注先・利用ツールでモデル名が契約や仕様書に入っているもの
最後に「資産名/依存箇所/リスク(高・中・低)/対応期限」の一覧を出力してください。

2本目はプロンプトの書き換えです。旧モデル前提の指示文を、新モデル向けに調整します。

プロンプト2:旧モデル用プロンプトの書き換え

以下はGPT-4.5(またはo3)向けに作った業務プロンプトです。
GPT-5.6系での利用を前提に、次の観点で書き換えてください。
1. モデル名・機能名への言及を現行名称に更新
2. 出力形式の指定を明示化(旧モデルの暗黙の挙動に依存している箇所を明文化)
3. 冗長になった指示の簡素化(新モデルで不要になった制約の削除)
4. 変更点の一覧(変更前→変更後→理由)
旧プロンプト:{貼付}
用途:{商品説明文生成/レビュー返信/分析など}

3本目は回帰テストです。移行前後の出力を同条件で比較し、品質の劣化や様変わりを検知します。

プロンプト3:移行前後の回帰テスト

以下は同じ業務プロンプトに対する「旧モデル(GPT-4.5/o3)の出力」と「新モデルの出力」です。
EC実務の観点で両者を採点してください。
評価軸(各10点満点):
1. 事実の正確性(商品仕様・数字の取り違えがないか)
2. 表記の安全性(薬機法・景表法上のリスク表現の有無)
3. トーンの一貫性(ブランドの口調から外れていないか)
4. そのまま使える度(手直し工数の見込み)
合計点と、新モデル運用で追加すべき指示を提案してください。
旧モデルの出力:{貼付}
新モデルの出力:{貼付}

4本目は判断業務の移行専用です。o3で行っていた推論系タスクをGPT-5.6 Solに渡すときの検証に使います。

プロンプト4:推論タスクの移行検証(o3→GPT-5.6 Sol)

以下の判断課題について、結論だけでなく判断過程を明示して回答してください。
出力構成:
1. 結論(1文)
2. 判断に使った前提と数字(出典・根拠つき)
3. 検討した選択肢と棄却理由
4. この判断が外れるとしたらどこか(リスクの自己申告)
課題:{例:主力商品Aの在庫が30日分ある。競合が10%値下げした。追随すべきか}
参考データ:{売上・在庫・粗利などを貼付}

o3からの移行では、この4番の「判断過程の明示」を必ず入れてください。旧モデルと新モデルで結論が同じでも、根拠の立て方が違うことがあり、そこを見ずに切り替えると「なぜその発注量なのか」を説明できない状態に陥ります。

回帰テストの運用面も補足します。テストに使う入力は、実際の業務で過去に使った本物のデータ(先月の売上集計、実在レビューなど)を3〜5件選んで固定してください。テスト用に作った綺麗なサンプルだけで検証すると、実データ特有の欠損や表記ゆれで移行後につまずきます。ある楽天店舗のケースでは、レビュー返信テストをサンプル文で通したあと、実レビューに含まれる絵文字と誤字で出力が崩れることが本番で発覚しました。汚いデータでテストするのが回帰テストの鉄則です。

切り替えのタイミングは、8月26日を待たず7月中の完了を推奨します。8月後半はお盆と秋商戦の準備が重なり、検証に使える時間が現実的に取れないためです。

失敗例と回避策

直近の支援案件で観測したつまずきを3つ共有します。

1つ目は「動いているから大丈夫」という誤認です。GPT-4.5ベースのカスタムGPTは廃止後も後継モデルで動き続けるため、一見無事に見えます。ある雑貨ジャンルの店舗では、レビュー返信のカスタムGPTの口調が6月末から硬くなり、常連客への返信が事務的になっていたことに3週間気づきませんでした。エラーが出ない移行こそ、回帰テストを意図的に仕込む必要があります。

2つ目は「全業務の一斉切り替え」です。プロンプト資産が50本を超える店舗が一気に書き換えた結果、どの変更が品質差の原因か切り分けられなくなりました。売上影響の大きい業務から週に5〜10本ずつ移す段階移行が、検証精度の面でも担当者の負荷の面でも安全です。

3つ目は「APIとChatGPTの混同」による過剰対応です。API経由の社内ツールまで「8月に止まる」と誤解して改修予算を積んだ会社がありましたが、APIの廃止スケジュールは別建てです。対象がChatGPT上の利用だけであることを社内に正確に伝えるだけで、不要な工数を丸ごと削れます。

KPI設計と費用・工数目安

移行工数の目安は、カスタムGPT 5本・定型プロンプト30本規模の店舗で、棚卸し2時間、書き換え3〜4時間、回帰テスト3時間、合計8〜9時間程度です(2026年7月時点の見込み)。費用面の変化はほぼなく、ChatGPT Plusは月20米ドルのまま、GPT-5.5 Instantは無料枠でも使えます。o3相当の推論をGPT-5.6 Solで多用する場合は、プラン上限との兼ね合いで上位プランを検討する余地があります(利用枠はプラン・時期で変動するため要確認)。

移行の成否を測るKPIは、回帰テストの合格率(移行対象プロンプトのうち手直しなしで合格した割合)、移行後1か月の手直し発生率、そして社内問い合わせ件数の3つで十分です。5,000社支援の中で何度も再現したパターンとして、モデル移行の失敗は技術の問題ではなく「誰も回帰テストの担当になっていない」体制の問題で起きます。担当1名と完了期限を決めることが、どのプロンプトより効きます。

工数を金額に換算すると、移行9時間×時給2,000円で約1万8,000円。対して、移行を放置して品質劣化に気づかなかった場合の損失は読みにくいものの、レビュー返信の口調悪化が星評価に波及したり、薬機法リスク表現が広告に紛れたりすれば、回収コストは数十万円規模になりえます。保険としてはかなり割のいい投資です。逆に、ChatGPTの利用が「たまに調べ物をする」程度でカスタムGPTも定型プロンプトも持っていない店舗なら、今回の廃止で特にやることはありません。デフォルトモデルのまま使い続けて問題ない、という判断も立派な結論です。

今後の展望と独自考察

今回の廃止で読み取るべきは、OpenAIのモデルライフサイクルが明確に短期化していることです。GPT-5.2は登場から数か月で整理され、GPT-4.5も約1年で退場しました。ChatGPT上のモデルは「安定した基盤」ではなく「定期的に入れ替わる部品」として扱う前提が、2026年以降の標準になります。

この前提に立つと、EC事業者が持つべき資産は「特定モデルに最適化したプロンプト」ではなく「モデルが替わっても崩れない業務設計」です。具体的には、プロンプトを用途別に一元管理する台帳、移行時に回す回帰テストの型、出力品質の判定基準の3点セット。本記事のプロンプト1〜4はそのまま次回の移行(GPT-5.5系の整理はいずれ来ます)でも使い回せます。モデル廃止のたびに慌てる店舗と、半日で移行を終える店舗の差は、この仕組みの有無だけです。ブラウザ側でもChatGPT Atlasの終了が同時期に進んでおり、2026年夏はOpenAI環境の「引っ越しの夏」と割り切って、資産の整理に半日投資する価値があります。

よくある質問

GPT-4.5とo3はいつからChatGPTで使えなくなりますか

GPT-4.5は2026年6月27日に廃止済みで、すでに選択できません。o3は2026年8月26日に廃止予定です。いずれもChatGPT上の話で、OpenAI APIでは別のスケジュールが適用されます。

APIで使っているGPT-4.5やo3も止まりますか

いいえ、今回の廃止はChatGPT製品内のみが対象で、APIは含まれません。APIの廃止予定はOpenAIのDeprecationsページで別途告知されるため、API利用者はそちらを定期確認してください。

GPT-4.5で作ったカスタムGPTはどうなりますか

消えはせず、後継モデル(GPT-5.5系)での動作に切り替わります。ただし出力の口調や構成が変わる場合があるため、業務で使うカスタムGPTは回帰テストでの再検証を推奨します。

o3の代わりはどのモデルを選べばよいですか

判断・分析系の業務ならGPT-5.6 Sol(推論設定)が実質的な後継です。速度重視の定型業務ならGPT-5.5 Instantで十分なケースが多く、業務を精度優先と速度優先に分けて振り分けるのが定石です。

移行にお金はかかりますか

いいえ、モデルの乗り換え自体に追加費用はかかりません。既存のChatGPTプラン内で新モデルを選ぶだけです。かかるのは検証の工数で、中規模店舗なら合計8〜9時間が目安になります。

何から手をつければよいですか

プロンプト1の棚卸しから始めてください。モデル名依存がどこに潜んでいるか一覧化できれば、書き換えとテストの分量が見積もれます。o3廃止の8月26日から逆算し、7月中の完了が安全圏です。


著者:齋藤竹紘(株式会社オルセル 編集長/5,000社以上のEC支援実績/書籍3冊)


参考文献

※うるチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴社のEC事業に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。
https://uruchikara.jp/contact/


【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)


投稿者: 齋藤竹紘

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。

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