新商品セレクションプログラム2026とは、新規ブランドASINの初期費用を軽くするAmazonの特典制度のことです。
Amazonが、新規商品の立ち上げ費用を抑える特典制度「New Selection Program(新商品セレクションプログラム)」を刷新し、2026年7月30日以降に登録されるブランドASINから新版へ切り替わります。販売手数料の上限化、200個までの保管料無料、クーポン費用とVine登録費用のクレジットなどが柱で、対象は米国のAmazonマーケットプレイスです。10月31日までは既存加入者に自動適用される導入期間が設けられていますが、その後も特典を受け続けるには期限内の加入確認が必要になります。本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。

7月30日から何が変わるのか
結論から言えば、変わるのは特典の受け取り方と上限です。PPC LandがAmazonセラーセントラルの公式ドキュメントをもとに整理したところによると、新版はFBAに初めて投入されるブランドASINを対象に、最初の100個までの販売手数料を10パーセント(もともとの料率のほうが低ければその料率)に、次の100個を5パーセントに抑えます。従来のように後から返金を受けるのではなく、販売時点で自動的に計算される形です。
販促面では、購入可能なオファーを掲載してから60日以内に使える枠として、Vine登録費用のクレジットが75ドル、クーポン費用のクレジットが50ドル用意されます。いずれも60日を過ぎた分は繰り越しできません。物流面では、最初のFBA納品が到着してから120日間、最初の200個について保管料、在庫保管率の追加料金、在庫僅少手数料がかからず、返品処理と在庫の処分費用も無料になります。Vineの事前レビュー用サービスを使う場合は、これらの期間が45日延長されます。
対象となるのは、過去12か月間にどの出品者からもFBA納品がなかったブランド付きの親ASINです。中古品は対象外で、本、DVD、音楽、ソフトウェア、コンピューター・ビデオゲーム、ビデオ、ゲーム機本体と周辺機器などのカテゴリーも除外されます。大口出品プランであること、在庫パフォーマンス指標(IPI)が直近6か月で300以上であることも条件に含まれます。
見落としやすい2つの日付と、他制度との関係
もっとも注意が必要なのは、7月30日ではなく10月31日のほうです。すでに旧プログラムに加入している出品者は、7月30日から10月31日までに登録する新規ブランドASINについては手続きなしで新版の特典を受けられます。ただしこれは導入期間の扱いで、11月以降に登録するASINにも特典を適用したい場合は、10月31日までに更新後の規約に同意して加入を確定させる必要があります。未加入の既存FBA出品者向けには、6月17日から直接加入の窓口が開いています。
もう一つ、収支計算に響くのが新規出品者向けインセンティブ(New Seller Incentives)との関係です。両方の条件を満たす場合、販売手数料クレジット、Vineクレジット、クーポンクレジットのように内容が重なる特典は新規出品者向けインセンティブ側から先に消費され、それが尽きてから新版の特典が適用されます。一方で、処分費用無料や返品処理無料、保管料の免除といった新版固有の特典は、重複扱いにはなりません。
新旧の比較についてAmazonは対照表を公開していません。PPC Landが紹介した出品者フォーラムの書き込みでは、処分無料と返品無料の期間が180日から120日に短縮され、手数料クレジットの上限が12パーセントから10パーセント以下に変わったという指摘が出ています。これは公式見解ではなく出品者側の読み解きであり、実際の適用条件はセラーセントラルの記載で確認する必要があります。反対にEcomCrewは、保管料無料の対象数量が従来のおよそ100個から200個へ広がり、クーポン費用やVine登録費用まで対象が拡大した点を前進として評価しています。手厚くなった部分と短くなった部分が同居しているというのが実像に近いところです。
日本の事業者が読み直すべき3つの視点
第一に、対象がAmazonの米国マーケットプレイスである点を押さえることです。日本のAmazon.co.jpで同じ内容・同じ日程の改定が行われるかは、現時点の公開情報からは確認できません。ここは要確認とし、セラーセントラルの日本向け告知で個別に確かめてください。逆に言えば、越境で米国Amazonに新商品を投入する予定がある事業者にとっては、納品到着日を7月30日以降に寄せるだけで初期費用の前提が変わります。
第二に、立ち上げ費用の試算を数字で作り直すことです。手数料上限が100個ごとに段階的で、保管料免除が200個・120日という区切りである以上、投入数量と回転の見込みによって恩恵の大きさが変わります。100個で完売する商品と、200個を4か月かけて売る商品では、恩恵の出どころがまったく違います。ここは粗利シミュレーションの型を用意しておくと、条件を差し替えながら比較しやすくなります。生成AIに計算そのものを丸投げするのではなく、数量と期間を変えた複数パターンの表計算を組み立ててもらい、判断は人が行う形が現実的です。
第三に、期限管理を担当者の記憶から外すことです。60日、90日、120日、そして10月31日と、期間の異なる条件が同時に走ります。商品ごとの納品到着日を起点に、いつ何の特典が切れるのかを1枚の記録に残しておくだけで、意図せず費用が跳ねる事故は減らせます。FBA手数料の値上げ局面で利益を守る初動と同じで、料率そのものより、条件を満たしているかどうかの管理のほうが結果を左右します。
なお、Amazonは7月に入って商品名を75文字に統一する仕様変更や、おすすめ出品の事前審査の廃止も進めています。商品ページの書式、カート獲得の判定方法、立ち上げ費用の三つが同じ時期に動いているため、新商品の投入計画は個別ではなく一続きの流れとして見直すのが安全です。
まとめ
新商品セレクションプログラム2026は、7月30日以降に登録する新規ブランドASINから適用され、手数料上限、200個・120日の保管料免除、60日以内のクーポンとVineのクレジットが柱になります。対象は米国マーケットプレイスで、日本での扱いは要確認です。10月31日までの加入確認と、投入数量に合わせた費用試算のやり直し、この2点を先に片づけておくことをおすすめします。
参考文献
- PPC Land: Amazon gives sellers until October 31 to lock in FBA fee credits
- EcomCrew: Amazon Expands FBA New Selection Program Benefits Starting July 30
- Amazon Seller Central: FBA New Selection Program(公式告知)
- EcomCrew: What Is the FBA New Selection Program

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引用元: PPC Land
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。