返品ポリシー整合性チェックスキル|特商法と7箇所の表記ズレを検出

返品ポリシーの法令違反と表記ズレを横断検出するスキルを解説します。特商法・民法・PL法との整合と、商品ページ・特商法ページ・FAQ・利用規約・注文確認メールなど7箇所の食い違いを数分で洗い出し、修正版テキストまで生成します。

投稿日: カテゴリー EC×AI活用

このスキルを使うと、返品ポリシーの法令違反と表記ズレが一度に洗い出せます。

返品条件は、商品ページ、特商法ページ、FAQ、利用規約、注文確認メールと、少なくとも7箇所に書かれています。書いた時期も担当者も違うため、返品可能期間が商品ページでは「到着後8日」、FAQでは「到着後7日」になっているといったズレが起こります。返品・返金ポリシー整合性チェックスキルとは、この7箇所の表記を横断で突き合わせ、同時に特商法・民法・PL法・景表法との整合も判定するスキルのことです。本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。

このスキルでできること|法令準拠と表記整合の2軸で見る

このスキルは、返品ポリシーを「法令準拠」と「表記整合」の2軸で検査します。片方だけでは事故が防げないためです。

法令準拠の側では、まず不良品・誤発送への対応が排除されていないかを見ます。「弊社規定により一切の返品不可」という書き方は、お客様都合の返品だけでなく不良品の返品まで拒否する文面になるため、包括的な否認としてNG判定になります。特商法の返品特約があればお客様都合の返品は免除できますが、民法の契約不適合責任やPL法にもとづく不良品対応まで契約で消すことはできない、という整理です。あわせて、通販には法定のクーリングオフが無いにもかかわらず「クーリングオフ対応」と書いてしまう誤用や、定期購入の解約条件の妥当性も判定します。

表記整合の側では、返品可能期間、返送料の負担者、返金方法、返金タイミング、返品の連絡方法、返品不可の例外という6項目について、商品ページ・特商法ページ・FAQ・利用規約・注文確認メール・配送同梱物・モール側ショップ情報ページの各箇所を突き合わせ、食い違っている箇所をすべて列挙します。楽天市場の店舗情報ページ、Amazonの出品者プロフィール、Yahoo!ショッピングの会社概要まで対象に含まれるため、モール横断で出店している店舗ほど効きます。

さらに、「全額返金保証」と書きながら送料や手数料を差し引いている、「返品OK」と書きながら実際の条件では受けられない、といった景表法上の有利誤認も検出対象です。

実際の使い方|文言を貼るだけで修正版まで出る

使い方は、Claude Code上で「返品ポリシーの整合性をチェックして」と伝え、対象の文言を貼り付けるだけです。スキルはALSEL Agent Skillsから配布しています。

入力として渡すのは、商品ページの返品セクション、特商法ページの返品・交換項目、FAQの返品関連Q&A、利用規約の該当条項、注文確認メールのテンプレートです。すべて揃っていなくても、手元にある分だけで検査は始まります。ショップのジャンル(化粧品・食品・家電・アパレル・サプリ)と、通常販売か定期購入か受注生産かを伝えると、業界別テンプレートとの照合まで走ります。

出力は5部構成です。法的妥当性の判定、6項目×各表示箇所の整合性マトリクス、重大リスクの列挙、そして商品ページ用・特商法ページ用・FAQ用・確認メール用の修正版テキスト、最後に確認チェックリストが並びます。指摘だけで終わらず、そのまま貼り替えられる文面が出てくるのが実務上の要点です。

起動キーワードは「返品特約のチェック」「返金条件のブレ」「特商法と返品ページが矛盾」「未使用未開封のみ」といった言い回しでも反応します。

導入による業務インパクト|棚卸し半日が数分に

従来、返品ポリシーの棚卸しは担当者が7箇所の文面を並べて目視で突き合わせる作業でした。商品ジャンルが複数ある店舗では半日仕事になり、しかも見落としが起きます。このスキルを使うと、収集した文面を渡してから結果が出るまでの作業が数分に収まります。

効果が大きいのは、モールと自社ECを併売していて、ポリシー文面が3系統以上に分かれている店舗です。セール期やギフト需要期の前に一度通すと、問い合わせ対応の食い違いを事前に潰せます。

限界も正直に書きます。このスキルは渡された文面を検査するもので、サイトを自動巡回して文言を集めてくるわけではありません。収集は人が行う前提です。また出力は法令の一般的な整理にもとづく判定であり、個別の紛争対応や最終的な法的判断は弁護士の確認が要ります。特商法ページ全体の網羅性チェックは特商法表記チェックスキル、薬機法・景表法の表現チェックは薬機法・景表法チェックスキルと役割が分かれています。

まとめ

返品ポリシー整合性チェックスキルは、返品条件が複数ページに分散している店舗、モールと自社ECを併売している店舗、定期購入を扱っている店舗に向いています。一歩目としては、商品ページと特商法ページとFAQの3箇所だけを手元に集め、返品可能期間と返送料負担が一致しているかを検査してみてください。ここがズレている店舗は少なくありません。返品対応の考え方そのものについては、返品ポリシーの論点整理の記事もあわせてご覧ください。

参考文献

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【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)


投稿者: 齋藤竹紘

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。

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