Anthropicは2026年9月25日、Claudeのプラグインを誰でも申請・公開できるポータルを開設しました。
Claudeプラグインとは、MCPコネクタとAgent Skillsの一方または両方をひとまとめにした、Claudeの拡張機能のことです。Claude公式ブログの発表によると、有料プランの開発者であれば新設の申請ポータルからプラグインを提出でき、審査を通過するとClaudeディレクトリに掲載されます。受注管理システムやカート、物流サービスを提供する事業者にとっては、Claudeの利用者に自社ツールを直接届ける窓口が正式に開いたことになります。本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援を2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が、Claudeプラグインの申請ポータルの中身と、日本のEC事業者にとっての3つの論点を解説します。

Claudeプラグイン申請ポータルで何が変わったか
結論から言うと、これまで散らばっていたコネクタとスキルの公開経路が「プラグイン」に一本化され、申請から公開、公開後の分析までを1つのポータルで管理できるようになりました。Anthropicはプラグインを、サードパーティがClaudeの拡張機能を作る主な手段と位置づけています。
申請の方法は2通りです。1つ目は、自社でホストしているリモートMCPサーバーを指定して、単体のコネクタとして申請する方法です。2つ目は、複数のMCPサーバーとスキルを組み合わせてGitHubに置き、そのリポジトリをプラグインバンドルとして申請する方法です。Claude Codeで使うプラグインには、コマンドやフック、エージェントなども含められます。
申請後の流れも整備されました。提出と同時に自動検証と安全性スキャンが走り、問題があれば早い段階でわかります。ポータル上では審査の進み具合やスキャン結果、推奨される修正点を確認でき、承認後はいつ公開するかを開発者自身が決められます。
公開後には、利用画面やバージョン別のインストール数、掲載ページの閲覧数、どんな検索語から見つけられたかといった分析データも見られるようになります。アプリストアの管理画面に近い仕組みが、Claudeにも用意されたと考えるとわかりやすいでしょう。

技術面では、2026年7月28日版のMCP仕様(通称MCP 2.0)に対応していることも明記されました。拡張機能として、チャット内に操作画面を表示できるMCP Appsと、企業ユーザーが個別のログイン操作なしで認証できるEnterprise Managed Authの2つが使えます。今後数週間で、ClaudeとClaude Codeの探し方も1つに統合される予定です。既にディレクトリに載っているスキルやコネクタは、変更なしでそのまま掲載が続きます。
日本のEC事業者にとっての3つの論点
1つ目の論点は、EC向けSaaSを提供する事業者にとっての新しい販路になることです。受注一元管理、在庫連携、配送ラベル発行、レビュー分析といったツールを持つ企業は、MCPサーバーを用意すればClaudeの利用者に直接見つけてもらえる可能性が生まれます。公開後に「どの検索語で見つかったか」がわかるため、掲載文の改善もデータに基づいて進められます。日本のEC支援ツールでClaude向けの公式プラグインを出している例はまだ多くないとみられ(要確認)、早く出した企業ほど検索上の存在感を取りやすい局面です。
2つ目の論点は、店舗側がプラグインを選ぶ基準です。審査と安全性スキャンが入るとはいえ、プラグインはClaudeに外部システムを操作させる入り口です。楽天RMSやAmazonセラーセントラル、Shopify管理画面に近いデータを扱う場合は、公式ディレクトリに掲載されたものかどうか、提供元がどこか、どの範囲の権限を求めているかを必ず確認してください。権限設計の考え方は、MCPのエンタープライズ認可と権限設計の記事で詳しく整理しています。
3つ目の論点は、社内ツールの作り方が変わることです。自社専用のスキルやMCPサーバーをまとめてGitHubで管理し、プラグインとして配る形が標準になれば、店長ごとにバラバラだったAIの使い方を1つの型にそろえやすくなります。スキルの作り方はClaude Agent Skillsの作り方の手順書、チャット内に受注管理画面を出すような使い方はMCP Appsの活用記事が参考になります。
今後の展望とEC事業者の初動アクション
今後の焦点は、Claudeの中での「見つけてもらう競争」です。9月20日にお伝えしたUnityの公式プラグインのように、ソフトウェア企業が自社製品の正しい使い方をプラグインとして配る動きは広がっていくとみられます。EC関連でも、カートやモール連携ツールの提供元が公式プラグインを出すかどうかが、ツール選定の判断材料の1つになっていくでしょう。
EC事業者がまず取れる行動は3つです。1つ目は、今使っている受注管理や在庫連携ツールの提供元に、Claude向けのMCPサーバーやプラグインの提供予定を問い合わせることです。2つ目は、社内でよく使うプロンプトや手順をスキルとして書き出しておくことです。プラグインとして配る段階になったとき、そのまま材料になります。3つ目は、EC向けツールを自社で持っている場合、プラグインの作り方のドキュメントを開発担当と一緒に確認し、まずは単体コネクタとして申請できるか検討することです。
まとめ
Claudeのプラグイン申請ポータルは、コネクタとスキルの公開を「プラグイン」にまとめ、審査から公開後の分析までを1か所で扱える仕組みです。EC向けツールの提供者には新しい販路、店舗にとっては選定基準の見直し、社内ではAI活用の標準化という3つの意味を持ちます。まずは利用中ツールの対応予定の確認から始めることをおすすめします。
参考文献
- Claude公式ブログ「Build plugins for Claude」
- Claude公式ブログ(日本語版)
- Model Context Protocol 仕様 2026-07-28版
- MCP拡張機能の概要
- Claude プラグイン開発ドキュメント
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引用元: Claude公式ブログ
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。