Metaは2026年10月26日、AIインフラ投資の資金を調達するため、最大950億ドル規模の新株売却を計画していることが明らかになりました。
本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。Metaの株式売却計画とは、AIデータセンターなどの設備投資を賄うために、普通株と転換優先株、さらに議決権のない新株式を段階的に売り出す資金調達策のことです。The Decoderは、米The Informationの報道を引用して、その全体像を伝えています。AI競争が借入や社債だけでなく、株式市場の資金にまで広がってきたことを示す動きです。
何が起きたか:3つの方法で最大950億ドル
The Decoderによると、調達の総額は最大950億ドルで、内訳は大きく3つに分かれます。1つ目はClass A普通株の売却で、規模は225億ドルです。2つ目は、Series A強制転換優先株式を20分の1ずつに分けた預託株式の売却で、約125億ドルです。3つ目は、新設のClass C株を市場で継続的に売る方式で、規模は600億ドル、開始は早くても2027年第1四半期以降とされています。
SECに提出された発行条件の資料では、普通株と預託株式の合計が約350億ドルと記載されています。預託株式は2億5,000万株で、優先株1株あたりの清算優先額は1,000ドルの予定です。強制転換の決済日は2029年8月15日ごろとされ、Nasdaqでの銘柄コードは「METAM」を予定しています。
普通株については、モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスとのフォワード売却契約が結ばれる見込みで、決済期限は2027年11月19日までです。配当率や転換条件は価格決定時に決まるため、現時点では未確定です。条件はこの先変わる可能性があります(要確認)。
なぜ重要か:支配権を保ったまま巨額の資金を集める設計
今回の注目点は、金額の大きさだけではありません。Metaには議決権の異なる株式があり、Class Aは1株1議決権、Class Bは1株10議決権で、大部分をマーク・ザッカーバーグ氏の支配する法人が保有しています。新たに先週発表されたClass C株は議決権を持ちません。The Decoderは、これによりザッカーバーグ氏の支配権を薄めずに資金を集められる点を指摘しています。
もう一つの特徴は、投資家の顔ぶれです。NVIDIA、AMD、Broadcomの3社が、合計で最大50億ドルのMeta株を購入することに関心を示していると伝えられています。ただし、これは拘束力のない関心表明にとどまります。AI向け半導体を売る側が、買い手であるMetaの株を持つ構図になれば、設備投資と半導体需要が資本面でも結びつくことになります。この点は、実際の購入が確定してから評価する必要があります。
なお、資金の使いみちはSECの資料上「一般企業目的」と書かれており、AIインフラに限定された記載ではありません。AIインフラ向けという位置づけは報道ベースの説明である点に注意が必要です。
今後の動き:価格決定と2027年の継続売却が焦点
直近の焦点は、預託株式の配当率や転換価格がどの水準で決まるかです。条件が厳しければ、市場がMetaのAI投資の回収に慎重だと読み取れます。逆に需要が強ければ、AI投資に対する投資家の信認が厚いことを示します。
中長期では、2027年第1四半期以降に始まる見込みのClass C株の継続売却が試金石になります。売却のペースや株価への影響次第では、他のAI大手が同様に議決権のない株式を使った資金調達へ向かう可能性もあります。これは筆者の見立てであり、現時点で他社の計画が確認されているわけではありません。
まとめ
Metaの最大950億ドルの株式売却計画は、普通株225億ドル、預託株式約125億ドル、Class C株600億ドルの三層構造で、議決権を守りながらAI投資の原資を集める設計です。条件の多くは未確定のため、今後の価格決定と正式な開示を確認しながら追っていくことをおすすめします。
参考文献
- The Decoder: Meta plans up to $95 billion in stock sales to fund its AI buildout
- Meta Platforms, Inc. Form FWP(SEC EDGAR)
- Meta Platforms, Inc. Form 424B5(SEC EDGAR)
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引用元: The Decoder
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。