ChatGPTのAIチャットボット向けウェブ流入シェアが55.5パーセントまで回復しました。
The Decoderが2026年9月7日に伝えたSimilarwebのデータによると、ChatGPTのシェアは3か月前の52.7パーセントから55.5パーセントへ回復し、直前まで勢いのあったGoogle Geminiは27.8パーセントから25.6パーセントへと2か月連続で低下しました。ただし1年前の73.3パーセントと比べれば大幅な地盤沈下であり、その間にAnthropicのClaudeは1.9パーセントから9.3パーセントへと約5倍に伸びています。AI検索経由の流入をどう取りに行くかを考えるうえで、この「分散」は無視できない数字です。本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。

ChatGPTが3か月で2.8ポイント回復、Geminiは2か月連続で低下
結論から言えば、AIチャットボットのウェブ流入シェアは「ChatGPTの一強」から「上位3強+その他」へ形が変わりつつあります。Similarwebが自社のXアカウントで公開した8月時点のデータでは、ChatGPTが55.5パーセント、Geminiが25.6パーセント、Claudeが9.3パーセントという並びです。ChatGPTは3か月前の52.7パーセントから2.8ポイント押し戻し、Geminiは27.8パーセントから2.2ポイント落としました。
その下は差が開いています。DeepSeekが3.4パーセント、Grokが2.4パーセント、Microsoft Copilotが1.6パーセント、Perplexityが0.9パーセントで、いずれも1年を通して大きく伸びてはいません。上位3サービスだけで90.4パーセントを占める計算になります。
ここで押さえておきたいのが、この数字がウェブサイトへの訪問だけを対象にしている点です。The Decoderも指摘しているとおり、スマートフォンアプリやデスクトップアプリからの利用は含まれていません。GeminiはAndroidの通知からアプリが直接開く導線を持ち、OpenAIもモバイルアプリと業務向けデスクトップ版を強く推しているため、実際の利用者数の比率はこのグラフとは異なる可能性があります。日本国内に限定したシェアも同データからは読み取れないため、国内比率については要確認です。
日本のEC事業者が見るべきは順位ではなく9.3パーセントの伸び方
日本のEC事業者にとって重要なのは、1位がどこかではなく、Claudeが1.9パーセントから9.3パーセントへ動いたという「伸び方」のほうです。1年前であれば、AI経由の流入を考えるときの対策先は実質ChatGPTひとつで済みました。いまはChatGPT、Gemini、Claudeの3つに加え、EUで超大規模オンライン検索エンジンとして指定されるほどChatGPTの検索機能が制度上の存在感を持ち始めている状況です。窓口が増えた分だけ、確認と検証の手間も増えます。
具体的な影響は、自社サイトを持っているかどうかで大きく変わります。楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングの商品ページは、モール側のドメインとテンプレートに乗っているため、生成AIに引用されるかどうかを店舗側が直接コントロールしづらい領域です。一方で自社ECサイトやオウンドメディアは、ページ構造も更新頻度もクローラの許可設定も自社判断で変えられます。ChatGPTの検索がsite演算子を大規模に使い始めているという以前の動きも踏まえると、ドメイン単位で情報が整理されているかどうかが効いてきます。
もうひとつ見落としやすいのが、検索エンジン側の変化との連動です。Googleは検索のPreferred Sources機能のように、AI要約による流入減に対して発行元を指定させる仕組みを追加してきました。AIチャットボットのシェアと、検索結果内のAI要約は別の流入経路ですが、どちらも「どのページが引用元として選ばれるか」という同じ問いに帰着します。1年前と同じページ構造のまま放置している商品カテゴリがあるなら、そこが最初に取りこぼしになります。
明日からの初動は3つに絞れます
第一に、月1回でよいので、自社ブランド名と主要商品カテゴリを同じ質問文でChatGPT、Gemini、Claudeの3つに投げ、どのサイトが引用元として出てくるかを記録することです。3サービスで9割を占めるという前提に立てば、この3つを見ておけば大枠は把握できます。質問文を毎回変えてしまうと比較にならないので、文面は固定してください。
第二に、引用されやすいページの型に寄せることです。生成AIは、そのまま抜き出せる短い言い切り文を好みます。商品カテゴリページや解説記事の冒頭に「〇〇とは、〜のことです」という40字前後の定義文を置き、続けて根拠と具体例を並べる逆ピラミッド構成にするだけでも、抜き出される確率は変わります。よくある質問についても、質問文と回答の1文目を結論から書く形に直しておくと効果的です。
第三に、クローラの扱いとインデックス速度の確認です。robots.txtでAIクローラをどう扱うかは自社の方針次第ですが、少なくとも「意図せず全面ブロックしていた」という状態は避けたいところです。ChatGPTの検索はBingのインデックスに依存する部分が大きいため、新規ページや更新ページをIndexNowで通知しておくと、反映までの時間短縮が期待できます。なお、AIクローラの許可がどの程度売上に結びつくかを示す公的な統計はまだ乏しく、費用対効果の判断材料としては要確認の領域です。
まとめ
ChatGPTは55.5パーセントまでシェアを戻しましたが、1年前の73.3パーセントには遠く、Claudeが9.3パーセントまで伸びたことで流入経路は確実に分散しました。EC事業者としては、どのサービスが勝つかを予想するのではなく、3サービスで自社がどう見えているかを定点観測し、引用されやすいページ構造に直していく、という地道な運用に落とし込むのが現実的です。今日から始めても遅くはありません。
参考文献
- The Decoder|ChatGPT claws back web traffic share to 55.5 percent as Gemini’s brief comeback fades
- Similarweb 公式Xアカウント|AIチャットボット別ウェブ流入シェア
- Similarweb|AI Search Stats in 2026
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引用元: The Decoder
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。