ChatGPT検索が8月8日、site:検索を約46倍に増やしました。
AI検索の裏側で、静かに大きな変化が起きています。AI可視性の計測を手がけるPromptwatchの観測によると、ChatGPT検索が回答を組み立てる前に裏で走らせる「ファンアウト検索」のうち、site: 演算子でドメインを指定した検索の比率が、2026年8月8日にわずか1日で0.37%から16.8%へ跳ね上がりました。比率にして約46倍です。ChatGPTが「ウェブ全体を検索して返ってきたものを読む」段階から、「特定のサイトへ直接取りに行く」段階へ移ったことを示す数字であり、EC事業者にとっては自社ECサイトそのものがAIの情報取得先になったことを意味します。本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。

8月8日に何が起きたか|site:検索が0.37%から16.8%へ
結論から言えば、ChatGPTは1日で「検索の仕方」を変えました。Promptwatchの日次データでは、site: 演算子を含むファンアウト検索の比率は数週間にわたり0.3%から0.5%の範囲で推移していましたが、8月8日に16%台へ急上昇し、その水準を維持しています。数週間ずっと280回に1回だったものが、およそ6回に1回になった計算です。
同じ日にもう一つの数字も動いています。1回の回答あたりの平均ファンアウト検索数が、約1.08件から約1.83件へほぼ倍増しました。Promptwatchはこの同時性を重視しており、site: 検索が既存の一般検索を置き換えたのではなく、上乗せされたと解釈しています。もし置き換えであれば平均件数は横ばいのままだったはずだ、という理屈です。
変化が段階的ではなく1日で完了している点から、個別サイト側の施策ではなく、OpenAI側のモデルまたはシステムプロンプトの展開が原因と見られています。ただしPromptwatch自身が、自社データは「いつ変わったか」を示すもので「なぜ変わったか」は示さないと明記しており、計測上の問題も完全には否定できないと注記しています。OpenAIからの公式説明は現時点で出ていません(要確認)。
波紋の実例|Redditの被引用シェアが86%減
この変化の影響を最も分かりやすく示したのがRedditです。ForbesがGizmodoの報道とPromptwatchのデータをもとに伝えたところによると、RedditのChatGPT被引用シェアは7月18日から8月7日まで平均3.8%で安定していたものが、8月14日から17日の平均で0.52%まで落ち込みました。相対で86%の減少です。4月時点ではRedditはChatGPT検索で最も引用されるドメインで、全引用の4.14%を占めていました。

注目すべきは、この落ち込みがChatGPT固有だという点です。同じ期間のGoogle AI OverviewsにおけるRedditのシェアは、7月初旬の約2.5%から8月の約2.1%へ緩やかに下がっただけでした。プラットフォームごとに引用ロジックがまったく違い、片方の変化がもう片方には波及していないことになります。なお引用が減ったRedditは、2026年第2四半期の売上が前年同期比61%増の8億500万ドルと、事業自体は成長を続けています。
日本のEC事業者にとっての3つの論点
第一に、自社ECサイトが「取得先」になったという前提の切り替えです。ChatGPTが「site:yourshop.jp 送料 返品」のような検索を実行しているなら、AIはあなたのサイトを直接読みに来ています。中身の薄いカテゴリページ、検索エンジンにインデックスされていない特集ページ、404のまま放置されたキャンペーンURLは、順位を失うだけでなくAIの回答からも欠落します。Shopifyや自社ECを運営している事業者ほど影響が直接的です。
第二に、モール出店中心の事業者は、自社ドメインの薄さが弱点になります。楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングの店舗ページは、モール側のドメイン配下にあるため site: 検索の対象は楽天やAmazonのドメインになります。ブランド名で指名検索されたときにAIが読みに行ける自社ドメインの資産がなければ、モールの商品ページに書かれた情報だけで自社が語られることになります。ブランドサイトやコーポレートサイトに、商品仕様・素材・使い方・サポート情報を構造的に置いておく価値は、これまでより明確に上がりました。
第三に、AI可視性は「一晩で書き換わる」インフラの上に乗っているという認識です。今回の変化は、事業者側が何もしていないのに全世界同時に発生しました。特定のAI検索の挙動に最適化してコンテンツ戦略を全面的に組み替えると、次の変更で同じ痛みを繰り返します。うるチカラでもAI検索経由の集客を伸ばすDTC4社の実践やGoogle優先ソースボタンの動きを追ってきましたが、変化に強い施策は例外なく「サイトの土台を整える」側に寄っています。
今週やるべき初動アクション
まず、Google Search Consoleでインデックス済みページ数を確認し、商品ページ・カテゴリページ・FAQ・配送や返品ポリシーのページが漏れなくインデックスされているかを点検してください。site: 検索が拾えるのはインデックス済みの情報だけなので、ここの欠落はそのままAI回答の欠落になります。
次に、自社の主要キーワードでChatGPT検索に実際に質問し、どのページが引用されるかを手で確かめます。1回の回答あたりの検索数が約1.8件に増えたということは、価格・比較・代替品・在庫といった切り口ごとに別々の取得機会が生まれたということです。切り口ごとに答えを用意しているページがあるか、棚卸しする価値があります。
最後に、計測を一度きりの監査ではなく継続に切り替えます。8月8日の変化は事前告知なく起きました。月に一度でよいので、主要プロンプトでの被引用状況を記録に残す運用にしておくと、次の変化に気づくのが早くなります。AI検索経由のCVRに関するGoogleの見解もあわせて確認しておくと、投資判断の材料になります。
まとめ
ChatGPT検索は8月8日、site: 検索を約46倍に増やし、1回答あたりの検索数を約1.08件から約1.83件へ倍増させました。Redditの被引用シェアが86%落ちたことが示すとおり、AI可視性はプラットフォーム側の一存で一晩で変わります。日本のEC事業者が取るべきスタンスは、特定のAIに最適化することではなく、自社ドメインをAIが読みに来ても答えが揃っている状態に整えることです。
参考文献
- Promptwatch|ChatGPT Search Now Uses the site:operator at Scale
- Forbes|Reddit Nearly Vanishes From ChatGPT Citations After OpenAI Search Change
- Promptwatch|Reddit Citations Are Dropping in ChatGPT
- Simon Willison|ChatGPT search now uses the site: operator at scale
※うるチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴社のEC事業に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。
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引用元: Promptwatch
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。