Amazonのスポンサープロダクト広告を回していると、検索語句レポートが数百行に膨れ上がり、どれを除外し、どれを完全一致に昇格させればよいか手が止まりがちです。クリックは多いのに注文ゼロの語に予算が溶け、ACOS(広告費を売上で割った指標)が悪化していく。この記事で紹介するAmazon SP広告の検索語句マイニングスキルを使えば、検索語句レポートを渡すだけで、除外・昇格・入札調整・商品ページ反映の4アクションが閾値ベースで一気に出てきます。
このスキルでできること
このスキルは、ALSEL Agent Skillsが配布するエージェントスキルの一つで、Claude Code上で動きます。入力するのはAmazonの検索語句レポート(Search Term Report)です。出力されるのは、追加すべきキーワード(昇格)、除外すべきキーワード(ネガティブ)、商品ページに反映すべきキーワード、そして入札調整案の4種類です。
ポイントは、判断を感覚ではなく閾値で機械的に行うことです。スキルは検索語句を、指名(自社ブランド名)・一般(カテゴリ語)・競合(他社ブランド名)・用途や属性・無関係、の5つに自動で分類します。そのうえで、クリック20以上で注文ゼロ、またはACOSが200%超なら即ネガティブ、注文3件以上でACOSが目標の半分以下なら完全一致へ昇格、といった代表ルールでアクションを割り当てます。
Amazon出品者にとって、検索語句データは「顧客が実際に使った言葉」そのものです。広告最適化だけでなく、タイトルや箇条書きの改善、カテゴリ理解にも直結します。このスキルはその一次データを、捨てる語・伸ばす語・商品ページに移す語へと仕分けてくれます。
実際の使い方
起動は「Amazon広告の検索語句を分析して」「除外キーワードを作って」「ACOSが悪い検索語句を整理したい」といった指示で行います。期間は14〜30日のレポートが推奨で、7日未満の短期データの場合は「断定を避ける」フラグが立ち、無理な結論を出さない設計になっています。
処理は段階を踏みます。まず在庫切れ期間や既存のネガティブ設定済みの行を除外して再集計し、ブランド名と一般語を切り分けます。次に閾値で分類し、即ネガティブ、ネガティブ検討、完全一致昇格、フレーズ昇格、監視継続に振り分けます。さらに転換率3%以上で売れている語のうち、現行のタイトル・箇条書き・検索キーワード欄に入っていないものを、商品ページ反映候補として抜き出します。
重要なのが、昇格時の重複配信防止です。ある語を完全一致キャンペーンに昇格させたら、元のフレーズ一致や部分一致のキャンペーンで同じ語をネガティブ設定し、二重配信を止めます。これにより、その検索者には完全一致キャンペーンだけがリーチし、入札を一本化できます。目標ACOSや粗利が未設定でも、汎用値(目標ACOS30%など)で仮判定を出し、「最終判断には粗利確認が必要」と冒頭で明示してくれるため、データが揃っていなくても止まりません。
導入による業務インパクト
検索語句レポートを手作業で仕分ける場合、数百行を一行ずつ見て、クリック数とACOSを照らし合わせ、除外候補を拾い、昇格候補を別表に転記する作業に、毎週1〜2時間かかることも珍しくありません。このスキルは、その分類と判定を数分に圧縮します。判定基準が固定されているため、担当者によって除外の基準がぶれる、という属人化も防げます。
一方で限界も正直に押さえておくべきです。閾値はあくまで出発点で、ブランド指名語と一般語は別評価が必要ですし、新商品のローンチ期は判断を保留すべきです。最終的な入札水準や戦略的に攻める競合語の扱いは、人の判断が要ります。キャンペーン構造そのものの再設計は別スキルのAmazonスポンサープロダクト再構築スキル、検索キーワード欄の設計はAmazon検索キーワード設計スキル、限界ACOSの計算はAmazon利益・手数料チェッカーが担います。組み合わせると広告最適化の一連の流れが揃います。
まとめ
このスキルは、Amazon広告に毎月一定額を投じていて、検索語句レポートの仕分けに時間を取られている出品者に向いています。一歩目としては、直近14〜30日の検索語句レポートを書き出し、目標ACOSを決めたうえでスキルに渡してみることをおすすめします。除外候補と昇格候補が出そろうだけで、翌月の予算配分の判断が一気に楽になります。
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【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。