ChatGPTの試着機能とは、自分の自撮りや全身写真をアップロードして、衣類やアクセサリーを着た姿をAIが画像で見せてくれる機能のことです。OpenAIは2026年10月1日(米国時間)、この試着機能と、気になった商品を保存する「お気に入り」を、ChatGPTのショッピング機能に加えると発表しました。
本記事は、EC支援19年・5,000社超の実績を持ち、AI導入支援は2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が解説します。
何が起きたか:ショッピング結果に試着ボタンが並ぶ
TechCrunchによると、ChatGPTのショッピング結果に「試着」ボタンが表示され、ユーザーは自撮りや全身写真を渡すことで、商品を着た自分の姿を確認できます。ChatGPTが探してきた商品だけでなく、ユーザーが手持ちの商品画像をアップロードして「これを着せて」と頼む使い方もできると伝えられています。Engadgetも、ChatGPTが見つけた商品に限らず、任意の衣類のスクリーンショットでも使える点を報じています。
生成には、2026年9月に公開された画像モデルChatGPT Images 2.5が使われます。TechCrunchは、光の表現や質感、指示への追従性が改善され、待ち時間も短くなったと説明しています。気に入った商品は「お気に入り」に保存でき、試着画像と並べて見返せます。さらに、服の雰囲気を文章で伝えて似た商品を探す、有名人のコーディネートを再現する、といった探し方にも対応します。
提供範囲については、TechCrunchがグローバル展開と伝えていますが、日本での提供開始時期や対象プランは記事からは確認できず、要確認です。なお、同記事によればOpenAIは、以前に導入したチェックアウト機能を成果不振のため終了しており、今回は購入完結よりも、商品を選ぶ段階の体験を強める動きだと読めます。
日本のEC事業者にとっての論点:試着前の迷いを、ChatGPT上で解消される
アパレルECの最大の壁は、着てみないとわからないという不安です。サイズ違いやイメージ違いによる返品は、送料や再梱包の負担として店舗側に重くのしかかります。試着機能がChatGPT上で使えるようになると、購入を迷う場面がショップのページではなく、ChatGPTの会話の中で解消されるようになります。
ここで差が出るのは、商品画像の質です。ユーザーが商品画像やスクリーンショットをそのままChatGPTに渡す使い方が成り立つ以上、正面から撮ったすっきりした画像、素材感がわかる画像、色味が実物に近い画像を持っている店舗ほど、AIの試着結果も実物に近くなる可能性があります。楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピング、Shopifyのどの店舗でも、商品画像の整備は、これまで以上に集客と返品率の両方に効く投資になります。
もう一つの論点は個人情報です。Engadgetは、個人アカウントでアップロードした画像は、オプトアウトしない限り学習に使われうる設定だと伝えています。顧客に試着機能を勧める店舗側は、顧客の写真がどう扱われるかを自店のFAQなどで案内する必要が出てくるかもしれません。日本の個人情報保護法との関係は、各社の公式情報で要確認です。
比較対象としては、TechCrunchがGoogleが2025年7月に同様の試着機能を始めていたと触れています。つまり、AI検索や対話型AIで試着まで完結させる流れは、すでに複数社で動いています。
今後の展望・初動アクション
今後の焦点は、試着から購入までの導線が、どこまでChatGPTの中で完結するかです。OpenAIがチェックアウト機能を終了した経緯を踏まえると、当面は商品を探して比較する入口としての役割が中心になる可能性が高いと考えられます。ただし、これは現時点の筆者の見立てであり、今後の発表次第で変わります。
店舗側の初動としては、次の三つが現実的です。第一に、主力商品の画像を見直し、正面、背面、素材の寄りを揃えます。第二に、サイズ表記を実寸ベースで整え、サイズ違いによる返品の原因を減らします。第三に、自店の商品をChatGPTやGoogleで検索し、どう表示されるかを月に一度確認する習慣をつけます。
まとめ
ChatGPTに試着機能と「お気に入り」が加わり、洋服選びの迷いは、ショップのページの外で解消される場面が増えていきます。アパレルECの店長は、商品画像とサイズ情報の質を整えることが、AI経由の接点でも効く基本動作だと押さえておきたいところです。日本での提供時期は要確認ですので、公式発表を引き続き見ていきましょう。
参考文献
- TechCrunch: ChatGPT can now virtually try on clothes for you
- Engadget: ChatGPT can now help you virtually try on clothes
- AI Weekly: OpenAI Adds Try On Button to ChatGPT, Powered by Images 2.5
※うるチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴社のEC事業に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。
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引用元: TechCrunch
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。