301リダイレクトとは、あるURLの評価を別のURLへ恒久的に転送する仕組みのことです。
サイトのリニューアル、独自ドメインへの移行、店舗の統合。EC運営ではURLが変わる場面が定期的に訪れます。そのとき301リダイレクトを正しく設定できているかどうかで、これまで積み上げた検索評価を引き継げるか、ゼロからやり直しになるかが分かれます。この記事は2018年公開の旧版を2026年6月時点の最新事情に全面更新し、.htaccessでの設定、WordPressプラグインでの設定、サーバ別の注意点に加え、EC事業者がURL変更時に評価を引き継ぐ具体手順と、301・302・canonicalの使い分けまでを整理しました。
301リダイレクトとは何か、なぜ必要か
301リダイレクトは、HTTPステータスコードの一つで、「このURLは恒久的に別の場所へ移動した」とブラウザと検索エンジンに伝える指示です。302が一時的な移動を示すのに対し、301は恒久的な移動を示します。この違いは重要で、検索エンジンは301を受け取ると、元のURLに与えていた評価を移転先へ引き継ごうとします。つまり301は、単なる転送ではなく、SEO上の資産を移すための仕組みです。
EC事業者にとって301が必要になる場面は具体的です。サイトを全面リニューアルしてURL構造が変わったとき、httpからhttpsへ切り替えたとき、wwwあり・なしを統一したいとき、商品ページの管理方法を変えてURLが変わったとき。これらで301を設定しないと、検索エンジンは古いURLと新しいURLを別物として扱い、評価が分散します。最悪の場合、古いURLが検索結果に残り続け、クリックした訪問者が存在しないページにたどり着くことになります。
現場で繰り返し見るのは、リニューアル後にアクセスが急減し、原因を探ると301の設定漏れだった、というケースです。デザインや商品構成は良くなったのに、URLが変わったぶんの評価を引き継げず、検索流入が一時的に大きく落ちる。これは設定一つで防げた損失です。URLの正規化という考え方自体を整理したい場合はURL正規化ガイドもあわせて読むと、なぜ転送と正規化を分けて考える必要があるかが見えてきます。
301リダイレクトの設定方法(2026年版)
設定方法はサーバ環境によって変わります。代表的なのは、Apacheサーバの.htaccessに記述する方法、WordPressでプラグインを使う方法、そしてサーバの管理画面から設定する方法の三つです。2026年時点では、専門知識がなくても扱えるWordPressプラグインでの設定が主流になりつつありますが、仕組みを理解するうえで.htaccessの書き方を押さえておくと応用が利きます。
.htaccessでの設定は、サイトのルートに置く.htaccessファイルにリダイレクトのルールを書く方法です。ドメインをまるごと移す場合の基本的な書き方は次のとおりです。記述を誤るとサイト全体が表示されなくなるため、必ず元のファイルをバックアップしてから編集します。
# 旧ドメインから新ドメインへ全体を301転送
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^old-example\.com [NC]
RewriteRule ^(.*)$ <https://new-example.com/$1> [R=301,L]
wwwあり・なしの統一や、httpからhttpsへの統一も、同じ.htaccessでルールを足して対応します。個別ページを1対1で移す場合は、Redirect 301の行を移したいURLの数だけ並べる形が分かりやすく、間違いも起きにくいです。記述後は、後述するステータスコードの確認ツールで、実際に301が返っているかを必ず検証します。.htaccess全般の基礎はhtaccessとは|2026年版設定ガイドで詳しく扱っています。
WordPressを使っている場合は、RedirectionやRank Math Redirectといったプラグインを使う方法が手軽です。管理画面から「移動元URL」と「移動先URL」を入力するだけで301が設定でき、.htaccessを直接触る必要がありません。WordPressには、記事のスラッグを変更したときに旧スラッグから自動で転送する仕組みも備わっていますが、ドメイン移行や大規模なURL変更では、プラグインで明示的に設定するほうが確実です。サーバによっては、管理画面のリダイレクト機能やコントロールパネルから設定できる場合もあるため、契約しているサーバの仕様を確認してください。
EC事業者がURL変更で評価を引き継ぐ手順
サイトリニューアルや店舗統合でURLを変えるときは、行き当たりばったりで転送するとリンク切れや評価の取りこぼしが起きます。直近の支援案件で観測したのは、事前に「旧URLと新URLの対応表」を作ってから移行した店舗ほど、検索流入の落ち込みが小さかったという傾向です。手順を踏むことが、評価を引き継ぐいちばんの近道です。
最初にやるべきは、旧サイトの全URLの洗い出しです。サイトマップやアクセス解析、検索エンジンの管理ツールから、これまで流入のあったURLを一覧にします。次に、それぞれの旧URLが新サイトのどのURLに対応するかを決め、対応表を作ります。対応するページがなくなる場合は、最も近い内容のページか、関連カテゴリのトップに転送するのが基本です。存在しないからといってトップページに全部まとめて転送すると、検索エンジンは「ソフト404」とみなして評価を引き継がないことがあるため避けます。
対応表ができたら、301を設定し、移行後にステータスコードの確認ツールで主要URLが正しく301を返しているかを点検します。あわせて、検索エンジンの管理ツールに新しいサイトマップを送信し、内部リンクや構造化データの中に古いURLが残っていないかも確認します。店舗統合の場合は、統合される側の人気ページを統合先のどこに着地させるかを丁寧に設計すると、評価の移転がスムーズです。楽天市場など外部モールから自社サイトへ誘導する設計は各モールの規約に従う必要がありますが、自社ドメイン内のURL変更は301で完結します。
301・302・canonicalの使い分け早見
似た役割に見える301・302・canonicalは、伝える意味が異なります。301は恒久的な移動で、評価を移転先へ引き継ぎたいときに使います。302は一時的な移動で、元のURLをいずれ復活させる予定があるとき、たとえばキャンペーンページへ一時的に飛ばす、メンテナンス中に別ページを見せる、といった場面に向きます。302は評価を移転しないため、恒久的なURL変更で誤って302を使うと、評価が引き継がれません。リダイレクトの種類ごとの扱いはGoogle検索セントラルの公式ドキュメントでも解説されています。
canonical(カノニカル)は、転送ではなく「正規のURLはこちらです」と検索エンジンに伝える注釈です。内容が似た複数のURLが存在するが、どれもアクセスできる状態にしておきたいときに使います。たとえば、並び替えや絞り込みでパラメータ付きのURLが大量に生まれる商品一覧ページで、評価を代表URLに集約したい場合です。ページ自体は表示したまま評価だけ集約するのがcanonical、ページごと別URLへ飛ばすのが301、という違いで整理すると選びやすくなります。canonicalの具体的な使い方はcanonicalとは|URL正規化と注意点にまとめています。
迷ったときの判断軸はシンプルです。古いURLをもう使わないなら301、一時的に別ページを見せるだけなら302、ページは残すが評価を一本化したいならcanonical。この三択で考えると、多くの場面で適切な選択ができます。
AIで301リダイレクトの設定を効率化する
URLの対応表づくりや.htaccessの記述は、生成AIを使うと作業を速められます。ただし生成されたリダイレクト設定は、必ず控えの環境で検証してから本番に反映します。次のプロンプトは、旧URLと新URLの対応表から.htaccessの記述を作らせる例です。
あなたはWebサーバの設定に詳しいエンジニアです。
次の旧URLと新URLの対応表をもとに、Apacheの.htaccessに書く301リダイレクトの記述を作成してください。
条件:
- すべて恒久的な移動なので301を使う
- 記述の前に、バックアップを取る注意書きを1行入れる
- 1対1の対応はRedirect 301で簡潔に書く
対応表:
{旧URL1} → {新URL1}
{旧URL2} → {新URL2}
生成された記述は、行数が対応表と一致しているか、転送先のURLが正しいかを目視で確認します。反映後は、ステータスコードの確認ツールで主要URLが301を返すことを点検してください。
よくある質問
301リダイレクトを設定すれば評価は必ず引き継がれますか
おおむね引き継がれますが、反映には時間がかかります。検索エンジンが新URLを再評価するまで数週間かかることもあるため、設定後すぐに順位が戻らなくても焦らず、転送が正しく機能しているかを確認しながら待ちます。
301と302はどちらを使えばよいですか
URLをもう使わない恒久的な移動なら301、一時的な移動で元のURLを後で戻すなら302です。恒久的な変更で302を使うと評価が引き継がれないため、迷ったら301が無難です。
トップページに全部まとめて転送してよいですか
避けたほうがよいです。内容が対応しないページへの一括転送は、検索エンジンがソフト404とみなして評価を引き継がないことがあります。最も近い内容のページか関連カテゴリへ個別に転送します。
WordPressならプラグインだけで十分ですか
通常のスラッグ変更やページ移動ならプラグインで十分です。ドメイン移行や大規模なURL変更では、設定漏れを防ぐために対応表を作り、プラグインで明示的に設定するのが確実です。
301が正しく設定できたかどのように確認しますか
HTTPステータスコードを確認するツールに旧URLを入力し、301が返っているか、転送先が意図したURLかを点検します。主要なURLは一つずつ確認すると安心です。
canonicalと301を併用してもよいですか
役割が違うので、場面で使い分けます。ページごと移すなら301、ページは残して評価を集約するならcanonicalです。同じURLに両方を矛盾する形で設定すると検索エンジンが混乱するため、意図を一つに絞ります。
サイト移行後にアクセスが落ちました。原因は何が考えられますか
301の設定漏れ、転送先の誤り、対応しないページへの一括転送が代表的な原因です。まず主要URLのステータスコードを確認し、対応表どおりに転送されているかを点検してください。
著者:齋藤竹紘(株式会社オルセル 編集長/5,000社以上のEC支援実績/書籍3冊)
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株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。