Shopify Liquidとは、Shopifyのテーマで表示内容を制御するテンプレート言語のことです。
Shopifyのテーマをカスタマイズしたいのに、Liquidのタグの書き方が分からず、コードに触れた瞬間に手が止まる。これはエンジニアを社内に持たない店舗で最も多い詰まり方です。Shopify LiquidはテーマのHTMLに変数や条件分岐を埋め込むための言語で、商品情報やコレクションの中身を動的に表示させる役割を担います。本記事では、Liquidを一から学ぶのではなく、ChatGPTなどのAIに書かせて手直しする前提で、テーマを安全にカスタマイズする手順を、コピーして使えるプロンプト5本とあわせて示します。コードに不慣れでも、自店で必要な改修の指示書をAIに渡せる状態を目指します。
Shopify Liquidを2026年にAIで扱う意味
Liquidは、Shopifyが公開するテンプレート言語で、テーマの中で「この商品の価格を表示する」「在庫があるときだけ表示する」といった制御を担います。公式のShopify Liquidリファレンスにタグやフィルターの一覧がまとまっていますが、量が多く、必要な書き方を探すだけでも時間がかかります。ここで効くのが、やりたいことを日本語で伝えてLiquidのコードに変換させるAIの使い方です。タグの暗記ではなく、要件の言語化に集中できるようになります。
2026年に入って実務での意味が増したのは、生成AIがLiquidのような限定的な構文を高い精度で扱えるようになったことです。Liquidは汎用プログラミング言語より文法が狭く、AIが誤りを起こしにくい領域です。直近の支援案件で観測したのは、コードを書いた経験がない担当者でも、AIに要件を渡して生成されたコードをテーマにあてはめ、表示を調整できたケースでした。ただし、生成されたコードをそのまま本番テーマに貼るのは危険です。表示崩れやエラーのリスクがあるため、必ず複製テーマで試してから本番に反映する手順が前提になります。
Liquidのカスタマイズは、テーマ選定やノーコードの設定で足りる範囲を超えたときに必要になります。テーマの標準機能でできることはまず設定で済ませ、それでも届かない表示要件だけをLiquidで補う、という順序が無駄を生みません。Shopify全体の運営でAIをどう組み込むかはShopifyをAIで運営する完全ガイドに整理しているので、Liquidの改修もその一部として位置づけると、どこまで自前でやるべきかの線引きがしやすくなります。
AIでLiquidを書くプロンプト5本
ここからは、ChatGPT・Claude・Geminiのいずれでも使えるプロンプトを5本示します。変数は中括弧で囲んでいるので自店の要件に置き換え、生成されたコードは必ず複製テーマで検証してから本番に反映してください。
最初は、やりたいことを伝えてLiquidコードに変換させる基本プロンプトです。要件を具体的に書くほど精度が上がります。
(用途タイトル:要件からLiquidコードを生成)
あなたはShopifyテーマのカスタマイズに精通したエンジニアです。
以下の要件を満たすLiquidコードを書いてください。
要件:
- やりたいこと:{例:商品ページで在庫が5個以下のとき「残りわずか」と表示}
- 対象テンプレート:{例:product.liquid またはセクション}
- 表示条件:{条件を具体的に}
出力:
1. Liquidコード(コメント付き)
2. どのファイルのどこに貼るかの説明
3. 検証時に確認すべき表示パターン
次に、既存のテーマコードの意味を説明させるプロンプトです。改修前に現状を理解するために使います。
(用途タイトル:既存コードの解読)
以下のShopify Liquidコードが何をしているか、コードを書いたことがない店舗担当者にも分かるように説明してください。
あわせて、この部分を変更すると表示にどう影響するか、変更時の注意点を挙げてください。
コード:
{既存のLiquidコードを貼る}
出力:処理の概要/各行の役割/変更時のリスク
表示崩れが起きたときの切り分けにもAIを使えます。
(用途タイトル:表示エラーの切り分け)
Shopifyのテーマを編集したところ、以下の表示崩れ(またはエラー)が発生しました。
原因の候補と、確認すべき箇所を優先度順に挙げてください。
状況:{何をしたら何が起きたか}
関連コード:{該当箇所}
出力:原因候補/確認手順/元に戻す方法
コレクションや商品ループの条件分岐は、要件が複雑になりがちです。
(用途タイトル:条件分岐の設計)
Shopifyのコレクションページで、以下の条件で商品の表示を出し分けるLiquidを書いてください。
条件:{例:セール中の商品にはバッジを表示、在庫切れは末尾に回す}
注意:
1. 表示速度に悪影響が出にくい書き方にする
2. 条件が増えても読みやすい構造にする
出力:Liquidコード/条件ごとの動作説明
最後に、本番反映前のレビュー用プロンプトです。人の目視と二重で点検します。
(用途タイトル:反映前のコードレビュー)
以下のLiquidコードを本番テーマに反映する前にレビューしてください。
観点:
1. エラーや表示崩れを起こしうる箇所
2. 表示速度への影響
3. 他のテンプレートやセクションへの副作用
コード:{生成・編集したコード}
出力:指摘箇所/リスクの種類/修正案/反映手順
よくある失敗と回避策
最も多いのは、生成されたコードを複製テーマで試さず、いきなり本番テーマに貼って表示が崩れるパターンです。Shopifyはテーマを複製できるので、必ず複製側で検証し、問題がないことを確認してから本番に反映してください。二つ目は、要件をあいまいに伝えて、意図と違うコードが返るケースです。「在庫が少ないとき」ではなく「在庫が5個以下のとき」のように、条件を数値や具体例で渡すと精度が上がります。三つ目は、テーマの標準機能で足りる改修までLiquidで書いてしまい、保守が重くなる失敗です。設定やノーコードで済む範囲はそちらで対応し、Liquidは本当に必要な部分に絞ります。ヘッドレス構成まで視野に入れる場合はShopify Hydrogenの解説記事で、どこまで自前で作り込むべきかの判断材料がそろいます。
KPIと費用・工数の目安
Liquid改修の効果は、改修した箇所に応じた指標で見ます。商品ページの表示要素を変えたなら購入率、コレクションの並び替えを変えたなら回遊や滞在の指標です。効果検証は、改修前後で同じ集客条件のもと、2週間から1か月のスパンで比較するのが現実的です。費用面では、AI側はChatGPT・Claude・Geminiのいずれも有料プランが月20米ドル前後で、1契約あれば本記事のプロンプトはすべて回せます。エンジニアに外注する場合と比べ、要件定義と一次生成を自社でAIに任せ、複雑な改修だけ外注する分担にすると、費用と速度のバランスが取りやすくなります。工数は、単純な表示制御ならAI生成と検証で半日前後、複雑な条件分岐を含むなら数日を見ておくと無理がありません。
今後の展望
Shopifyのテーマ開発でも、AIによるコード生成は今後さらに当たり前になります。重要なのは、コードを書けるかどうかより、何を作るべきかを言語化できるかに価値が移っていくことです。Liquidの構文はAIに任せ、店舗担当者は買い手の体験をどう良くするかという要件の設計に集中する。この役割分担が、エンジニアを抱えない中小規模の店舗にとって現実的な進め方になります。検索面の整備とあわせて、ShopifyのSEO対策ガイドの手順も並行して進めると、表示の改善と集客の改善が両輪で回ります。
よくある質問
コードを書いた経験がなくてもLiquidを扱えますか
要件を具体的に言語化できれば、コードの生成はAIに任せられます。ただし生成されたコードの検証と本番反映の判断は人が行う必要があるため、複製テーマで試す手順だけは必ず身につけてください。
生成されたコードをそのまま本番に貼ってよいですか
避けてください。表示崩れやエラーのリスクがあるため、必ずテーマを複製し、複製側で動作を確認してから本番に反映します。この手順を飛ばすと、最悪の場合ストア全体の表示に影響します。
無料のAIでもLiquidは書けますか
無料プランでも単純な表示制御は生成できますが、複雑な条件分岐や既存コードの解読では、有料プランの方が文脈を保てて安定します。まず無料で試し、本格運用で切り替える流れがおすすめです。
テーマの標準機能とLiquid改修はどう使い分けますか
まず設定やノーコードで対応できる範囲はそちらで済ませ、それでも届かない表示要件だけをLiquidで補います。最初からコードに頼ると保守が重くなるため、必要な部分に絞るのが原則です。
改修でストアが壊れたら元に戻せますか
複製テーマで作業していれば本番は無傷で済みます。本番を直接触ってしまった場合も、Shopifyはテーマのバージョン履歴を持つため戻せる場合がありますが、作業前のバックアップを取っておくのが安全です。
著者:齋藤竹紘(株式会社オルセル 編集長/5,000社以上のEC支援実績/書籍3冊)
※うるチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴社のEC事業に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。
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【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。