aタグ とは、クリックで別のページや場所へ移動させるリンクを作るHTMLのアンカー要素のことです。
ECサイトやメルマガを運用していると、商品ページから別の商品へ誘導したい、お問い合わせフォームへ飛ばしたい、メール本文にリンクを置きたい、といった場面が毎日のように出てきます。そのすべての土台になっているのがaタグです。この記事では、aタグの基本であるhref属性とtarget属性の使い方を押さえたうえで、EC事業者がつまずきやすい「どこにリンクを置いてよくて、どこに置くと規約違反になるのか」を、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・自社ECごとに整理します。さらにrel属性とSEOの関係、読みやすいリンクテキストの書き方、生成AIでリンク付きの文面を安全に作るプロンプトまでをまとめました。2025年に書いた旧版を、モールの規約とSEO・アクセシビリティの観点で全面的に書き直しています。
aタグが担う役割と、EC運用で触れる場面
aタグはanchorの頭文字をとった要素で、Webページ内に「ここをクリックすると別の場所へ移動できる」という入り口を作ります。表示されているテキストや画像を、別ページや同じページ内の特定箇所、メールアドレス、電話番号などと結びつけるのがその仕事です。HTMLの中でも歴史が長く、ハイパーリンクという言葉そのものを体現する要素だと言えます。
EC事業者がaタグに触れる場面は、思っているよりも幅広く存在します。Shopifyやワードプレスで自社サイトのバナーをカスタムする時、楽天市場の商品説明文に他商品への誘導を入れる時、HTMLメールやメルマガで商品ページへのボタンを置く時、ブログ記事から商品ページへ内部リンクを張る時。いずれも裏側ではaタグが動いています。HTMLエディタを直接さわらないとしても、リンクの仕組みを理解しているかどうかで、誘導の設計やトラブルの切り分けが大きく変わってきます。
ALSELが支援する店舗群でも、「リンクをクリックしても遷移しない」「別タブで開きたいのに同じタブで開いてしまう」「モールの審査でリンクを削除された」という相談は定期的に届きます。その多くは、aタグの属性の意味と、各プラットフォームのリンクルールを正しく理解していれば防げるものでした。まずは基本の書き方から確認していきます。
href属性とtarget属性、2つの基本を正しく書く
aタグの中身は、属性の組み合わせで決まります。最低限覚えておきたいのはhrefとtargetの2つです。
href属性は、リンク先を指定する属性です。hypertext referenceの略で、どこへ移動するかをここに書きます。たとえば商品ページへのリンクなら、移動先のURLをhrefの値として記述し、aタグで囲んだテキストがクリック可能なリンクになります。書き方としては、開始タグのaにhref属性で移動先を指定し、その間に表示テキストを挟み、閉じタグで終える、という形です。マークダウンで書ける環境なら、リンクラベルと移動先URLを1ペアで指定するだけで同じ結果になります。
hrefに入れるURLには、httpsから始まる完全な形の絶対URLと、同じサイト内の位置だけを示す相対URLの2種類があります。外部サイトや別ドメインへ送る場合は必ず絶対URLを使います。自社サイト内の別ページへ送るなら相対URLでも動きますが、メルマガやモールの説明文に貼る場合は、環境によって基準となる場所が変わって意図しない先に飛ぶことがあるため、絶対URLで書いておくほうが安全です。
target属性は、リンク先をどこに開くかを指定する属性です。指定できる主な値は4つあります。_selfは同じタブ(同じウィンドウ)で開く指定で、これが何も書かなかった時の標準動作です。_blankは新しいタブで開く指定で、外部サイトへ誘導する時や、PDFや申込フォームを別タブで見せたい時に使います。_parentは入れ子になったフレームの一段上の枠で開く指定、_topはフレームの入れ子をすべて解除して最上位の枠で開く指定です。_parentと_topはiframeを多用した古い構成で使うもので、通常のECサイトやメルマガではほとんど登場しません。実務で押さえておくべきは_selfと_blankの2つだと考えてよいです。
新しいタブで開くtarget=”_blank”を使う時に、合わせて入れておきたいのがrel=”noopener”です。これを付けないと、開いた先のページから元のページを操作される余地が残り、セキュリティ上の懸念があります。多くのブラウザは近年これを自動で補ってくれるようになりましたが、メールやモールの説明欄など環境がまちまちな場所では、自分で明示しておくほうが確実です。relについては後の章で詳しく扱います。
EC現場でのaタグ活用例と、覚えておきたい3つの応用
基本の2属性を押さえたら、実務で頻出する応用を見ていきます。旧版でも紹介していた3つの使い方を、EC運用の文脈であらためて整理します。
1つ目は、まだ移動先が決まっていない仮置きのリンクです。hrefにシャープ記号だけを入れておくと、クリックしてもページの先頭に戻るだけで、どこにも遷移しないプレースホルダになります。バナーのデザインだけ先に組んで、後からリンク先URLを差し込む段取りの時に使います。本番公開前には必ず実際のURLに差し替えるという運用ルールをセットで持っておくと、リンク切れのまま公開する事故を防げます。
2つ目は、同じページ内の特定の見出しへ飛ばす目次リンクです。飛ばしたい見出しにid属性で名前を付けておき、リンク側のhrefにシャープ記号とそのid名を指定すると、クリックでその位置までスクロールします。商品の詳細説明が長い自社ECのページや、特集ページの目次、よくある質問への内部ジャンプなどで活躍します。読み手が知りたい情報へ最短でたどり着けるため、長尺ページの離脱を抑える効果が期待できます。
3つ目は、電話番号へのリンクです。hrefにtel:と続けて電話番号を書くと、スマートフォンで表示した時にタップだけで発信できるようになります。受注窓口やサポート電話を載せる自社ECのフッターやお問い合わせページで使うと、購入前の問い合わせのハードルを下げられます。メールアドレスへリンクしたい時はmailto:を使うと、タップでメール作成画面が開きます。なお、後述しますがこの種の連絡先リンクは、置いてよい場所がプラットフォームごとに厳格に決まっている点に注意が必要です。
モール別の外部リンク規約を正確に押さえる
ここがECサイト運営でもっとも事故が起きやすい論点です。aタグの書き方は全プラットフォーム共通でも、「どこへリンクしてよいか」はプラットフォームごとにまったく異なります。技術的に書けることと、規約上やってよいことは別物だという前提で読み進めてください。
楽天市場が、もっとも制約が厳しいプラットフォームです。楽天市場の店舗運営規約では、商品ページや店舗ページに、楽天市場の外へ誘導するリンクを置くことが禁止されています。具体的には、自社ECサイト、店舗ブログ、LINE公式アカウント、Instagram、X(旧Twitter)、Facebook、YouTubeといった楽天市場外のURLを、商品説明文や店舗トップに貼ることはできません。URLそのものだけでなく、電話番号、メールアドレス、QRコードなど、楽天会員IDで完結しない連絡・誘導手段も同様に制限されます。これは店舗向けのメルマガである楽天R-Mailの本文でも同じで、R-Mailから楽天市場外のURLへリンクすることはできません。楽天市場の中での回遊、たとえば他の商品ページや同じ店舗の別カテゴリページへのリンクは問題ありません。aタグを使う時は、リンク先が楽天市場のドメイン内で完結しているかを必ず確認してください。
Amazonも外部リンクには厳しい姿勢をとっています。出品者が使える商品紹介コンテンツ、いわゆるA+コンテンツの中に、外部サイトへのURLリンクを入れることは原則として認められていません。Brand Registry(ブランド登録)に紐づく機能上の制限で、A+の本文やバナーから自社サイトやSNSへ送ることはできない仕様です。Amazon内での回遊は、ストアページやAmazon Posts経由で行うのが基本になります。さらに商品レビューについても、「レビューありがとうございます、次回割引します」といった特典提供と引き換えにレビューを促す行為は規約違反です。レビューへの返信や依頼を考えている場合は、規約に沿った範囲で行う必要があります。
Yahoo!ショッピングは、楽天やAmazonと比べると外部誘導に関する明示的な禁止規約はやや緩い位置づけですが、店舗から外部へのメール内リンクは推奨されていません。2024年以降ガイドラインの整備が進んでおり、運用ルールが変わる可能性があるため、最新の出店者向けガイドラインを都度確認するのが安全です。緩いから何をしてもよいという理解は避けてください。
Shopifyやワードプレス、BASE、STORESといった自社ECは、自分のドメインで運営しているため、外部へのリンクは基本的に自由です。自社サイトから関連メディアやSNS、外部の決済・予約サービスへ送ることに技術的・規約的な制約はほとんどありません。ただし自由だからこそ、景品表示法、薬機法、特定商取引法といった法令の遵守は自分の責任で行う必要があります。最高、No.1、即効、治療、改善、効く、といった誇大表現や薬機法に抵触する表現を、リンクテキストや遷移先のページで使わないよう注意してください。なお、楽天市場で買えますという案内を自社サイトに置いて楽天の商品ページへ送る、という逆方向の誘導は規約上問題ありません。制限がかかるのはあくまで「楽天市場の中から外へ出す」方向です。
この規約の差は、aタグを書く前のチェックリストとして頭に入れておくと事故を防げます。楽天系のページやメルマガを触る時の具体的な運用は、楽天R-Mailの作り方を扱った楽天メルマガをAIで作る手順や、商品ページの作り込みを解説した楽天商品ページをAIで改善する方法もあわせて確認してください。
rel属性とSEO、検索エンジンに正しく伝える
aタグにはhref、target以外にもrel属性という重要な属性があります。relはリンク元とリンク先の関係を検索エンジンやブラウザに伝えるもので、SEOやセキュリティの観点で意味を持ちます。EC運用で押さえておきたい値は3つです。
nofollowは、このリンクを検索エンジンが評価の受け渡しに使わないでほしい、という意思表示です。広告リンクや、自分が品質を保証できない外部サイトへのリンクに付けます。これを付けると、リンク先への評価(リンクジュース)の受け渡しを抑制できます。
sponsoredは、そのリンクが広告や有料の対価を伴うものであることを示す値です。アフィリエイトリンクや純広告のリンクには、nofollowではなくsponsoredを使うのがGoogleの推奨です。広告であることを正しく申告することで、検索エンジンとの信頼関係を保てます。
noopenerは、先ほど触れたとおりtarget=”_blank”で新しいタブを開く時のセキュリティ対策です。SEOへの直接の影響はありませんが、外部リンクを別タブで開く設定とセットで使う習慣をつけておくと安心です。広告の外部リンクを別タブで開くなら、relにsponsoredとnoopenerを両方並べて指定する、という形になります。
自社ECやオウンドメディアでは、サイト内の関連ページへの内部リンクには原則relを付けず、評価が自然に巡るようにします。一方で外部の広告や信頼性を保証できないリンクには適切なrelを付けて、検索エンジンに状況を正しく伝える。この使い分けが、サイト全体のSEO健全性につながります。なお、同じページが複数のURLで存在してしまう場合の正規化は、aタグのrelではなくcanonicalタグで扱う領域です。重複URLの整理についてはcanonicalタグの使い方で詳しく解説しています。
アクセシビリティを意識したリンクテキストの書き方
aタグで囲むテキスト、つまりリンクテキスト(アンカーテキスト)の書き方も、運用の質を左右します。見た目はクリックできればよいと思われがちですが、検索エンジンも、画面読み上げソフトを使う利用者も、このテキストからリンク先の内容を判断しています。
避けたいのは「こちら」「詳しくはこちら」「クリック」といった、それ単体ではリンク先が分からないテキストです。画面読み上げソフトはリンクだけを抜き出して一覧する機能を持つことがあり、「こちら」ばかりが並ぶと利用者はどこへ飛ぶのか判断できません。検索エンジンにとっても、リンクテキストはリンク先の内容を理解する手がかりなので、内容を表す言葉が入っているほうが望ましいです。
良いリンクテキストは、リンク先に何があるかを短く具体的に表したものです。たとえば「詳しくはこちら」ではなく「送料無料キャンペーンの詳細」「2026年春の新作一覧」のように、遷移先を言い当てる言葉にします。長すぎても読みにくいため、要点を押さえた十数文字程度を目安にするとよいです。画像をリンクにする場合は、画像のalt属性にリンク先を表す説明を入れておくと、画像が表示されない環境や読み上げ環境でも内容が伝わります。
こうした配慮は、特別な機能を追加するものではなく、aタグで囲む言葉を選ぶだけで実現できます。アクセシビリティとSEOの両方に効く、コストの低い改善だと考えてください。
AIでリンク付きの文面を安全に作るプロンプト
リンクテキストやメルマガ文面の作成は、生成AIと相性のよい作業です。ただしモールの規約を踏み外すと審査落ちや規約違反につながるため、AIに依頼する時点で守るべきルールを明示しておくことが重要です。ここでは2026年5月時点で実務に使えるプロンプトを紹介します。利用するモデルは、ChatGPT、Claude、Geminiのいずれの最新版でも同様に動作します(モデル名・仕様は2026年5月時点の確認値であり、最新情報は要確認です)。
楽天R-Mailの文面を規約違反なく作る場合は、外部リンク禁止を最初に伝えます。
あなたは楽天市場の店舗運営規約に精通したECコピーライターです。
以下の条件で、楽天R-Mail(楽天市場の店舗向けメルマガ)の本文を作成してください。
商材: {商品ジャンルと特徴}
配信目的: {再購入促進/新商品告知 など}
配信対象: {購入回数や最終購入日のセグメント}
制約:
- 本文に楽天市場の外へのリンク(自社EC・SNS・LINE・自社ブログ)は一切入れない
- リンクは楽天市場内の商品ページ・カテゴリページのみ
- 件名は全角30字以内、本文ファーストビューに要点を置く
- 薬機法・景表法に抵触する表現(最高・No.1・即効・治療・改善・効く)は使わない
出力フォーマット:
件名候補を3案、本文を1案。本文中のリンク挿入位置には【楽天商品ページURL】と明記する。
自社ECのHTMLメールやページで、リンクテキストを改善したい場合は次のように依頼します。
あなたはアクセシビリティとSEOに詳しいWeb編集者です。
以下のリンクテキスト案を、リンク先の内容が単体で分かる表現に書き直してください。
リンク先と現状のテキスト:
- {リンク先の内容}: {現状のテキスト(例: こちら)}
条件:
- 各リンクテキストは十数文字程度で、遷移先を具体的に表す
- 「こちら」「詳しくはこちら」「クリック」は使わない
- 外部の広告リンクには rel="sponsored" を付ける旨を補足する
- 別タブで開く外部リンクには target="_blank" rel="noopener" を併記する
出力:
書き直し後のテキストと、対応するaタグの記述例を並べる。
生成された文面は必ず人の目で確認してください。特に楽天市場やAmazonの審査がある領域では、AIが規約を完全に把握しているとは限らないため、外部リンクが混入していないか、誇大表現が入っていないかを最終チェックする運用にします。レビュー返信文をAIで作る場合の規約の押さえ方はAmazonレビューにAIで返信する手順も参考になります。
よくある質問
aタグで新しいタブを開くにはどうすればよいですか
開始タグのaにtarget=”_blank”を指定すると、リンク先が新しいタブで開きます。外部サイトへ誘導する時や、フォームやPDFを別タブで見せたい時に使います。あわせてrel=”noopener”を付けておくと、開いた先から元のページを操作される懸念を防げるため、外部リンクでは併記しておくと安心です。
hrefにシャープ記号だけを入れるとどうなりますか
リンク先がまだ決まっていない仮置きの状態になり、クリックしてもページの先頭に戻るだけでどこへも遷移しません。バナーのデザインを先に組んで後からURLを差し込む段取りで使えますが、本番公開前に必ず実際のURLへ差し替える運用ルールをセットにしてください。
楽天市場の商品ページに自社サイトのリンクを貼ってもよいですか
できません。楽天市場の店舗運営規約では、商品ページや店舗ページ、楽天R-Mailの本文に、自社EC・SNS・LINE・ブログなど楽天市場外のURLを置くことが禁止されています。URLだけでなく電話番号やメールアドレス、QRコードなど楽天会員IDで完結しない誘導も同様に制限されます。リンクは楽天市場内の商品ページやカテゴリページに限定してください。
AmazonのA+コンテンツに外部リンクは入れられますか
原則として入れられません。Brand Registryに紐づく商品紹介コンテンツ(A+)では、本文やバナーから外部サイトへのURLリンクを置くことが認められていない仕様です。Amazon内での回遊は、ストアページやAmazon Posts経由で行うのが基本になります。
nofollowとsponsoredはどう使い分けますか
自分が品質を保証できない一般的な外部リンクにはnofollowを、広告や有料の対価を伴うリンクにはsponsoredを使うのがGoogleの推奨です。アフィリエイトリンクや純広告にはsponsoredが適切です。両者を取り違えると検索エンジンへの申告が不正確になるため、リンクの性質に合わせて選んでください。
リンクテキストに「こちら」を使うのはなぜよくないのですか
「こちら」だけではリンク先の内容が分からないためです。画面読み上げソフトはリンクを一覧で読み上げることがあり、「こちら」ばかりだと利用者がどこへ飛ぶか判断できません。検索エンジンもリンクテキストから遷移先の内容を読み取るため、遷移先を具体的に表す言葉にしたほうがアクセシビリティとSEOの両方で有利です。
電話番号やメールアドレスへのリンクはどこに置いてもよいですか
自社ECでは、hrefにtel:やmailto:を使った連絡先リンクを自由に置けます。ただし楽天市場では、商品ページや店舗ページに電話番号・メールアドレスを記載して楽天市場外へ誘導することが規約で制限されています。置いてよい場所がプラットフォームごとに異なるため、モールに出店している場合はそのモールの規約を確認してから設置してください。
著者:齋藤竹紘(株式会社オルセル 編集長/5,000社以上のEC支援実績/書籍3冊)
※うるチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴社のEC事業に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。
https://uruchikara.jp/contact/

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。