Googleは2026年9月4日にGoogleアシスタントを終了します。
Googleが、AndroidとWear OSのGoogleアシスタントを2026年9月4日から順次終了し、Geminiへ全面的に置き換えると既存ユーザーへメールで通知しました。もともと2025年末に予定されていた終了時期が1年ずれ込み、ついに具体的な日付が出た形です。スマートフォンの音声操作という、EC事業者にとっては「検索の入口のひとつ」が、決まった命令に決まった応答を返す従来型から、確率的に文章を生成するLLMベースへ入れ替わります。本記事は、EC支援19年・5,000社超の支援実績を持ち、AI導入支援を2023年から提供する株式会社オルセル(うるチカラ運営)が、日本のEC事業者向けに論点を整理します。

9月4日に何が起きるのか
結論から言えば、9月4日を境にGoogleアシスタントは段階的に使えなくなり、あとから元に戻すことはできません。9to5Googleが伝えたGoogleの通知メールには「利用できなくなった後は、スマートフォン、タブレット、ペアリング済みの端末でGoogleアシスタントを使うことも、切り替えて戻すこともできなくなります」と記されています。削除は9月4日から始まり、全ユーザーに行き渡るまで数週間かかる見込みだと説明されています。
対象はスマートフォンとタブレットだけではありません。Wear OS搭載のスマートウォッチ、ヘッドホン、そしてスマートフォンから投影して使うAndroid Autoも同じタイミングで対象になります。一方で、車載システムに直接組み込まれた「Google built-in」搭載車については、9月4日以降もGoogleアシスタントが動き続けるとされています。Google TVやGoogle Homeのスピーカー、スマートディスプレイについては、Geminiが順次展開されると触れられているものの、今回の告知の対象外です。日本国内での適用時期や対象端末の細かい線引きは公式アナウンス待ちであり、現時点では要確認です。
なお、The Decoderは今回の移行について、確率にもとづいて動くLLMが、決定論的だった従来のアシスタントと同じ信頼性を日常的な簡単な指示で出せるかは、Googleにとって本当の試験になると指摘しています。この視点は、EC事業者が自社の商品情報をどう整えるかを考えるうえで示唆的です。
日本のEC事業者にとっての3つの論点
第一に、音声の入口が「決まった答え」から「そのつど生成される答え」に変わります。従来のアシスタントは、同じ言い方をすれば同じ結果を返す前提で設計されていました。Geminiに置き換わると、同じ商品を指していても言い回しが違えば結果が揺れる可能性があります。ブランド名や商品名の表記ゆれ、読み仮名の不統一は、これまで以上に不利に働きます。カタカナ表記と英字表記が混在している商品名を整理し、正式名称を一本化しておく作業が有効です。
第二に、家庭内の再注文導線が組み直しになります。Google HomeやGoogle TVにGeminiが入っていけば、スピーカーやテレビ経由で商品を探す体験そのものが変わります。日本での提供時期は要確認ですが、スマートスピーカー経由の定期購入や消耗品の買い足しを想定している事業者は、いま使っている連携が終了後も動くのかを確認しておく段階に来ています。
第三に、Android端末での検索の起点がGeminiに寄ることで、AI経由の流入をどう測るかという課題が現実になります。すでにShopifyはAI検索からの流入がGoogle検索を置き換えるのではなく上乗せになっていると説明しており、この点はAI検索がShopify流入を押し上げた件の解説で整理しています。米国ではMichaelsがGemini搭載の店内アシスタントで従来検索の2倍の転換率を出したと公表しており、アシスタント経由の購買はすでに数字が動く領域です。
今日からできる初動
まず、商品データの鮮度を点検してください。価格、在庫、配送日、サイズやカラーの属性が古いままだと、AIが読み取って提示した内容と実際の商品ページが食い違い、離脱と問い合わせの両方が増えます。楽天市場、Amazon、Shopify、Yahoo!ショッピングのどこを主戦場にしていても、大元の商品マスタを整えることが起点になります。
次に、商品名とブランド名の一意化です。同じ商品が「モデル名だけ」「ブランド名+モデル名」「シリーズ名+型番」と三通りで登録されているケースは珍しくありません。生成AIが判断に迷う材料を減らすほど、指名で呼ばれたときに正しく拾われやすくなります。あわせて、読み方が割れやすいブランド名は、商品説明のなかに読み仮名を自然に含めておくとよいでしょう。
三つ目に、流入の分解です。AI検索やアシスタント経由の訪問を、通常の検索流入と混ぜたまま見ていると、変化が起きても気づけません。GA4の参照元やランディングページ単位で、AI経由と思われる流入を切り出して観測する仕組みを、9月より前に用意しておくことをおすすめします。生成AIまわりのモデル選定や使い分けについては、GeminiのProとFlashの使い分けも参考にしてください。
まとめ
Googleアシスタントの終了は、2026年9月4日から数週間かけて進み、戻す手段はありません。EC事業者にとっての本質は、音声とAIの入口が確率的な仕組みに置き換わり、商品情報の正確さと一意性がそのまま露出量に跳ね返るようになる点にあります。9月までの1か月弱で、商品マスタの整備と流入計測の準備を進めておく価値は十分にあります。
参考文献
- The Decoder – Google will shut down Google Assistant starting September 2026 as Gemini takes over on Android and Wear OS
- 9to5Google – Google Assistant shutting down on Android and Wear OS in September
- 9to5Google – Google Assistant is going away in 2026(2025年12月報)
※うるチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴社のEC事業に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。
https://uruchikara.jp/contact/
引用元: The Decoder
【監修】齋藤竹紘(株式会社オルセル代表 / 19年・5,000社のEC支援実績)

株式会社オルセル代表取締役 / うるチカラ編集長。19年・5,000社以上のEC支援実績を持ち、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・Shopify・Shopee越境ECの実装ノウハウを保有。AI×ECに関する書籍を3冊執筆。「現場で使えるAI実装」を一次情報として発信しています。